屋根の塗装で、見積をとってみると
「意外に足場の金額が高いな・・・」「足場って省けないのかな・・・」
と思われた方もいるのではないでしょうか。
はしごで登って出来ないのかな?と思われてる方もいると思います。
しかし実際は屋根塗装の足場は品質の面や安全面、ご近所の方への配慮を考えても必要なのです。
そういわれても、「少しでも費用を抑えたい!」と思いますよね。
そんな方に向けて、今回は足場でかかる費用以外で工事費用を抑えるコツや必要性を解説します。
是非参考にしてください。
屋根塗装に足場必要?法律と理由を紹介

先ほどお伝えしたように屋根の塗装には足場が必要です。

工事費用が安くなったとしても、後々トラブルにつながったり工事の品質が悪いせいで、結果やり直しが発生する可能性があります。
足場設置が必要な理由と発生するリスクを一緒に解説していきます。
労働安全衛生規則で規定がある
「労働安全衛生法」という法律で決められています。
2m以上の高所での作業時には、作業者の安全を守るため足場を組むことが求められています。
普通の2階建ての家であれば、屋根の高さは6~8メートルくらいで平屋の場合は3~5メートルの高さになります。
塗装工事は塗料が入っている缶を片手にかけて作業になりますので、10~20kgぐらいの重たいものを持ってはしごであがるとなると危険です。
足場を設置していれば、滑った場合は掴む場所もあり、足場に張るメッシュシートは落下を防止する役目があります。
事故が起こってからでは遅いので、安心して工事をするにも足場が必要だという事がわかりますね。
また2m以上の高所作業で、足場を組まずにできますという業者は、法律に違反することになります。



ご近所の方へ配慮
塗装工事する際に足場がないと、ご近所の方とトラブルになる可能性があります。
必ず塗装の前に行う高圧洗浄という工程があり、塗料が密着しやすくなるために屋根に長年ついている汚れや劣化した塗膜などを綺麗にします。
足場には飛散防止シートを貼るので、ご近所の家や車に汚水が飛び散ることを防げます。
もし足場の設置がない場合は、周りに水が飛散してご近所の家や車に汚水がかかってしまいトラブルになる可能性があります。
ご近所の方とは、長い付き合いになるのでトラブルは避けたいですよね。
安定した場所で作業品質があがる
足場を設置して作業すると効率的なうえに作業品質が向上します。
なぜなら不安定な場所での作業では、ベテランの職人の方でも身を守ることに気をつけながら作業をするので、集中できない状態になります。
足場を設置しての作業は安全性が高まるうえに集中できます。
高い品質作業が得られますね。
屋根塗装の足場にかかる費用の相場


屋根塗装を依頼すると、複数の内訳で料金が書かれてあって見るのが嫌になる方もいるのではないでしょうか。
この記事ではおおまかな費用・相場の計算方法を紹介します。
依頼する業者によっても異なりますが、ある程度の相場について知っておきましょう。
足場費用にかかる相場
足場費用 | 600~800円/㎡が相場 |
飛散防止ネット | 100~200円/㎡が相場 |
足場費用は計算できる
1.足場架面積を計算します。
足場架面積は、実際に塗装する面よりも大きくなります。家の外周+8mは、外壁から足場までの数字になります。
2.足場架面積をもとに、足場費用を計算します。
足場架面積×(足場費用/㎡+飛散防止ネット/㎡)=足場費用
上記は見積書をチェックするための計算です。詳しい金額は業者に問い合わせてください。
足場以外で費用を抑えるコツを3つ紹介!


足場の作業は必要と分かったけど、少しでもコストを抑えたいですよね。
別の方法で費用を抑えるコツを3つお伝えします。
どれも何万円も抑える可能性がありますので、是非参考にしてみてください。
事前点検でしっかり見てもらう
屋根塗装を検討されてる方は見積もり段階でしっかり点検してもらいましょう。
できるだけ追加で費用が出る可能性が無いように、事前に屋根の状態を知って工事をしたいものです。
「面積が分かっていれば金額って同じではないの?」と思うかもしれません。
屋根は目に見えない部分で雨や風の影響を一番受けやすい場所になります。
工事開始に実際に屋根を確認したら、「塗るだけでは修復できない部分があった!」など追加工事になる事例がとても多いです。
追加工事を工事開始から発覚してしまった場合、見積もりを取って比べたり、別の業者に依頼するような事はできないため業者の言い値になってしまいます。
工事費用が相場より高くなってしまった…と後悔したくないですよね。
追加工事でよく発生する割れた屋根の差替工事や棟板金の交換工事を紹介します。
割れた屋根の差替工事
1枚あたり:5,000円~10,000円


引用:(株)轍建築
経年劣化でひび割れや、台風などでアンテナが倒れた、物が飛んできたなどの外的要因で割れてしまうこともあります。
小さく欠けてる場合は、くっつけるだけでいいのですが大きく欠けてしまい落ちてしまっていたら雨漏れにもつながるため、差替工事が必要になります。
棟板金の交換工事


引用:(株)轍建築
1mあたり:3,500円~5,000円
屋根の上にある鉄の板製の部材を棟板金といいます。
強風に煽られて浮いてきたり、固定してた釘が緩んだりすることがあります。
放置しておくと台風等で飛ばされてしまう事がある為、触って動くようであれば交換する必要があります。
なかには木材が雨に当たって腐っていた場合もありますので併せて交換します。
このように、屋根は実際に見て確認してみないと分からないことが多くあります。
追加費用が出ないようにすることも、費用を抑えることに繋がりますので前もってしっかり点検して貰いましょう。
外壁をあわせて塗装する
外壁も一緒に塗装するとお得です。
屋根を塗装した後に外壁を分けて工事すると、足場も2回設置となり、費用も2回発生してしまいます。
屋根と一緒に外壁も塗装した場合、1回分約10万~20万円がお得になります。
築年数10年ごとに塗装工事を同時に行った場合と別の時期に行った場合で具体的に説明しますね。
例)新築約30坪で外壁はサイディングを使用し、屋根はスレート
屋根と外壁を同時に塗装した場合
築年数10年 | 築年数20年 | 築年数30年 | |
屋根 | 約50万円 | 約50万円 | 約50万円 |
外壁 | 約60万円 | 約60万円 | 約60万円 |
合計額:約330万円
屋根と外壁を別の時期に塗装した場合
築年数10年 | 築年数20年 | 築年数30年 | |
屋根・外壁 | 約100万円 | 約100万円 | 約100万円 |
合計額:300万円
このように1回につき約10万円、10年に1回すれば30年後には約30万円の差が出ます。
外壁と屋根の塗装は同時にすることで少しでも費用を抑えたいですね!
塗料によって耐用年数が長くなる!
家のメンテナンスは30年、40年という長期的なスパンで行います。
長い目でみても耐用年数が長い塗料は費用を抑える事ができます。
外壁塗装を同時にし、コストパフォーマンスを重視するという方は、耐用年数の長い無機塗料やフッ素などの塗料がおススメです。
初めの費用はかかりますが、長期的に見ると今後の塗装回数が減るので一番お得なのです。
塗料の種類 | 外壁塗装が必要なスパン |
---|---|
無機塗料 | 20年毎 |
シリコン | 13年毎 |
ウレタン | 10年毎 |
アクリル | 8年毎 |
逆にアパートオーナーさんなどは、こまめにメンテナンスして入居率を上げたいと思いますので短い耐用年数の塗料で塗装工事をするなど検討されても良いでしょう。
長期的に見たコストパフォーマンスを重視するかどうか、考えて選ぶといいですね!
屋根塗装の際に重要な4項目とNG足場


できれば工事費用は抑えたいと思いますが、省かないでほしい重要な項目が4つあります。
これを省くと雨漏りの原因になったり、施工不良でやり直したりと大きな出費になる可能性があります。
見積もりに入っていない場合は、重要な部分になるので検討されるといいでしょう。
重要①:足場種類は「ビケ足場」
ビケ足場は、広く安定しているので、落ちてしまう危険性が少ないです。






重要②:急傾斜があるような屋根は「屋根足場」
屋根足場は、オシャレなデザインの屋根やロフトや屋根裏部屋収納があって、急な傾斜の屋根に使用されます。
また、全ての場合で必須というわけではなく、傾斜が5寸以上の急な勾配の時に使用されます。
急傾斜の屋根でも安全に作業するための足場になります。
重要③:タスペーサー(スレートの屋根)
見積もりに「タスペーサー」があるかチェックしておきましょう。
これをせずに塗装すると、雨漏れになる可能性が高いからです。
また塗装を普通にすると、塗料が屋根の間に詰まってしまい、水が通り抜ける道がなく、雨漏れの原因になってしまいます。


引用:株式会社セイム
ただ、「タスペーサー」が必要ではない場合もあります。
全ての屋根の塗装工事で必要というわけではありません。
4ミリ以上の隙間が、屋根材と屋根材の間にある場合は「タスペーサー」は不要になります。
詳しくは業者にご確認ください。
重要④:釘打ちとコーキング
棟板金や棟瓦屋根の方は、見積に棟板金や棟瓦のビス締めや釘打ちが、入っているか確認しましょう。
棟板金は金属で、日中で熱くなると熱膨張によって伸び、夜は冷えるので縮みます。
その伸びた際に、釘も少しずつ押し出してしまいます。
日々繰り返されることで、釘が出てしまうのです。
築年数が7~8年経過すると、どの屋根でも浮いてきてしまいます。
これを放置しておくと、部材交換で費用が掛かったり台風で屋根が飛ばされたりした場合、大きな出費となる可能性があります。
小さな部分ですが、塗装の際に一緒に確認とメンテナンスしておくことで、何年か後に突然訪れる高額な出費を減らせます。
NG足場:単管足場は安全性は低い
単管足場は、パイプを縦と横で組まれた、比較的簡単な作りになります。
踏み板がないので安定性は低いため、現在はあまり使用されていません。
特徴として、簡単な作りなので費用は安価で、組み立てや解体もスムーズに行えます。
瓦屋根のリフォームについて知りたい方はこちらもご覧ください。
屋根の塗装って足場はいるの?必要性や法律を解説!お得に工事しよう!まとめ
今回は屋根の塗装工事の足場について細かく解説しました。
- 事前点検でしっかり見てもらう
- 外壁をあわせて塗装する
- 塗料によって耐用年数が長くなる!
- 足場の種類は「ビケ足場」
- 急傾斜があるような屋根は「屋根足場」
- タスペーサー(スレートの屋根)
- 釘打ちとコーキング
- 単管足場は安全性が低い
高い金額支払って、塗装工事をするなら長く持たせたいですよね。
そのためにも見積もりの時点で、色々と聞いてみるといいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。