こんにちは、あつしです。
シロアリ駆除をしたあと「しばらく匂いが残って大変だった」
そんな声があるのをご存じですか?
今日は駆除剤について
- 匂いの原因
- 薬剤の問題点
- 匂いの対処法
- 安全にシロアリ駆除を行うための対策
この4点をメインに解説していきますね。
シロアリ駆除は臭い?
シロアリ駆除剤の中には匂うものもあり、その原因は駆除に使う薬剤なんです。
ちなみに、昔、シロアリ駆除の経験がある方が「臭かった」と言われるのは、1950年代に使われていた有機塩素系の薬剤が原因です。
有機塩素系の薬に限らず、他にも匂いがある薬剤はたくさんありますので、心配な方は使われている薬剤(成分)を確認するようにましょう。
薬剤による匂いの有無
ここで、実際にシロアリ駆除に使われている薬剤の成分について、代表的なものをいくつか挙げてみますね。
今回は、匂いの有無にフォーカスしてみていきましょう。
薬の成分 | 匂い |
ネオニコチノイド系 | 弱い |
カーバメート系 | あり/硫黄のような匂い |
有機リン系 | あり/強い刺激臭 |
フェニルピラゾール系 | あり/カビのような匂い |
ピレスロイド系 | 無臭 |
フェニルピノール系 | あり |
こうしてみると「匂いのないピレスロイド系の薬剤を使えばいい」と思いますが、実際には匂いの他にも、駆除効果・安全性・環境などを考慮する必要があります。
例えば、表にある「ネオニコチノイド系」の薬剤は、匂いが弱いとされ農薬などにも使用されている薬です。
昆虫類だけに作用するので、人やペットに対しては安全性が高いと言われ、多くのシロアリ駆除剤にも含まれています。
駆除剤としては、総合的に安全性が高いと評価されていますが「ニコチン」を含むため、赤ちゃんや妊婦さんがいるご家庭では慎重に使う必要があります。
また、ネオニコチノイド系の農薬などを誤飲したり、近い距離で農薬を浴びるなど高濃度の成分を摂取すると、急性中毒が起こるため農業従事者には注意喚起されている成分です。
この例から解るように、薬剤には効果とともに副作用(害)もあります。
駆除剤を選ぶ時には、薬の特徴を総合的に理解し使用することが大事です。
それぞれの成分について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい!
シロアリ駆除の薬剤の問題点
駆除剤について総合的な理解を深めるために、もう少し「薬剤」について補足していきますね。
【薬剤選定の難しさ】
駆除に使う薬剤はシロアリに対する「効果」があることが重要ですが、同時に「人体に害のないこと」も必須で「効果」と「安全性」が求められます。
先ほど、代表的な薬剤(成分)を6つほど取り上げましたが、実はこれらの薬剤はシロアリ駆除に使われている薬のごく一部に過ぎません。
「公益財団法人日本しろあり対策協会」では200種類以上の薬剤が、シロアリの予防・駆除に対して認定されています。
多数の薬剤の中から「効果と安全性」を兼ね備えたものを素人が選定するのはなかなか難しく、シロアリ駆除剤を選ぶ時の問題点の1つになります。
国土交通省の管轄のもと組織された団体で、シロアリ業者が構成委員になっています。
【法律規制の問題】
一般的な薬剤は「薬事法」で、農薬は「農薬取締法」により規制されています。
これらの法律があることで、薬そのものもだけでなく中に含まれている有効成分まで規制がかかっているのですが、なんと、シロアリ駆除に使われる薬剤はその対象外なのです。
防蟻・防腐剤の有効成分は「化学物質審査および製造等の規制に関する法律」の規制下にありますが、その製剤は規制の対象とされていません。従って、防蟻・防腐剤は製造者、使用者の自主的な判断に基づいて製造・販売・使用されています。
シロアリ駆除剤については、薬剤の選定・購入・使用は自己責任の元で行わなくてはいけないということです。
そう思うと、怖いですよね?
僕も「それは、怖いな」と感じたので、もう少し調べてみました。
【人体への影響】
一番怖いのは、やはり健康被害です。
調べてみると、以前はシロアリ駆除剤による健康被害が多く、危険な有効成分が使用禁止になってきたという歴史がありました。
1986年 クロルデン(有機塩酸系)の使用禁止
2003年 クロルピロポリス(有機リン系)の使用禁止
「有機塩素系の薬剤」は、とても効果があり薬の持続性も長くシロアリ駆除の代表的な薬でしたが、土壌汚染・発癌性・環境ホルモンなどの問題が浮上したため、使用が禁止されました。
その後、登場したのが「有機リン系の薬剤」です。
殺虫能力が高く薬の分解がしやすいため農薬としてはリスクが低いものでしたが、シックハウス症候群が問題になり、2000年には公益社団法人日本しろあり対策協会が規制を開始。
2003年には建築基準法の改正でも使用が禁止されました。
化学物質による空気汚染等が原因で「吐き気」「頭痛」「咽頭痛」などの健康被害が起きることを言います。
空気汚染の原因として、家屋の建設や家具の製造時に使われる、接着剤や塗料などに含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤、木材を昆虫かやシロアリなどの食害から守る防腐剤から発生する揮発性有機化合物があるとされています。
このような経緯を経て、現在使われているシロアリ駆除剤は揮発成分がほとんどなく、安全性の高い薬が使われるようになっています。
それでも、アレルギー体質・薬に敏感な方・皮膚が弱い方などは健康被害が出る可能性がゼロとは言い切れません。小さなお子様や妊婦さん、高齢者なども注意が必要ですね。
シロアリ駆除剤の健康被害について詳細はこちらも参考にしてください。
匂いの対処法
ここからは、駆除剤の匂い対策について説明していきますね。
ポイントは2つです。
①誰が施工するのか
- 専門業者に頼むか?
- 市販の駆除剤を試してみるか?
匂い対策を考えどちらを選ぶか?慎重に判断しましょう。
②信頼できる安心・確実な方法で施工する事
自分で行う時「匂いの被害」を出さない事を含め、安全に正しい駆除方法で実施する事は欠かせません。同様に、シロアリ駆除のプロである業者に依頼するにしても、確実で安全な作業をしてくれる会社を見極める事が大事です。
①、②は匂いの被害を出さないために、予防として重要な対策となります。
一方、正しい方法でシロアリ駆除をしたにも関わらず、匂いの問題が出てしまった場合には
- 薬剤の販売元
- 消費者ホットライン
- 弁護士
- 駆除業者
などに問い合わせ、適切な対処をとる必要がでできます。
こうなってしまうとかなりの労力を必要とし、精神的な負担も大きくなってしまいます。
ですので「匂い対策」としては、まず被害を出さないようにする事がとても重要です。
そこで、①②に挙げた「匂いの被害を出さない、予防としての対策」に焦点をあてて解説していきますね!
匂いの被害なく、安全なシロアリ駆除を行うために
気になる駆除剤の匂いを防止し、なおかつ安全な駆除ができるように「市販の駆除剤を使う場合」と「業者に依頼する場合」でそれぞれ考えてみました。
シロアリ駆除を市販の薬剤で行う場合は・・・
- 臭いのない駆除剤を選ぶ
- 用法、用量を守り、正しい方法で施工する
- ベイド工法を選択する
薬の種類・散布方法によって、匂いの差・安全性の差が出てきますので、駆除剤の選び方は大事になります。
また、施工方法も重要です。面積当たりの薬量が多すぎると、匂いや健康被害の原因となる可能性が高くなります。
逆に、薬の量が少ないと十分な効果が得られません。選んだ薬剤の使用方法を十分に確認し、実施する必要があります。
ベイド工法は、毒餌をシロアリに食べさせて巣ごと除去してしまう方法なので、匂いや人への健康被害が起きにくいと言われています。
この3点は、自分でシロアリ駆除をする場合は必ず抑えておくべきポイントです!
専門業者に委託する
- 駆除剤の選び方
- 駆除方法の決定
- 安全で確実な施工
素人が自分でシロアリ駆除を行う場合、このポイントを全てクリアして施工するには、ハードルが高い工程といえます。
確かに、シロアリ駆除を自分で行うと安価ですし、見方によっては手軽です。
でも、ここまで色々と調べてきて、僕は敢えて、専門業者への委託をお勧めしたいと思います。
それは知識と経験にあふれたプロである専門業者に委託するのが匂いの被害もなく確実にシロアリを駆除できるからです。
実際僕が調べたところ、業者に依頼した場合の匂いトラブルは、ほぼありませんでした。
確実な薬剤選定・実施を行う難しさや、それが出来なかった時のリスクを考慮すると、かかる費用は「家族みんなが、安心・安全・快適にくらしていくための投資」ですから。
ぜひ、シロアリ駆除について、全体像を捉えたうえで業者依頼も検討してみて下さいね!
業者依頼を迷っている方へ
公益社団法人日本しろあり対策協会を活用しよう!
前述した「公益社団法人日本しろあり対策協会」では
- 登録施工業者会員制度
- 防除薬剤の認定
- 防除施工標準仕様書
- 安全管理基準
- しろあり防除施工士制度
などの事業を行っています。
簡単にいうと「誰が・何(薬剤)を使って・どのように施工するか?」を管理しています。ここは、シロアリ駆除の際は抑えておきたいポイントですよね。
他にも、国土交通省、住宅金融支援機構、独立行政法人都市再生機構と協力し、シロアリの生態と防蟻処理についての研究活動などを行っています。
シロアリ駆除剤が薬事法・農薬取締法の規制外で、法的拘束が十分でないだけに、こちらの協会の定めている最低限の安全確保基準は貴重なものになります。
シロアリ駆除の匂いが気になる!その原因と対策のまとめ
シロアリ駆除剤の匂いの原因、その問題点と対処方法について不安は解消されましたか?
最後に、今日、お伝えした内容をまとめておきますね!
①匂いのない薬剤を選定 繰り返しになりますが、僕は、専門業者への依頼を強くお勧めします。 今回は、駆除の「匂い」被害について調べてきましたが、正しい方法で行わなければ「匂い」の被害だけでなく、「健康」被害を引き起こす可能性があることもわかりました。 正しい方法で確実な駆除をするのに、専門家の力を借り、大事なご自宅のメンテナンスをしていきましょう。 快適なお家ライフを応援しています! 最後までお読みくださり、ありがとうございました。
②正しい実施方法を守る
③ベイド工法を用いる