こんにちは、あつしです。
シロアリ駆除に適切な時期はあるのか、気になりませんか?
あんなに小さな体であっという間に家の木材をスカスカな状態にしてしまうシロアリ・・・。
何万匹をも相手にするシロアリ駆除は、薬剤を使ったり柱や床に穴をあけたりとても大変!
大掛かりな作業になるシロアリ駆除では、できるだけ適切な時期を選んでシロアリを一網打尽にしたいですよね。
そこで今回はシロアリの生態から駆除に効果的な時期と駆除方法についてみていきましょう。
シロアリ駆除に時期は大事?
シロアリ駆除をするにあたってどの時期にどんな駆除方法をとればよいのでしょうか。
シロアリ駆除には「ベイト工法」と「バリア工法」と呼ばれる2つの工法が主に使われます。
地域によってはこの2つの工法が効かない種が存在しており、その場合「ホウ酸処理」という方法を取る場合もあります。
それぞれの処置内容を見てみましょう。
ベイト工法
ベイト工法とは土の中に毒餌を入れた容器を埋めて、その毒餌を巣に持ち帰ってもらう方法です。
土に埋めて定期的に確認する方法のため、手軽に行うことができます。
ベイト工法はシロアリが餌を持ち帰る必要があるため、活動時期がとても大切!
この工法を用いる場合は、気温の上がってくる4月から10月により効力を発揮します。
効き始めるまでに3か月ほど見ておく必要があるため、早めに動き始めましょう。
バリア工法
バリア工法は、家の床下や被害にあった柱などにシロアリに有害な薬剤を吹き付け・注入して駆除する方法です。
危険個所の木材や床に穴をあけて薬剤を十分満たすことが必要なため、とても大掛かりな作業となります。
バリア工法はシロアリを直接薬剤で駆除していくため時期にこだわる必要は特にありません。
ホウ酸処理
ホウ酸を木材一つひとつ丁寧に塗布・注入・散布することで駆除や予防が可能です。
ホウ酸は揮発しないため一度処理を行えば半永久的に効果が持続します。
ホウ酸処理は効果の持続期間が長いため、どの時期に施工しても問題ありません。
しかし、数度にわたって施す必要があるため長期作業になる場合があります。
また水溶性のため雨にさらされる場所への塗布はできず、雨の日の施工も厳しいという弱点があります。
ベイト工法、バリア工法の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
市販の駆除剤についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
シロアリ駆除の適正時期は?種類と生態を知ろう
シロアリ駆除の時期を見極めるために、生態と種類も知っておきましょう。
みなさんシロアリについてはどれくらいご存じですか?
シロアリはその見た目から名前に”アリ”がついていますが、分類はなんと昆虫網ゴキブリ目シロアリ科となるためゴキブリの仲間なんです!
主食はセルロースですが、このセルロースは木材にとても多く含まれています。
なので木造の日本家屋はシロアリの食害を受けてしまうんです。
まずはシロアリの特徴について見てみましょう。
シロアリの活動時期
シロアリは冬眠しない生き物なので、一年中活動は行っています。
しかし、11月ごろの肌寒い季節に入ると気温とともに活動が鈍くなり、気温が6度を下回るとやがて活動を休止します。
ですが活動をしていなくても冬眠ではないため、食事や水分補給は必要です。
日光が当たったり、床下の温度が比較的高い場所では活動を再開します。
つまり、シロアリは人間が暮らしやすい温度の中で活発に活動を行います。
最近は断熱効果の高い建物が増えており、床下の温度が冬でも高く維持される場合があります。
その場合、シロアリは年中変わらず活動を行える状態になってしまい、昔ながらの家と比べ進行速度が速い傾向にあります。
もし冬場にシロアリを確認した場合は、迷わずその日から駆除を開始してくださいね。
各シロアリの特徴
日本に住むシロアリは20種類ほどが確認されています。
そのなかで家屋を食害するのはイエシロアリ、ヤマトシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリの4種類です。
ではこの4種類にはどのような違いがあるのでしょうか。
- 建物の壁や浴室の下、切り株、土の中に特殊な巣を作る
- 蟻道をつくって移動する
- 活動範囲が100mと広い
- 本巣と家の間に分巣を作る場合も多い
- 一つの巣に数十万~数百万匹が活動している
- 湿った場所を好む
- 千葉県より西の温暖な地域に分布
- 食害している木材自体に巣を作る場合が多い
- 蟻道をつくって移動する
- 活動範囲は狭い
- 一つの家屋に2、3か所同時に巣食う場合がある
- 少数でも巣を作る
- 湿った場所を好む
- 北海道を除く全国に分布
- 巣は持たず食害している木材を住処とする
- 少数で巣を作る
- 蟻道を作らないため発見が遅れやすい
- 空を飛んで移動するため上階からも侵食される
- 乾燥した場所を好む
- ほかのシロアリに比べ大きくて強力な顎を持つ
- 芯まで食べつくすため被害が大きくなりやすい
- 外来種であり、駆除方法が確立していない
- 関東より西側に分布
- 巣は持たず食害している木材を住処とする
- 活動範囲は狭い
- 蟻道を作らないため発見が遅れやすい
- 少数で巣を作る
- 乾燥した場所を好み寒さには弱い
- 駆除方法が確立していない
- 奄美諸島より南に分布
見つけるコツも調べてみたよ。
シロアリの見つけ方
イエシロアリやヤマトシロアリは蟻道(乾燥しないように特殊な成分で作ったトンネル状の道)を作るため、ほかの種に比べると比較的見つけるのは容易です。
湿気の多い木材や段ボールを好むので、浴室の下など湿気の多い場所に地面から延びる蟻道を探してみてください。
木材をドライバーなどで叩くと、空洞があるような音のする場所や、柔らかい部分にはシロアリがいることが多くあります。
アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリのように蟻道を作らない種は見つけるのが大変!
見つけたころには家がボロボロ、なんてことになってしまいがちです・・・。
そんなシロアリを見つける一番の方法はフンが落ちていないかチェックすることです。
特にアメリカカンザイシロアリはほかの種類に比べてとても多くの木材を食します。
その分大量の糞を出すんですね。
さらに、羽アリが家の周辺にいないかをチェックしましょう。
羽アリとは今ある完成された巣が定員オーバーか、危険を感じた場合に新たな場所に新たな巣を作るために飛び立つアリたちです。
この羽アリが目撃されるということは、その家もしくは付近に大きな巣が出来上がっている証拠です。
羽アリが出る時期は以下となります。
種類 | 時期 | 羽アリの色 | 大きさ |
イエシロアリ | 5月から7月の夜 | 黄褐色 | 9-12mm |
ヤマトシロアリ | 4月から5月の昼間(特に午前中) | 黒色 | 7-8mm |
アメリカカンザイシロアリ | 7月から9月の昼間 | 頭部は赤茶・体は黒褐色 | 6-8mm |
ダイコクシロアリ | 5月から8月の夜 | 黄褐色 | 5-7mm |
羽アリは光に向かって行く習性があるそうだから、夜や暗い場所は懐中電灯があると見つけやすいみたいだよ。
時期だけではないシロアリ駆除!外来種に日本の駆除方法は効かない!?
シロアリ駆除は時期だけでなく、在来種・外来種どちらを対象にしているのかで駆除方法が変わります。
古来から日本にいるイエシロアリやヤマトシロアリと違い、アメリカカンザイシロアリは比較的最近海外からやってきた種類です。
ダイコクシロアリとともに乾材シロアリと呼ばれ、水回りでなくても活動できるのが特徴です。
そのため、日本のシロアリとは被害の状況も大きく異なります。
一番の違いは、土に巣を作る必要がないため空からやってきて着地した木材を拠点とし、屋根や窓からでも食害し始めるという事。
なんとヨーロッパやハワイなどの諸外国では、乾材シロアリの予防を行っていない木造住宅を建ててはいけない、と言われるくらい猛威を振るっているんです。
そんな諸外国の乾材シロアリ対策はガスを使った家全体の予防です。
しかし、残念ながら家同士が密接している日本ではこの方法を取ることはできません。
そこで日本ではホウ酸処理を用いて駆除を行います。
ホウ酸処理はシロアリが食べて初めて効果を発揮しますが、効果は半永久的なためどの時期に行っても問題ありません。
しかし水溶性のため雨の日には作業しないことを心がけてください。
乾材シロアリは進行速度は遅いのですが、被害が大きくなりやすいため早期発見を目指しましょう。
もしフンや羽アリの羽を見つけたらすぐ掃除しないで、一度シロアリを疑って業者の方に相談しよう。
シロアリ駆除の補助金制度について探している方はこちらの記事を参考にしてみてください。
シロアリ駆除に時期は関係ないって本当?生態を知って正しく駆除しよう!まとめ
シロアリは人間が快適な温度で活動することがわかりましたね。
ベイト工法での予防は春先から夏の間に行うことでより効果を期待できます。
ですがシロアリを発見した時は春を待たず、すぐに駆除作業を行ってください。
バリア工法、ホウ酸処理はどの季節に行っても同じ効果を得られます。
しかしどの駆除・予防方法も残念ながら完璧ではありません。
時期だけにとらわれず、ご自宅の状況にあった方法を選択しましょう。
また、一度施工したからしばらく大丈夫と油断せずに、家の周りを定期的に見回ることをお勧めします。
早期発見、早期予防に心がけてくださいね。
お役に立つ情報はありましたか?
最後まで読んで頂きありがとうございました。