近年増えている台風や地震。夏には豪雨も当たり前になってきました。
お家で一番被害を受けているところはどこでしょうか?
もちろん屋根です。
屋根は、普段見えないところだからと放置してしまいがち。
でも、屋根のリフォームによりお家自体の寿命を大きく伸ばすことができるんです!
屋根のリフォームは大きく2つ
- 屋根の形を変える
- 屋根材を変える
こちらの記事では2つのリフォームポイントに加えて、屋根を長持ちさせるメンテンナンス方法についてご紹介していきます。
リフォームで屋根の形を変える!
一言で屋根といっても、その形は様々です。形によってメリット・デメリットも変わってきます。
屋根はリフォームにより形を変えることができますが、大掛かりな工事になります。
費用目安は屋根の形状により、200万〜700万円ほど。
高額な費用が必要になるため、何度も変更することは難しそうです。
慎重に検討しましょう。
ここでは、雨漏りや台風など災害に強い屋根にスポットを当ててみます。
おすすめの屋根、また、こまめなメンテンスが必要になる屋根の形状と特徴をご紹介していきます。
雨漏りや台風など災害に強い屋根
●切妻屋根
四角い建物に2つの面だけで構成された屋根が乗っている、シンプルな形のものです。
2つの屋根面を屋根の一番高い位置だけでつなぐ構造になっており、雨水の侵入を防ぐことが可能です。
メリット |
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デメリット |
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●寄棟屋根(よせむねやね)
引用:リショップナビ
4つの屋根面が四方に広がっている形状のもの。
上空から屋根を見ると長方形をしています。
4方向に屋根面があるため、雨風や日差しから外壁を守りやすくなり外壁の劣化を抑えることができます。
一方、屋根面の多さから使用される部材も多く、メンテナンスコストがかかるデメリットもあります。
メリット |
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デメリット |
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雨漏りが発生しやすくこまめなメンテンスが必要な屋根
●はかま腰屋根
引用:リショップナビ
切妻屋根を正面から見たときに、頂点のあたりに少しだけ寄棟屋根のような屋根面がくっついた形状のもの。
先端部分の高さを抑えることができるのが特徴です。
メリット |
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デメリット |
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●招き屋根・差し掛け屋根
引用:リショップナビ
片側の屋根を長くし、もう片方の屋根を短くした段違いの形状のもの。
構造上屋根が二つに分かれることになり、風の影響を受けにくいのが特徴です。
メリット |
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デメリット |
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リフォームで屋根の材質を変える!
続いて屋根の材質をみていきましょう。
材質・機能・コストも多岐にわたります。
日本で主流の屋根材とメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット | デメリット | 価格(㎡あたり) | |
粘土瓦 | ・耐用年数が80年〜100ほどと非常に長い。
・半永久的にメンテンスは不要 ※瓦ではなく下地材の交換は必要 ・和風住宅らしい見た目。重厚感ある佇まい。 |
・重い。屋根が重いと地震が起きた際に建物全体にかかる負担が大きくなる。
・施工できる職人が少ない |
8,000~12,000円 |
スレート屋根 | ・色が豊富。最近の新築住宅でもっとも普及率が高い。
・比較的安価 |
・寒さに弱い。寒い地域では使用できない。
・耐久性が低い。 ・定期的な塗装が必要・ |
4,500~8,000円 |
ガルバリウム鋼板 | ・錆に強い。
・腐食性に優れており長持ち。 ・軽く耐震性が高い。 ・熱が反射しやすく、室内の温度維持に効果的。 |
・初期費用が高め。
・目ためがトタンのようで安っぽい |
6,000~9,000円 |
セメント瓦 | ・耐火性が高い。
・豊富な形状で色も豊富。施工がしやすい。 |
・塗装が剥がれると、苔やカビが生えてしまい、劣化が進みやすくなる。 | 6,000~8,000円 |
近年では、カラーバリエーションの多さとコストパフォーマンスの高さで「スレート屋根」が人気です。
しかし、コストパフォーマンスが良い分寿命は短いです。
どの屋根材もパーフェクトは無く、必ずメリットデメリットがあります。
デザイン性とコストパフォーマンスを重視:スレート屋根
機能性と耐久性を重視:ガルバリウム鋼板
日本らしい外観とメンテンスフリーを重視:粘土瓦
日本瓦と似た外観で比較的安価:セメント瓦
屋根のメンテンスを放置するとどんなデメリットがある?
ここまでは屋根のリフォームポイントを紹介してきました。
それでは、リフォームのタイミングはいつ頃が良いのでしょうか?
屋根の形や色を変えてお家の雰囲気を変えたいという場合はいつでもいいかもしれません。
しかし、目的が家の補修や強化であれば、定期的な検査で適切なタイミングを見極めることが重要です。
なぜならば、問題が起きたときにはお家は深刻なダメージを受けていることが多いからです。
例えば雨漏り。雨漏りを発見したときにリフォームを考えるようであれば遅すぎます。
なぜならば、通常のお家は簡単には雨漏りしないからです。
屋根の下には梁や柱など家の構造体や断熱材など様々な物体があります。
屋根にヒビが入ってしまい雨水が侵入した場合でも、部屋に到達するまでに柱や断熱材などに全て吸収されてしまいます。
つまり、雨漏れしたときには既に、柱や断熱材は水分を吸収しつくしダメになってしまっている可能性が高いのです。
するとどうでしょうか?
柱はお家の骨組みです。ここが劣化してしまうと、お家の寿命は極端に短くなってしまいます。
断熱材はお家のジャケットです。
ここが機能を果たせなくなると、寒さはもちろんお家に侵入してきますし、実は熱も遮るものがない分直接お家に届いてしまい、過ごしにくい環境になります。
また、更に時間が経つと水分が染みた部分にはカビが発生し、アレルギーなどを引き起こす要因にもなります。
こうなってしまうと、リフォームは屋根だけではすみません。
柱も断熱材もリフォームする必要がでてくるため、費用が大きく膨らんでしまいます。
もちろん放置するわけにもいかないので、いきなり予定外の大きな出費が発生することになります。
被害が起きてからのリフォームでは費用も期間も勿体無いです。
●放置した屋根材の劣化(落下してしまうことも)
●梁や柱など家の構造体の劣化
●カビの発生によるアレルギーの誘発
⇛屋根以外のリフォームが必要になり、費用が大幅にアップ!!!
こまめにチェックして大きなダメージを防ごう!
屋根のメンテンス時期はいつ?方法は?
屋根の定期的なメンテンスが必要なのはわかったけど…。
どれぐらいの頻度でチェックすればいいのかしら?
耐用年数 | メンテンス頻度 | |
粘土瓦 | 80~100年 | ・屋根の下地の定期点検 |
スレート屋根 | 20~25年 | ・10年ごとに屋根塗装
・20~25年で葺き替え(塗装していなければ) |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | ・5~6年ごとに錆や色落ちの点検
・15~20年ごとに屋根塗装 ・30年ほどで葺き替え(塗装していなければ) |
セメント瓦 | 30~40年 | ・15年ごとに屋根塗装
・屋根の下地の定期点検・定期的なメンテンス |
ひとえに屋根のメンテンナンスといっても、一般的に3つの種類があります。
●塗装
●重ね葺き
●葺き替え
もう少し詳しく見ていきましょう。
塗装
年数が経てば経つほど、屋根材の表面の塗装は劣化していきます。
定期的に塗装することで、水をはじき腐食を防ぐことができます。
塗装によるメンテンナンスをしっかり行っていれば、コストがかかる葺き替えまでの期間を伸ばすことができ、費用を抑えられます。
ただ、どんな状態の屋根でも塗装が可能なわけではなく、屋根材の下地が痛んでいる場合は「葺き替え」が必要となります。
約30坪の建物の費用目安:40~80万円
重ね葺き(カバー工法)
重ね葺きは、もともとの屋根材を剥がすことなく上から新しい屋根材を被せるリフォーム方法です。
葺き替えと比較したときのメリットは2つです。
- もともとの屋根材の上から被せるだけでいいため費用や期間が抑えられる。
- 屋根材が二重になり、保温効果や断熱効果があがる。
ただこちらも、下地が痛んでいなことが施工の条件となります。
また、一度重ね葺きをすると上から更に屋根材を被せることは難しいです。
下地が痛んでいる、もしくは一度重ね葺きをしている場合は「葺き替え」が必要になります。
約30坪の建物の費用目安:80~120万円
葺き替え
もともとの屋根材や下地を全て撤去し、新たに屋根を構築するリフォーム方法です。
塗装や重ね葺きと比べると費用も工期もかかりますが、新築と同様の状態になります。
下地が痛んでいる場合は、こちらの施工が必要不可欠になります。
約30坪の建物の費用目安:60~200万円
勝手に判断は危険!定期点検は必須です!
ここまでで説明したように、素材によって耐用年数やメンテンナンス時期は異なります。
しかし、メンテンナンス時期はあくまで目安であり、雨や災害などで大幅に縮まる可能性は十分に考えられます。
普段見えない部分だからこそ、素人目で判断するのではなく、定期的に検査をお願いしましょう。
●築10年以降は5年ごとに受けましょう。
●大きな台風や地震があったあとも検査をお願いするのがおすすめです!
家を長持ちさせる屋根のリフォームまとめ
屋根のリフォームを考えるタイミングはこのような時です。
- お家の雰囲気を変えたい
- 台風で屋根にダメージを受けた
- 雨漏りした
- 大きな音が鳴るようになった
- 天井に染みができるようになった
大事なことは、少しでも異変に気づいたら確認すること!
放置すると怖い屋根。お家の寿命を守るためにも、定期検査は必須ですね。
●屋根の形を変える
費用は200万〜700万円ほど
見た目だけではなく、通気性・雨漏りリスクなどの機能性を要チェック。
●屋根の材質を変える
費用は40万〜200万円ほど
各材質一長一短。
コストと耐震性・耐久性のバランスをみて検討する。
●お家の寿命を延ばす!
状態が見えづらい屋根は気づいたらダメージが蓄積していることも。
定期点検&リフォームでお家への負荷を大幅に減らせます。
●予定外の出費を無くす
屋根以外にまでダメージが及んでいた場合、予想外の大きな出費が発生することも。
ダメージの早期発見が重要です。
また、屋根のリフォームの際には外壁も合わせてリフォームすることをおすすめします。
どちらのリフォームにも足場を組む必要がありますが、同時に施工することで、足場の準備・撤去にかかる費用分お得になります。
屋根と外壁の色を変えると、お家のイメージもぱっと変わりますね。
5年ごとの点検を覚えておくのは大変ですので、何か家族イベントと重ねて実施されるといいかもしれませんね。
節目ごとに、屋根の安心を確かめ、カラーも変え、新たなステージの幕開けとしましょう!
[nurikae-yanezai]
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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