こんにちは、あつしです。
世界で発見されているだけでも2000種類以上も存在すると言われているシロアリ。
その中でも建物に被害を与えると言われるのは53種類です。
シロアリはアリと呼ばれていますが正式な名前は昆虫網ゴキブリ目シロアリ科に属する昆虫です。
簡単に言うとゴキブリの仲間になります。
アリはハチの仲間になるので分類が異なります。
シロアリもアリと同じで女王アリを中心にした社会性昆虫です。
それぞれが働きアリや兵隊アリと言った役割をそれぞれが持ち集団生活をしています。
今回は中でも日本に多く存在し、住宅に影響を与えているシロアリの種類の違いと駆除方法などをご紹介します。
シロアリとクロアリの違い
シロアリとクロアリって「アリ」とついているので正直何が違うのかピンとこない部分も多いかと思います。
まず、分類学的に違い、クロアリはハチ目、シロアリはゴキブリ目になります。
クロアリは肉食で昆虫などを食べるのに対し、シロアリは草食で木などを食べるという食べ物の違いがあります。
なのでクロアリは、家屋に無害な生き物になります。
それぞれの特徴は分かったかと思いますが、実際にどう見分けたらいいのか?という疑問が出るかと思います。
シロアリとクロアリ、どう見分けたらいいのでしょう?
シロアリは名前の通り、体の色が白っぽいものが多いです。
さらにシロアリとクロアリは、羽アリや職アリそれぞれの体つきでどちらなのか見分けることができます。
まず羽アリと職アリの体つきで共通の胴体と触覚で見分けられます。
引用:ファインドプロ
シロアリは触覚が短く、数珠状で胴体は寸胴になっています。
クロアリは触覚が長く、くの字状で胴体は細くくびれています。
羽アリであれば触覚と胴体に加えて羽の形状でもそれぞれを見分けることができます。
シロアリの羽アリは4枚の羽の大きさが同じです。
クロアリの羽アリは前後の前後の大きさが違います。
共通点はこのくらいになります。
体の形と羽の大きさで違いを見ることが出来るので参考にしてください。
シロアリの見分け方
シロアリとクロアリの共通点が分かったので、次はシロアリの種類を見分けるための判断ポイントを見ていきましょう。
それぞれのシロアリの種類の判断方法をご紹介します。
シロアリは多くの個体で巣を形成するのですが、巣の中はそれぞれ役割があります。
その役割によってシロアリの姿が異なります。
その中でも「羽アリ」と「兵アリ」でシロアリの種類を見分けることが出来ます。
羽アリでの見分け方
羽アリが発生している場合、羽アリの見た目と発生時期、時間帯でシロアリの種類を判別することが出来ます。
下記の図はヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリの羽アリの特徴を図解にしたものになります。
引用:ファインドプロ
図を参考にすると、それぞれの違いが判りますね。
羽アリを見つけたら上記の図を確認して違いを確認してみましょう。
・ヤマトシロアリ
時期 4~5月 時間帯 夕方から夜
・イエシロアリ
時期 6~7月 時間帯 午前中から日中
・アメリカカンザイシロアリ
時期 6~7月 時間帯 午前中から日中
ヤマトシロアリは4~5月の夕方から夜に、イエシロアリとアメリカカンザイシロアリは6~7月の午前中から日中に羽アリが飛び立ちます。
ヤマトシロアリはほかの2種類と羽アリの発生時期が異なるので判別は簡単です。
イエシロアリとアメリカカンザイシロアリの羽アリの発生時期が重なるので見た目の確認も判断基準にしましょう。
兵アリでの見分け方
アリには「兵アリ」というものがいます。
兵アリは巣の入り口付近でほかの仲間を守るために歩き回っています。
兵アリは頭部の形に注目します。
引用:ファインドプロ
種類 | 頭部 |
ヤマトシロアリ | 四角で長い |
イエシロアリ | 丸く卵型 |
アメリカカンザイシロアリ | 四角でヤマトシロアリより短い |
アメリカカンザイシロアリは触覚の根元が太いというのもあります。
以上がそれぞれの特徴です。
兵アリは巣の入り歩き回り他の職アリより一回り大きいので見つけやすいです。
シロアリを見つけたらまず兵アリを探して種類を判別してみましょう。
それぞれのシロアリの特徴
日本に生息しているシロアリは22種類ほどいます。
その中でも住宅に影響を起こす危険なシロアリを3種類ご紹介します。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは日本で最も多く生息している代表的なシロアリです。
体の大きさは3~6mmで、ほとんどのシロアリ被害はこのヤマトシロアリによるものです。
生息域は北海道南や道央から九州です。
一つのコロニーを構成する個体数は約2~3万匹で湿った木材の中に網目状の巣穴を作って周辺部分を餌にしながら範囲を増やしていきます。
湿度のある環境を好み、古材や立木、土の中で暮らしています。
まずは床下から家の中に浸入し、浴室や洗面所、台所の下などの高温多湿の場所に住みつきます。
この特性のため、水回りの被害が大きいのがこのヤマトシロアリの特徴です。
イエシロアリ
千葉より西、太平洋側の暖かい地域と南西諸島、小笠原諸島に分布します。
体長3~7㎜で屋の地下に木くずや土地で固めた大きな巣を作り、その周りに分巣も作るので個体数は100万匹以上。
イエシロアリは水を運ぶことができるため、湿気のある場所・乾燥した場所を問わず、どこでも生息できるのが特徴です。
湿気のある場所にしか生息しないヤマトシロアリよりも被害が短期間で大きくなります。
アメリカカンザイシロアリ
関東、近畿、九州などで発生が確認されている外来種で原産国はアメリカのシロアリです。
「カンザイ」とは「乾材」の事で、その名の通り乾いた木材(乾材)に住み着きます。
コロニーの個体数は2000~3000匹ほどですが体長はヤマトシロアリやイエシロアリの2倍ほどの大きさ。
主に海外からの輸入木材や家具に付着して日本に棲みついたとされています。
水回りに関係なくどこでも生息出来てしまうのでかなり厄介です。
この特徴のために被害の広がりを予想するのが難しく、気づいた時にはとんでもない被害が出ているという、とても厄介なシロアリなのです。
シロアリの駆除方法
シロアリの特徴が分かったことで次は駆除と予防の対策をしましょう。
シロアリは種類によって生息する場所や個体数で異なります。
また家屋への浸入経路も種類によって様々です。
種類ごとの生態を踏まえたうえで駆除や予防の方法を考える必要があります。
実際にプロのシロアリの駆除業者さんも駆除作業に入る前にシロアリの種類の判別から始めるのです。
ここではヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリの駆除、予防方法をご紹介します。
ヤマトシロアリの駆除方法
ヤマトシロアリの駆除のポイントはシロアリを逃がさないように一度に駆除を完了させることです。
生態に関する2点のポイントが理由となります。
・臆病で逃げやすい
・加害箇所に住みつく
ヤマトシロアリは臆病な性格で攻撃性は高くありません。
そのため、少しの刺激でもすぐに逃げてしまいます。
逃げた先で新しく食料にできそうな木材を見つけそこを住処にします。
つまり駆除の途中でヤマトシロアリが逃げてしまうと、駆除できないのはもちろん被害の範囲が広がってしまいます。
なのでヤマトシロアリの駆除はシロアリが逃げて駆除しきれない状況を防ぐ必要があります。
ヤマトシロアリのおすすめ駆除方法は2つあります。
・薬剤散布法(バリア工法) 一度の施工で駆除漏れがないように隅々まで散布することが出来れば確実な方法です。 土壌部分に薬剤を散布しておくことで予防もできます。 ヤマトシロアリは土壌から侵入するためです。 ・ベイト工法 時間がかかるデメリットはありますがヤマトシロアリを刺激せずに駆除することが出来ます。
これらがヤマトシロアリのメインの駆除方法です。
イエシロアリの駆除方法
イエシロアリは巣をまるごと駆除するのがポイントとなります。
イエシロアリは注意するポイントが2点あります。
・被害の進むスピードが速い
・加害部分とは別の場所に大きな巣を作る
イエシロアリは行動力や破壊力が高く、世界のシロアリの中でも最も加害が大きいと言われています。
ヤマトシロアリは水気のあるところにしか生息できないのですが、イエシロアリは水を運べる能力を持っているのでヤマトシロアリより行動範囲が広いのです。
また一つの巣にいる個体数が50~100万匹ととても多いので被害が進むスピードも速いです。
イエシロアリは加害部分と別の場所に大きな巣を作ります。
そのため加害部にいるシロアリだけ駆除しても少し時間が経つと離れた場所にある巣からまたシロアリが来て被害を受けてしまいます。
一度の駆除で被害を受けた場所と同時に巣もまるごと根絶させる必要があります。
詳しく駆除方法を説明すると以下のようになります。
・薬剤散布法 被害を受けたところだけでなく巣の場所も特定して巣の位置に薬剤を散布します。 土壌部に散布しておくとこで予防にもなります。 イエシロアリは土壌から侵入するためです。 ・ベイト工法 毒餌を設置して巣に持ち帰らせることで巣にいるシロアリを駆除することが出来ます。
イエシロアリも土壌から侵入するシロアリなので土壌に薬剤をかけ、対策するのが一般的です。
アメリカカンザイシロアリの駆除方法
アメリカカンザイシロアリは外来種のシロアリで近年被害が拡大してきています。
早期発見が難しいため駆除方法が確立されていません。
アメリカカンザイシロアリの駆除は、知識と経験が豊富な専門の駆除業者を選んで、駆除をお願いするのがいいでしょう。
アメリカカンザイシロアリは以下の特徴があります。
・加害部分に住みつき蟻道や巣を作らない
・温度や湿度の影響を受けにくい
アメリカカンザイシロアリは土の中に住むヤマトシロアリやイエシロアリと違い、乾いた木材の中で生活できるため、被害に遭う範囲が広いのです。
屋根裏や室内の家具などの思わぬところで知らないうちに被害が広がっていってしまいます。
そんなアメリカカンザイシロアリは一度に完全に駆除するのは難しく、長期にわたって繰り返し駆除を行う必要があります。
日本で大きく被害が出ているシロアリ3種類の駆除方法を紹介しましたが、他にもたくさんのシロアリが存在しています。
不安な場合は下手に刺激せずに業者の方に相談するようにしましょう。
シロアリ駆除の業者さんをもっと詳しく知りたいならこの記事がお勧めです。
自分でシロアリ駆除するときのDIY方法を詳しく知りたいならこの記事がお勧めです。
不安なら業者さんに見てもらおう
今回はシロアリの種類と簡単な駆除方法をご紹介しました。
自分で出来そうであればホームセンターなどに駆除の薬剤などは売っているので、試してみるのも手ではありますが、やり方を間違えるとシロアリを刺激して被害が広がってしまうかもしれません。
DIYに慣れていなかったりやり方に不安があるようなら、シロアリ駆除の業者さんに依頼して駆除をお願いしましょう。
大切なお家がシロアリの被害に遭っていたら悲しいですよね。
しっかり駆除と予防をして、少しでもお家を守れるようにしたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。