こんにちは、あつしです。
日本の家屋被害でみられるイエシロアリは、土の中から人家まで100mに達するような世界最大級ともいわれる巣をつくることがあります。
それほどの巣をもつシロアリを、素人の僕たちが駆除できるのでしょうか?
巣ごとの駆除となるとそれは難しい作業になることでしょう。
ではやはり、シロアリ駆除はプロに任せたほうがよいのでしょうか?
プロに任せた場合の駆除法についても触れていますので参考にしてください。
駆除も大切ですが、シロアリの生態が気になる方はこちらをご覧ください。
シロアリ駆除に根絶が求められる理由
シロアリの駆除は巣まるごとの完全駆除、つまり根絶が求められます。
その理由は、シロアリ被害がなぜ恐ろしいかという理由に直結します。
ある日突然、床が抜け落ちた…。
シロアリは家屋の基礎や骨組みなど家屋を支える重要な部分を簡単に食い荒らします。
シロアリ被害により家が破損し怪我をしてしまったり、最悪の場合は倒壊します。
シロアリによって食害を受けた住宅は本来の耐久性を維持することはできず、地震や台風などの自然災害に見舞われた際にあなたは住む家を失う可能性があるのです。
実際、阪神淡路大震災で全壊した家の多くはシロアリ被害に遭っていた、ということが公的な調査により判明しています。
それを聞くと、大切な財産である家がシロアリ被害に遭い、その被害が進行してしまうことが非常に恐ろしいことだとわかります。
そしてシロアリ被害の特徴として、一部を駆除したところで被害を食い止めることはできないという点があります。
シロアリは毎日産卵をおこなっていて、どんどん数を増やしその卵は順に孵化して成虫へと育ち、次から次へと被害を拡大させていきます。
そんな恐ろしいシロアリは巣とともに根絶が求められるのです。
シロアリ駆除 2つの工法
シロアリ駆除の方法は色々ありますが、今回は代表的な2つの方法を取り上げました。
最も普及しているバリア工法と、安全性が高いことで評判のよいベイト工法について紹介します。
①バリア工法
バリア工法は薬剤散布タイプのシロアリ駆除法です。
巣へ直接散布するため即効性に優れ、昔から現場で広く採用されてきた。
コストを抑えられ、見積もりの予測もつきやすい。
バリア工法は巣への直接散布が基本なので、シロアリが潜む壁を剥がしたりドリルを使って天井に穴を開け薬剤を散布します。
コンクリートに穴を開けて薬剤を染み込ませたり、柱へ薬剤を注入したりする場合もあります。
作業時間は状況により変わりますが、数時間から1日かかる場合があります。
また、地面のかなり深いところまで薬剤を浸透させることができ、床下や住宅の基礎周りなどシロアリの侵入経路に散布することで予防の効果も期待できます。
その薬剤の効果が5年間持続するため駆除と同時に予防がおこなえるのです。
しかし即効性に優れる分、駆除後の健康被害や環境汚染が懸念されるというデメリットがあります。
現在は昔に比べて人や環境に極力配慮した薬剤も開発・採用されてきていますが、人体への影響はゼロではありません。
特にアレルギー体質の方や化学物質に敏感な方、赤ちゃんや子ども、妊娠中の方には注意を払う必要があります。
ペットを飼っている方はペットへの配慮も必要です。
そして人や動物だけにとどまらず、シロアリ以外の虫への影響、草木への影響、空気汚染などのリスクについても忘れてはいけません。
室内の空気中の薬剤濃度は散布当日より翌日のほうが高くなることもあります。換気などの対策は入念に行いましょう。
また、どういった駆除剤を使って作業をおこなうのか、あらかじめ確認することをおすすめします。
ついでに保証内容も確認しておきましょうね。質問に対し、丁寧に説明してくれて信頼のおける業者を選びましょう。
シロアリ駆除剤やその成分について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
②ベイト工法
ベイト工法は毒餌設置タイプのシロアリ駆除法です。
その餌を働きアリが巣に持ち帰り、巣ごと全てのシロアリをやっつける。
細工した餌によりシロアリをだまして根絶させるベイト工法は、監視が必要なこともあり言わば長期戦法です。
効果が現れるまで数か月の期間を要します。
駆除に時間と手間がかかるので費用が高くなってしまうのも事実です。
ベイト工法の流れ
まず、どこにシロアリが発生しているのか調査開始。→家屋の適切な場所に餌の入った器を設置し定期的に確認。→シロアリの発生場所が把握できる。→シロアリの通り道など該当の場所にベイト剤を設置。→巣ごと根絶。
毒餌とは
木を主食とするシロアリ好みに調合された毒餌は、紙や木材に薬剤を浸み込ませてつくられています。
有機溶剤や界面活性剤などの人への影響が強い薬剤が一切含まれないため安全性が高いのです。
使用する薬剤にはノバフルムロンという成分が含まれ、脱皮するシロアリの特性を生かし昆虫の成長を抑制するしくみを利用しています。
そのため人だけでなく犬や猫などのペットや植物にも配慮した工法なのです。においやアレルギーも心配ありません。
その薬剤はシロアリにとっては毒であっても人や動物、環境に優しいことがわかりますね。
シロアリ駆除の費用相場についてはこちらをご覧ください。
【シロアリ駆除】プロに任せたほうがいい5つの理由
昆虫の中でも子孫を残すための執念が強いといわれるシロアリ。
そのため用心深い特性も持ち合わせています。そんなシロアリをすべて駆除するのは至難の業です。
シロアリ駆除は専門業者に任せるか、本当に自分でうまくできるのか?
想像以上に大変なシロアリ駆除はプロに任せたほうが安心です。
具体的にどんな理由からプロに任せたほうがよいのか、5項目にまとめましたのでご覧ください。
1. 素人が行うには限界がある
一部でも巣が残っているとシロアリが生き残り、再び被害が起こる可能性があります。
例えば、日本の家屋被害でみられるヤマトシロアリは小ぶりの巣をつくりますが、駆除の失敗により危険を察知し巣を分裂させます。その結果、被害が拡大してしまうリスクがあります。
イエシロアリについては土の中に本巣をつくり、枝分かれするように分巣を家屋に拡げていきます。
数百万匹規模のその巣は、一部が敷地外にある場合も少なくありません。そうなると素人の僕たちは手の施しようがありません。
素人がシロアリを警戒させずに全てを駆除するには限界があるのです。
2. 根絶には専門性が必要
羽アリが出なくなったから「シロアリがいなくなった」と勘違いしてしまうことがあります。
羽アリが巣から飛び出すのはたった数日だけなんです。ほとんどは土の中や建物の内部など見えないところで活動しています。
シロアリは種類によって巣の特徴が異なることから生態にあった駆除が必要となります。
巣の端から端までの場所を特定するのは極めて困難ですが、プロは豊富な知識と経験によりシロアリの居場所を突き止め駆除します。
早急な対応が重要となってくるシロアリ駆除。
使用する薬剤・道具・保護具もプロならではの取り揃えがあり、スピーディーに的確な駆除が始められます。
3. 危険が伴う作業
シロアリは主に人目の触れない場所を食い荒らします。
天井裏や床下などの足場が不安定な場所や狭い場所での駆除作業が必要となります。作業中、ほふく前進で移動することもあるそうです。
シロアリ被害により柱や梁の強度が低下している場合もありますので、作業は慎重に進めていかなければなりません。
素人がこのような危険を伴う作業に慣れているわけもありません。
4. DIYは人体へ影響が及ぶ危険性が高まる
市販のシロアリ専用の殺虫剤を使う前には説明文書をよく読む必要があるのは当然のこと、しっかり理解していないと思わぬトラブルが起こる場合があります。
自ら殺虫剤を手に取り作業を進めると、大量の薬剤を浴びたり吸い込んだりする危険性があります。
デリケートな人ほど駆除による健康被害に注意が必要です。
吐き気やめまい、倦怠感、目の痛みや喉の違和感などあれば、すぐにお近くの病院を受診してください。
5. かえって費用が高くなることがある
費用を抑えようと、自分で駆除をやってみたが完全な駆除ができていなくて再度駆除が必要となる場合や、その際に食害がますます進行していて家の修繕費がかさんでしまうという場合があります。
危険な作業による怪我や、高濃度の薬剤使用によって健康被害があればその分医療費がかかってしまいます。
費用を抑えたいがために安易にDIYを決断しないほうがよいと言えます。
シロアリ駆除 まとめ
・バリア工法は予防までできる上、定期的なメンテナンスが不要なため費用を抑えられる。
・ベイト工法は安全性を重視したい方にはおすすめ。
・シロアリ対策は手遅れになれば命とり。
・シロアリ駆除は豊富な知識と経験のある専門業者に任せて安心。
こちらも参考になるので併せてチェックしてみてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。