こんにちは、あつしです。
シロアリは米粒ほどの小さな昆虫です。
なのにシロアリによって歪みや傾きを引き起こされる可能性が、どなたのお宅にもあります。
- シロアリの成虫はそんなにも人家を食べるのか?
- シロアリが自然だけでなく、家の木材を食べてしまう理由は?
- シロアリは成虫になっても幼虫っぽい?!
今回は、こういったさまざまなシロアリの不思議に迫っていきたいと思います。
まだまだあるはずです。シロアリについて知らないことが。
シロアリ対策にはシロアリに関する知識が不可欠です。
シロアリの知識を深めることは、あなたの大切な家を守ることにつながるんです。
ぜひ、この記事を最後まで読んでみてください。決して損はさせません。
それに、シロアリって人目の触れない場所で生きてるんでしょ?
今日は、母さんがまだ知らないことを中心に話していこうと思ってるから、もっと勉強になると思うよ。
シロアリの成虫による食害 どうして家が傾くまでになるのか?
1,000,000
これが何の数字かわかりますか?
シロアリは1匹いたら1,000,000匹(百万匹)いるといわれています。
「1匹いたら100匹」いるとよくいわれるゴキブリは、少ないと思えるほどの数字ですね。
引用:sinfonia
シロアリの成虫は上の写真のような大あごで木材を破砕し、0.01~0.1mm程度の大きさにした木片を体内に取り込みます。
1匹による被害はそれほどじゃないかもしれませんが、百万匹が1日に食べる木材は約70gとされています。
なので、計算すると1年(365日)で25kgもの木が食べられ、シロアリが不眠不休で活動した結果、家が少しずつ破壊されていくことになります。
シロアリ被害にしばらく気づかないケースも多いので、発見したときには深刻な状況になっているのです。
ひょっとして、シロアリの仕業?と思ったら、なるべく早く業者に調査依頼しましょう。
安心のシロアリ相談・駆除依頼はシロアリ110番へ。こちらの記事を参考にしてください。
シロアリの成虫 なぜ人家を食べる?
昔、人間は森林を伐採し農耕地としました。
生き残ったわずかなシロアリが、生きた作物を食べ始めました。
シロアリは食べ物(枯れ木)がなくなったので、仕方なく生の葉を食べたわけです。
宅地にすると、今までの餌ではなく代わりに家(木材)があればそれを食べようとするのは、シロアリにとって全く悪気はなく、ごく自然なことだったに違いありません。
長い歴史の中で、このように生き抜く術を身につけてきたのでしょう。
シロアリは、数億年前にゴキブリから別系統に分かれ誕生した歴史の古い虫です。
そんな頭の良いシロアリには、人間も知能で対抗するしかありません。
「シロアリに強い」建材は、開発し続けられています。
しかし、「シロアリが絶対につかない」というものはいまだ可能な形になっていないということです。
だからこそ、プロによるシロアリ駆除の技術が進化し続けているのは、シロアリに対する人間の強みなわけです。
シロアリと人間の頭脳比べは、この先もずっと続いていくことになるでしょう。
シロアリ駆除について詳しく知りたいはこちらの記事を参考にしてください
そもそもなぜ、シロアリは木を食べ成長する?
シロアリが好物とする木には、「セルロース」が含まれています。
シロアリは、そのセルロースと呼ばれる繊維を食べて栄養としています。
セルロースを消化し栄養源にできる生物は、自然界でも珍しいといわれています。
シロアリは腸内に、セルロースを分解することができる微生物を飼い、栄養を採取しているのです。
シロアリの幼虫・成虫 気になる姿
シロアリの幼虫ももちろん木を食べます。
餌を運んできた働きアリから食べさせてもらい、どんどん成長していきます。
幼虫は巣の中心部で過ごすことが多いので、私たちが目にすることはありません。
では、気になるその姿を見ていきましょう。
シロアリの幼虫とは
引用:SHUT!
これが、シロアリの幼虫です。
幼虫なのに、手足や触覚がしっかりとありますね。
幼虫って聞くと、てっきりあのイモムシみたいな形のものだと思っていたわ!
手足があることでシロアリは、幼虫のころから自ら行動できるのです。
成虫は、生殖が可能となったもの、つまりシロアリの羽アリを指します。
羽アリはどのような姿なのか、今回、写真はご用意していませんが次をご覧ください。
シロアリの成虫とは
引用:熊本シロアリ駆除
シロアリの成虫は、イラストで表すとこんなイメージです。
成虫も「色が淡く 小さくて くびれのない寸胴」体型で、幼虫のようなキュートな見た目をもっています。
シロアリの成虫は、働きアリが分化した羽アリなのですが、羽アリになる前段階を「ニンフ」と呼びます。
ニンフは働きアリとして活動しつつ、翅芽(しが)を成長させ羽アリへと変化を遂げます。
女王アリ・王アリが何らかの理由でいなくなると、働きアリやニンフなどがその役割を担うようになることができるのです。
そして、1つの巣に存在するシロアリの数が一定数に達した場合にも、羽アリとなり新しい巣作りのため群れをつくり飛び立っていきます。
シロアリの姿をもっと詳しく知りたい方はこちらへ(使われているのは実物写真ではなくイラストなのでご安心ください)。
シロアリ成長の過程
前項で、シロアリの成虫をイラストとともに説明しました。
成虫なのに、どうして幼虫と姿かたちがほとんど変わらないかというと、シロアリは成長するときにサナギになる過程を経ないためです。
皆さんご存じのように、カブトムシや蝶などの昆虫は「卵 → 幼虫 → サナギ → 成虫」という流れで成長していきます。
このようなサナギを経て成長する昆虫、つまり完全変態の昆虫は、幼虫のときはウジ虫のような単純な外見をしています。
クロアリもこの完全変態に当たります。
それに対してシロアリは「卵 → 幼虫 → 成虫」へと成長していきます。
これを不完全変態と呼ぶのですが、シロアリの他には、トンボ、バッタ、カマキリ、ゴキブリがそれに分類されます。
不完全変態のシロアリは、幼虫からサナギにならない代わりに脱皮を繰り返し大きくなっていくのです。
シロアリの幼虫と成虫はほぼ同じ形態をしていますが、違いは大きさにあるのです。
つまりシロアリは、幼虫も成虫も個体のほとんどが幼虫状態なので皮膚は薄く、外気に触れることを嫌います。
なるほど。だからシロアリは暗くて湿気のあるところに巣をつくるのね~。
シロアリの生態について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
シロアリの成虫(羽アリ)のもつ特徴
日本におけるシロアリの家屋被害は、ヤマトシロアリとイエシロアリで9割以上を占めるといわれています。
ですので、今回その2種類の成虫(羽アリ)の特徴をまとめてみました。
ヤマトシロアリの羽アリ | イエシロアリの羽アリ | |
体長 | 4.5~7.5mm | 7.5~9.5mm |
羽の長さ | 7.0~7.4mm | 9.5~12.5mm |
色 | 頭:黒褐色
体:黄色 羽:暗褐色・半透明 |
頭:褐色
体:黄褐色 羽:淡黄色・半透明 |
飛来時期 | 4~5月の昼間
(ツツジが咲くころ) |
6~7月の夕方から夜
(アジサイが咲くころ) |
ヤマトシロアリの成虫のほうがやや小ぶりで、より黒っぽいということがわかります。
シロアリと同じく集団生活をしているクロアリと、姿が一見よく似ているんです。
羽アリにはシロアリとクロアリがいる
クロアリとシロアリの成虫はどちらも黒っぽいですが、「シロアリの成虫≠クロアリ」なのでそこは注意すべきポイントです。
完全変態のクロアリはハチ目・スズメバチ上科・アリ科という分類に対し、不完全変態のシロアリはゴキブリ目・シロアリ科に属します。
ゆえにハチ仲間であるクロアリと、ゴキブリの仲間であるシロアリは、全く別の生き物なんです。
クロアリの羽アリは、最低限の栄養しか摂取できなくなりすぐに死んでしまうものもいるなか、シロアリは羽アリになった後も餌を食べて生きていきます。
シロアリの羽アリは、まるで幼虫のように餌を与えられて育つため、専門的には「有翅(ゆうし)成虫」ではなく「有翅虫」と呼ばれます。
シロアリとクロアリの見た目による最大の違いは、腹部にくびれがあるかどうかです。
シロアリは成虫になってもくびれがないのです。
何らかの形で、くびれのない有翅虫を見かけたら、種類に応じた駆除方法をとる必要があります。
専門業者への連絡をおすすめします。
シロアリ被害を見つけたら?まずすべきことが気になる方はこちら。
シロアリは成虫になっても一匹では生きていけない?!
シロアリは種類によりますが、1つの巣に少なくとも数十匹以上存在します。
シロアリは、自らの体をまんべんなくキレイにすることができません。
自分では不可能な部位のクリーニングを他個体に手伝ってもらうことで生きていくことができます。
もし1匹だけになってしまったら、体が汚れたままになり寄生菌を体表から除去できないので、感染により死んでしまうそうです。
元をたどれば祖先がゴキブリというシロアリも、意外と綺麗好きだったんですね。
シロアリの成虫によって起こる食害のサイン
シロアリは基本的に、羽アリとなって飛び立つときしか外に出ないためシロアリ自体を見つけることは難しいです。
シロアリによる食害が起こっているかもしれないサインは以下の通りです。
- 家の周りに蟻道がある
- 小さな翅(はね)が落ちている
- 柱や床がボコボコしている
- ドアの開閉がしにくい
これらに気付いたらシロアリ被害が拡がっている可能性があります。
速やかにシロアリの専門業者に連絡しましょう。
シロアリ被害は早期発見、早期対処が必要です。
シロアリの成虫とは一体どういうもの? 記事まとめ
・数億年前から存在するシロアリは、生きながらえるために人家の木材を食べている。
・家に棲みついたシロアリは1年に25kgもの木を食べ尽し、深刻な被害を引き起こす。
・シロアリはサナギの過程を経ないため成虫になっても幼虫と似た、くびれのない体型をしている。
・蟻道、翅(はね)の散乱、家の柱や床・扉の傷みに気付いたら、シロアリ被害のサインかもしれないと疑うべし。
・シロアリの仕業かも?と少しでも思ったら、シロアリ専門のプロへの相談がおススメ。
読者様もどうか、シロアリにはお気をつけ下さいね!
いつも最後までお読みいただきありがとうございます。