こんにちは、あつしです。
家屋の内部をむしばむシロアリは、人目の触れないところで生息しています。
でも、新しい巣をつくり始めるときは羽アリとして姿を現すことがあります。
あなたはシロアリが白い色をしていると思っていませんか?
シロアリが本当のところはどんな色をしているのか?白ではなく黒いのか?
はたまた別の色なのかご存じでしょうか?
シロアリの羽アリがどんな見た目なのか知っておかないと、あなたはいざという時に対処できないかもしれません。
この記事は、シロアリの羽アリの特徴やシロアリに似た虫との見分け方についてまとめてありますので、興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。
黒いシロアリは存在する!?
黒いシロアリの正体
もし羽の付いた黒いアリが現れたら、それはヤマトシロアリというシロアリの羽アリである可能性が高いです。
ヤマトシロアリは日本の家屋を食害するシロアリの一種です。
そのヤマトシロアリの羽アリは、羽のついた黒アリに見た目が似ています。
黒アリだと勘違いし、ヤマトシロアリを見逃してしまった場合、そう遠くない将来、あなたの大切な家屋に重大な被害を及ぼしていることがあるのです。
ヤマトシロアリの生態
ヤマトシロアリの巣は大きいものだと数万匹規模だといわれています。
シロアリの中にはそれよりはるかに大規模な巣をつくる種類もあるので、これでも比較的小さな巣だといわれています。
ヤマトシロアリは水を運ぶ能力が低いため、湿気のある床下が大好きでそこに巣をつくることが多いです。
しかし、被害は床下だけかと思ったらそれは間違いで、湿気の多い建物だと床下から天井まで巣を拡げることもあるので注意が必要です。
そしてヤマトシロアリは、約4℃の過酷な環境であっても活動が可能といわれ、寒さに強い特性があります。
3℃以下では仮死状態になることがあっても、一部は蘇生可能といわれるくらい生命力が凄いんです。
シロアリはいくつか生き残っていれば巣を拡大させることができ、冬眠することなく一年中せっせと食害を進めます。
ヤマトシロアリは日本の北から南の地域まで広く生息しているので、あなたのお住まいも、もしかしたら狙われているかもしれませんよ。
シロアリ被害の受けやすい場所に関する情報はこちらをどうぞ。
シロアリはなぜ白アリといわれるのか?
全世界に存在する2500種のシロアリに着目してみると、白いものばかりではありません。
餌を野外に探しに行くような活発な種類は、体色が白色ではなく茶褐色や黒っぽいものが多いです。
つまり、世界のシロアリの中でも白いもののほうが少数派といえます。
それに比べて日本のシロアリは、巣内に留まる性質があり白っぽいものが多いので、それがシロアリと呼ばれる理由の1つといわれています。
それはどういうことかというと、社会性の高いシロアリは王・女王アリ、兵アリ、働きアリに階級が分かれて生活しています。
その中の働きアリが他の昆虫と比べると淡い体色をしているのです。
1つの集団の9割以上を働きアリが占めていることから、大部分が淡い色の個体ということになります。
それゆえに、シロアリが白アリと呼ばれるようになったといわれているのです。
引用:アース製薬
シロアリの生態についてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
シロアリの羽アリは黒アリとどう似ている?違いは?
あなたは、どちらがシロアリでどちらが黒アリかすぐに見分けることができますか?
答えは、写真左がヤマトシロアリの羽アリで、右が黒アリの仲間です。
今回は区別がつきやすいよう拡大写真を載せました。
直視できないという方、ごめんなさい・・・。
実物はいづれも1cm足らずなので、そのサイズまで縮小すると見分けづらくなることと思います。
次はイラストでどうぞ。
虫が苦手な方も、イラストなら気持ち悪さが半減してまだ見やすいかと思います。
引用:フマキラー
イラストも並びは写真と同様、左がヤマトシロアリ、右が黒アリです。
羽を広げたイラストなので、体の特徴が比較しやすいですね。
シロアリと黒アリの比較
ヤマトシロアリの羽アリ | 黒アリの羽アリ | ||
体の特徴 | 羽 | ・前後2対の羽が同じ大きさ
・網目模様が薄い ・取れやすい |
・前の羽のほうが後ろより大きい
・網目模様がハッキリ ・引っ張ると取れるが取れにくい |
触覚 | まっすぐで数珠状 | くの字状 | |
体型 | 寸胴でくびれなし | 腹部がくびれている | |
活動傾向 | 木材への食害 | あり | なし |
活動場所 | 人目の付きにくい場所 | 人目に付きやすい場所 | |
蟻道 | ほとんど作る | 作らないことが多い | |
出現時期 | 4月~5月 | 6月~11月 |
ヤマトシロアリと黒アリの特徴を表にまとめました。
上段の3項目は体の特徴、下段の4項目については活動の傾向についてです。
パッと見た感じだと似ているように思うヤマトシロアリと黒アリですが、よく観察しポイントをおさえながら比較してみると、体の特徴(羽・触覚・体型)に異なる点が見られることがわかります。
最も特徴的なのは、腹部のくびれの有無です。
シロアリはくびれが無いのに対し、黒アリにはくびれが有ります。
また、活動に関する比較についても、食害の有無・活動場所・蟻道・発生時期の4つの項目において似通っていないことがわかります。
つまり、上の比較表は7項目すべてにおいて、ヤマトシロアリと黒アリの相違点だということになります。
ただし、日本の家屋被害をもたらすもう1種類のシロアリ、イエシロアリは発生時期が6~7月といわれているので、黒アリの発生時期と被っています。
イエシロアリは茶褐色をしていることから黒アリとは外見が類似していないので、そこは判断ポイントとしておくと良いでしょう。
あなたも、上表の7項目についてしっかり理解しておけば、目の前に羽虫が現れても冷静に観察することで、シロアリなのかどうか判別が可能になるでしょう。
類似点は侵入経路?!でも被害の重大さは異なる
では、次にヤマトシロアリと黒アリの類似点について見ていきたいと思います。
見た目の特徴を捉えると全く似ても似つかないシロアリと黒アリですが、唯一、侵入経路が似ています。
シロアリも黒アリも元から家の中に生息しているわけではなく、外から家の中へ侵入してくることがほとんどです。
シロアリの場合は地下から侵入することもありますが、羽アリの場合はシロアリも黒アリも窓の隙間や小さな穴、排気口などのわずかなスペースから侵入してきます。
実際侵入してきたことに気付かず、知らない間にシロアリに巣をつくられていたというケースがあります。
そのことからも黒アリよりシロアリのほうが、害虫として厄介なことがわかりますね。
肉眼でとらえることの難しいシロアリ被害は、駆除の難易度の高さも伺えます。
シロアリ駆除は、しっかりとしたプロの技術が必要なのです。
シロアリ被害の初期症状について知りたい方はこちらをどうぞ。
シロアリと黒アリの食性と関係性
シロアリが木を好んで食べることは、皆さんご存じのことでしょう。
肉を好まない雑食性なのがシロアリです。
それでは黒アリは何を食べるのでしょうか?
黒アリは花の蜜などの糖類、動物性たんぱく質などを好み、木材そのものを食べることはありません。
すなわち黒アリは肉食性で、シロアリ自体を食べることもあるのです。
シロアリは、6%程度のたんぱく質と0.1%程度の鉄分を含有するため栄養価が非常に高く、黒アリにとって貴重な栄養源となります。
そのためシロアリにとって黒アリは恐ろしい天敵の一つなのです。
シロアリに似た黒っぽい虫(黒アリ以外)
見た目がシロアリと似ている虫
キノコバエ
引用:加藤防虫
この群がり方、シロアリの羽アリにそっくりじゃありませんか?
キノコバエ(体長:1~4mm)は、よく見ると蚊に似た体型の昆虫です。
大きさは、ヤマトシロアリの羽アリより一回り小さいんです。
湿気が多く薄暗いところや腐った植物の周りを好みます。
そのため畑や家庭菜園の腐葉土やプランターから発生するといわれています。
人への直接の害は認められていませんが、農作物が食害されることがあります。
幼虫期に大部分がキノコに寄生することからこの名が付けられています。
食性がシロアリと似ている虫
ヒラタキクイムシ
引用:熊本シロアリ駆除
ヒラタキクイムシ(体長:平均3~4mm)は扁平な形をし、触覚は先端がやや太い特徴があります。
見た目はそこまでシロアリに似ていませんが、シロアリのように木が好物で、乾いた木材の中で木を食べます。
家屋の木材に穴をあける被害を及ぼすため、シロアリかと驚く場合もあります。
しかし穴の大きさは小さく、その下にはシロアリ被害には見られない木粉が落ちています。
シロアリ被害の見つかるキッカケに関する記事はこちらをご覧ください。
シロアリは黒い?! 記事まとめ
いかがでしたでしょうか?
初めて耳にする名前の虫も出てきたことと思います。
シロアリとの違いをしっかり理解しておきましょう。
・シロアリには黒い個体が存在する。
・シロアリと黒アリは、パッと見ただけだと似ているので特徴をきちんと把握しておくことが大切。
・侵入経路が似ているシロアリと黒アリだが、比べ物にならないほどシロアリによる被害は恐ろしいもの。
・シロアリ駆除はプロにお任せすべきである。
・シロアリに似た虫は黒アリ以外にも存在するので、知っておくとここぞという時に安心できる。
読者様もシロアリにはお気をつけ下さいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。