こんにちは、あつしです。
僕はシロアリ予防は家を守るための基本だと思います。
耐震や断熱にある一定の基準が設けられるように、シロアリ予防も義務化され一定の基準が設けられるべきではないかと思うほど、シロアリは家にとって恐ろしいものです。
もし、自宅でシロアリや羽アリを発見した場合、それは家の悲鳴です!!大急ぎで対処しなければなりません。
そこでまず重要になってくるのは、絶対に放置しない!!という事です。
シロアリの予防や駆除をする場合・・・
- 専門業者に依頼する
- 自分で調べ対処する
このどちらかで悩む方も多いと思います。
結論から言うと…
シロアリに関する事はプロのシロアリ業者に依頼するべきだと思います!
僕がこのように言い切るのには、いろいろな理由があります。
- シロアリは一匹のこらず完全に駆除しなければ、被害は収まらない。
- シロアリは集団生活をおこなうので、見つけた部分に薬剤を散布しただけでは意味が無い。
- 対処を間違えると、生き残ったシロアリが別の場所に散らばって新たな巣をつくり増殖し続ける。
- シロアリ対策・駆除には薬剤を使うので、薬剤に対する正しい知識が必要。
- 床下での作業は慣れていないと非常に困難。
このような事から、シロアリ被害を安全かつ、完全にストップさせることは素人には難しく、無知識で闇雲に行なってしまうと被害が更に広がるだけでなく、健康にも影響する恐ろしい事態を招いてしまいます。
「あのときに業者に依頼しておけば良かった。」といくら嘆いても後の祭り(=手遅れ)です。
その間にもシロアリは、刻一刻と家を蝕(むしば)んでいます。
シロアリは家に侵入するときに、「あっ、この家の木は美味しそう♪」なんて見ちゃいないからね。侵入して、木が無くても木が使われている部分を探して這い上がって行くからね。
「うちは鉄骨造だからシロアリとは無縁なはず。」そう思われている読者様も安心はできません。
シロアリの被害は、鉄骨造住宅でも鉄筋コンクリート住宅(RC住宅)でも関係なく発生しています。
シロアリに住まいの構造は全く関係がありません。
さて、今回はシロアリ駆除剤の成分ということに着目して、話を進めていきたいと思います。
今まさに対策や駆除を行おうとお考えの読者様、その薬の安全性は信用できますか?
前に教えてくれたわよね。
でも実は、その成分にも今いろいろと疑問視をする声が上がっているんだよ。今回は、使い方次第では怖~い薬剤の成分のお話しです。
昔のシロアリ駆除剤の成分は危険!
シロアリ予防や駆除には今も昔も薬剤を使用します。まずはその歴史を少したどってみましょう。
クロルデン
かつてのシロアリ駆除では一般的に「クロルデン」という薬剤が使用されていました。その使用割合は9割を占めるというほどの主力の薬剤でした。
このクロルデンは非常に強い効果のある薬剤で、使用した家屋は一生シロアリ被害を受けないと言われるほどだったようです。
クロルデンの成分には環境ホルモンが含まれており、これを妊娠中や乳幼児が吸入すると悪影響を及ぼすことが分かったのです。
動物の体内で合成・分泌され成長や生殖を調整するホルモンに似た働きをする、環境中の化学物質のことです。
体内に取り込んでしまうと、本来のホルモンの正常な作用を乱してしまいます。そのことから「内分泌攪乱化学物質」とも呼ばれています。
微量でも生殖機能や成長、性決定などに悪影響を及ぼすことが分かっています。
クロルピリホス
その後、主に使用されるようになった薬剤が有機リン系の薬剤「クロルピリホス」です。
しかし、この薬剤もシックハウス症候群の原因になるのでは?と安全性が疑問視されるようになり、2002年の建築基準法改正によって、シロアリ駆除剤としての使用が禁止されました。
主な症状 | 頭痛、めまい、目や喉の違和感、吐き気、肌荒れなど |
原 因 | 有機溶剤などを長時間・高濃度で吸い続けることが原因で起こる |
「クロ」がつく薬には注意が必要ね!
現在のシロアリ駆除剤の成分について
このような歴史を歩んできたシロアリ駆除剤ですが、現在は安全性を重視した開発が進められて来ています。
しかし、そうなると駆除能力や即効性はどうしても以前の薬剤よりも劣ってしまいます。
安全を重視した現在の薬剤では、シロアリの予防や駆除の効果は5年ほどしか効力を持たせることができないのです。
このことを知っておけば、業者を選ぶ時のいい判断材料にもなるね。
では、現在使われているシロアリ駆除剤にはどのような成分が使われていて、それは安全なのでしょうか?
以前、僕は市販のシロアリ駆除剤に効果のありそうなものを調査しました。
その中で一番おすすめとしたのが、「白アリミケブロック業務用」という商品です。
その理由は、「日本しろあり対策協会」や「日本木材保存協会」が安全性と効果をデータに基づき評価し、良いと判断したものだけを「認定薬剤」として登録・販売しているのですが、その認定薬剤になっているという信頼性の高さを評価しました。
その記事が気になる方はこちらをご覧下さい。市販されている薬剤で効果が高そうなものを5つ紹介しています。
今回はその成分がどの様にシロアリに作用するのか、どんな特徴を持っているのかという部分を調べました。
薬剤の種類と成分を詳しく解説
|
シロアリの体に付着した薬剤が、他のシロアリへも付着し作用すること。 非忌避性・遅効性である成分ほどその効果が高くなります。 |
|
いやがること。きらって避ける性質のこと。 |
|
水に溶けた科学物質が、魚類に及ぼす毒性のこと。 |
● ネオニコチノイド系
ヒトに対しての安全性が高いとされ、扱いやすい薬剤ということから近年のシロアリ駆除剤の主流となっている薬剤です。
この薬剤は昆虫類に特異的に作用します。
シロアリに使用すると正常な刺激伝達物質が遮断され、伝達異常を起こします。その結果、興奮状態になり死に至ります。
殺蟻効果が高く、ドミノ効果にも期待ができます。
先ほど紹介した「認定薬剤」である「白アリミケブロック業務用」もこの系統の薬剤になります。
商品名 | ミケブロック、オプティーガード、タケロック、ハチクサン |
長 所 | 殺蟻効果が高く、ドミノ効果が期待できる。 人畜や魚類に対する毒性が低い。 |
短 所 | 水に溶けやすいので土壌への流出に注意が必要。 安全性に問題を唱える人もいる。 |
●フェニルピラゾール系
低用量でも極めて高い殺虫効果があり、シロアリ駆除剤としてもよく用いられています。
忌避性がなく緩やかに作用する特徴から、高いドミノ効果が期待できます。
しかし、ヒトや魚類に対しても毒性が高いので、施工時に経口・吸入しないように厳重に注意する必要があります。
安全性を確保するため、危険な成分をマイクロカプセルに包み込む処理をした薬剤も開発されています。
商品名 | アジェンダ、グレネードMC |
長 所 | 殺蟻効果が非常に高く、ドミノ効果が期待できる。 |
短 所 | 人畜や魚類に対する毒性が高い。 |
●フェニルピロール系
高い殺蟻効果と遅効性があります。シロアリに呼吸障害を引き起こさせ、死に至らせます。
ただし、ヒトや魚類に対しての毒性も強いので、注意が必要です。
商品名 | ステルス |
長 所 | 殺蟻効果が高い。ドミノ効果が期待できる。 |
短 所 | 人畜や魚類に対する毒性が高い |
●ピレスロイド系
除虫菊というキク科の植物が持つ成分のピレトリンや、これに似た化学構造をもつものを合成して作られた薬剤(合成ピレスロイド)です。
即効性に優れ、シロアリに痙攣(けいれん)や痲痺(まひ)を起こさせ、死に至らせます。ただ、薬剤の量が不十分だと蘇生する場合があります。
この系統の薬剤は、シロアリが嫌い逃げていく特徴(忌避性)があるので、侵入予防目的にも使用されますが、散布の甘いところがあるとそこが侵入経路となるので注意が必要です。
ヒトに対しての毒性は低いとされていますが、水に溶け出した物質が魚類に及ぼす毒性(魚毒性)が高いので、河川や池付近での使用には注意が必要です。
こちらはピレスロイド系に比べると遅効性で、魚に対する毒性が低いのが特徴です。
商品名 | ピレスロイド系:天然ピレトリン、ララップ、アリピレス、サイゴー ピレスロイド様:シロネン、メトロフィン |
長 所 | 人やペットに対する毒性が低い。即効性がある。 |
短 所 | 忌避性が強い。目や気管に入るとピリピリと痛みを感じる。 |
●カーバメート系
神経系に作用し、シロアリは過剰な興奮状態となります。それが続くことで中毒症状となり死に至ります。
一般的に光や熱、酸に対しては安定していますが、水によって分解しやすいという性質があります。
有効成分のフェノブカルブが、シックハウスの原因物質になる可能性があるので、厚生労働省より室内濃度の指針値が決められています。
※危険な成分が気体となりにくいように、マイクロカプセル内に閉じ込める技術が利用されています。
商品名 | バクトップMC |
長 所 | 熱や光に対する安定性が高く、殺蟻力が強い。 |
短 所 | 室内の空気汚染が心配。人やペットにも毒性がやや高めである。 |
ネオニコチノイド系薬剤の危険性
今、シロアリ駆除剤で主流となっているネオニコチノイド系の危険性を少し紹介するよ。
ネオニコチノイドは、名前の通りタバコのニコチンとよく似ています。シロアリに限らず昆虫への致死毒性が高く、ごく微量でも毒性が非常に強いのが特徴です。
ネオニコチノイドは脳神経に作用する毒で、脳神経系で重要な神経伝達物質の正常な働きを阻害します。
有名な話ですが、ハチの大量死がネオニコチノイドで起きたというデータが「ネイチャー」や「サイエンス」といった一流誌で発表されました。それに関する論文も次々と出され、このことは科学的にも立証されています。
また、ハチ以外の他の昆虫やミミズ、鳥の減少など生態系を破壊しているという報告も増えてきています。
日本ではヒトへは安全だと謳われていますが、海外では様子が違います。実はヒトでも中毒例があり、その毒性や致死例も報告されています。
ヒトにもネオニコチノイドは作用するという論文もあり、既にヨーロッパでは厳しく規制され、毒性の高い3種類のネオニコチノイド系殺虫剤は使用禁止となっています。
遅発性の毒性は見逃がされている
薬剤の毒性には2種類に分けることができます。
- 【急性毒性】:薬剤を浴びたらすぐに症状が出る
- 【遅発性】or【慢性】:直ちには症状がでず、微量でも何年か後に症状が出る
「急性毒性」に関しては、たいていの方が危ないと感じることができます。
しかし「遅発性」「慢性」に関しては、何十年も前に浴びた薬剤のせいで何かの病気にかかり、その症状が出たとしても、因果関係がわかりにくいので原因を特定するのは困難です。
それは、本当の原因から病気発覚までの年月がかなり経過しているので、みんな忘れてしまい調査しにくいので、これが原因だということが見えてこないのです。
遅発性の影響はガンが一番典型的ですが、パーキンソン病やアルツハイマー病などもそれにあたります。
また、発達障害も同様で、胎児や新生児のころに有害な化学物質を取り込んだとしても、その時点では症状がでず、3年後や5年後、小学校に進級するころに症状が現れるということがあります。
薬剤の毒性の多くは遅発性で分かりにくいということが非常に厄介な部分なのです。
危ないものは避ける!「予防原則」という考え方の重要性
シロアリ駆除剤のたどってきた歴史を考えても、後になってやっぱり危ない薬剤でしたという事は今後も無いとは言えません。
特に注意したいのは、妊婦さんや脳が未発達な子供達です。
子供の脳の発達の詳細は、最先端の医学でもまだまだ未知の部分が多いのが現状です。薬剤がどのような影響を及ぼすのかを確実にハッキリと分かるようになるには、まだ数十年以上かかると言われています。
大切なのは、少しでも危険と分かった時点でそれらを避けるという事だと思います。
今の科学でも分からない事はまだまだあります。
しかし、怯えてばかりいてシロアリ駆除を一切行わないということも危険です。薬剤の使用は家を守るシロアリ予防や駆除にはある程度必要なことでもあります。
シロアリ対策には、しっかりとした知識を持ち、誤った使用方法をしなければ安全も確保されます。ただ、それを行うには素人では難しいと思います。
また、最近の住宅は高気密住宅が増えてきており、その場合の薬剤使用は最も注意が必要になります。詳しくはこちらの記事内で解説しています。
シロアリ駆除剤の成分解説 認定薬剤も安心できない まとめ
これまでのシロアリ駆除剤は、使用されてきた成分が実は危険だったと分かり使用禁止されるという過去を繰り返してきました。
そして現在安全とされ主に使用されている薬剤にも、安全性を疑問視する声が上がっています。
また、シロアリは種類により大きな社会を形成するものもあれば、小さく分散しているシロアリもいます。このような違いを見極め、安全を確保しながら最適な薬剤や駆除方法を選ぶ必要があります。
シロアリに対する知識はもちろん、薬剤に対する知識、シロアリ予防・駆除方法に対する知識、住宅の状況を見て判断する知識…
様々な知識を必要とするシロアリ対策は素人には難しいと今回の調査で改めて感じました。
詳しい知識のある専門の業者さんにお任せするのが一番ね!
現在、シロアリの予防や駆除を専門とする業者はたくさんあります。しかし、それらの全ての業者が安全・安心だとは言いきれません。
しっかり駆除されなかったり、法外な金額を請求されたりということも心配ですが、使用する薬剤への知識や使用方法にも十分に注意をして駆除してくれる業者を探さなければ、家族を危険にさらすことになります。
もし、妊婦さんや乳幼児がいるならばそれに応じた適切な施工方法を考え、時には施工方法の変更もアドバイスしてくれるものです。
大切なことなので何度でも繰り返します!!
シロアリ駆除を安全に行なうためには、専門業者の知識と技術力は欠かせません。
シロアリ駆除で僕たちのすべきことは、安心・信頼できる業者を探すということだと思います。
そんな僕がオススメするのは「シロアリ110番」です。
24時間電話対応をしているので、不安なことがあればすぐに相談できる窓口が用意されています。
施工後のサポートもあり安心できます。
少しでも気になっていることがあれば、今すぐ相談してみてはいかがでしょうか? なんでもプロに聞くのが一番です。
今回も最後までお読み下さりありがとうございました。
この蝕むって漢字、家に使うとシロアリにぴったりの字で嫌だわ・・・。
(今日のあっくん、ちょっと怖いわね。ストレスでもたまっているのかしら・・・。)