こんにちは、あつしです。
最近ご近所の方から、こんな相談を受けました。
「シロアリは市販のスプレー剤でちゃんと退治できるの?」と。
その方は羽アリを見つけたことから自宅のシロアリ被害に気がつき、シロアリ退治用のスプレーを使ってみようと思ったそうです。
スプレー剤は手軽ですので、シロアリ以外の害虫に使用された経験がある方もいらっしゃいますよね。
実をいうと、僕は市販の殺虫剤でのシロアリ駆除はおすすめしていません。
自分のシロアリ被害の経験やこれまで調べてきたことから、シロアリの駆除はとても難しいと感じたからです。
とは言いつつも、自宅で羽アリやシロアリを見かけたときのショックは大きいですよね!
そのままにしておきたくないという気持ち、すっごくわかります!
そうだねぇ、効果はあるけれど使い方を間違えると逆に被害が大きくなることもあるんだよ。
ええ~、怖いわね・・・
それならあっくん、市販のスプレー剤の効果的な使い方について教えてくれる?
もちろんだよ、母さん。
それと、使いやすそうなスプレー剤も紹介するね。
ということで今回は、市販の殺虫剤でのシロアリ駆除をおすすめしていない理由と、効果的にスプレー剤を使うポイントやおすすめの商品を紹介しますね。
どうしてシロアリの素人駆除はダメなの?
まずは、市販の殺虫剤での駆除ををおすすめしない理由と薬剤について説明しますね。
シロアリの完全駆除は素人には難しい
先ほどもお伝えしましたが、僕は市販の殺虫剤でのシロアリ駆除はおすすめしていません。
それは、シロアリについて知識がないまま、むやみに市販の殺虫剤を使用するのを避けてほしいと思っているからです。
なぜなら、シロアリの被害というのは家中に及び、外からはわからない場所にあるからです。
シロアリは餌になる木をどんどん食べ続けていくので、一匹残らず駆除しなければ被害を食い止められません。
市販の殺虫剤を使用した場合、うまくいけば一部のシロアリの退治はできます。
でも、被害が一か所だけでなかったり範囲が広かったりすると、シロアリを駆除しきれない場合があります。
そうなると、生き残ったシロアリが他の場所へ逃げて行き、かえって被害を大きくしてしまいます。
シロアリは完全な駆除が最も重要です。
そのためにプロはしっかりと現場を確認して、被害場所の判断や必要な駆除方法をとります。
専門の機械や薬剤で念入りな駆除を行いますので、シロアリの完全な駆除ができます。
ですが、実際ここまで行うことは素人には難しいですよね。
このような理由から、僕は素人よる市販の殺虫剤での駆除をおすすめしていません。
ここまでの話だけ聞くと、市販の薬剤は使用してはダメなんだと思ってしまいますよね。
ですが、市販の殺虫剤にはちゃんと効果がありますので安心してくださいね。
市販の殺虫剤は適切な種類を選ぶことで、シロアリ駆除に効果を発揮します。
薬剤のタイプで使い分けが必要
シロアリ駆除に使われる市販の薬剤には、4つのタイプがあります。
タイプ | 特徴 |
スプレー剤(エアゾール剤) | 缶の中の薬剤をシロアリに直接又は木材・土壌に吹き付けて使用 |
液剤 | 原液又は薄めたものを、木の表面や土壌に散布して使用 |
ベイト剤(毒えさ) | 巣に持ち帰らせて巣ごと全滅させるもので、毒えさを設置して使用 |
粉剤 | シロアリの通り道や食べたあとの木材に直接ふりかけて使用 |
タイプによって使い方はさまざまで、以下の状況に適した薬剤を選びましょう。
- 被害はどの程度なのか
- どこにいるシロアリを駆除するのか
- どのくらいの範囲に効果が必要なのか
- 効果はいつでるのか
今回相談されたケースのように、羽アリを見つけて退治したいときは、すぐにその場で死滅させられるスプレー剤が状況に合いますよね。
ベイト剤をそばに置いても羽アリをすぐに死滅させることはできませんので、この場合適切な薬剤とは言えません。
反対にシロアリの姿は見えないけれど、蟻道(シロアリの通った道)や食べられて穴の開いた木などには液剤や粉剤でまんべんなく薬剤を撒くことで効果を得られます。
このように状況に合う薬剤を選ぶことで、市販の薬剤でも効果的にシロアリを駆除できます。
効果的に使用するために次のポイントを押さえておいてくださいね。
- シロアリ駆除は素人がむやみに行わない
- シロアリ被害の状況をよく確認する
使うならシロアリ用のスプレー剤がおすすめ
読者の皆様が市販のスプレー剤を選ばれる場合は、以下のような効果を期待されていると思います。
- 発見した羽アリ・シロアリをすぐに死滅させたい
- 被害を食い止めたい
- 費用をかけずに手軽に退治したい
①については、すぐに使えてすぐに死滅させられるので効果は抜群です。
ですが、②、③を可能にできるのは、シロアリ被害がまだ小さい場合に限られます。
なぜなら、被害が大きくなるとスプレー剤では届かない場所ができてしまい、シロアリを駆除しきれない場合があるからです。
また、範囲が広くなると、使う本数も増えるので費用もかさみます。
ですので、スプレー剤が行き渡り駆除の効果が発揮できるのは、被害がまだ小さいうちだと思っていてくださいね。
市販のスプレー剤は購入も使用も手軽で、すぐに効果が得られるところが魅力です。
発見した羽アリやシロアリを、すぐに退治するならスプレー剤がおすすめです。
スプレー剤の基本的な特徴
よく使用されているシロアリ用の市販のスプレー剤は、以下のような特徴があります。
構造 | 缶の中の液体に圧力をかけ、勢いよく霧状に噴出させる |
使用方法 | 狙ったところに向けて片手でボタンを押す(又は引く) |
成分 | ピレスロイド系 |
価格 | 1本約800円~1,500円 |
スプレー剤は片手で操作ができるので初心者でも簡単に扱えますし、リーズナブルで購入しやすい価格です。
スプレー剤の使用場所
スプレー剤は、基本的に次のようなものに対して使用します。
- シロアリ
- 羽アリ
- 被害を受けた木材
- 予防したい木材
- 土壌(どじょう)
ノズルの使い分けや噴射力を利用すれば、広範囲にも、狭い隙間にも簡単に吹きかけられます。
木の隙間に潜んでいるシロアリにも、床下全体にも使用できるんだよ。
細長いノズル・・・手の届きにくい狭い場所に注入できる
広角のノズル・・・広い範囲に短時間で一度に撒くことができる
こうしてみると、スプレー剤は比較的どのような場所に対しても使用が可能です。
薬剤が付いた場所に駆除の効果を発揮するため、手の届かない高い場所や、狭い場所へ吹き付けられるのはとても便利ですね。
スプレー剤の有効成分
現在市販のスプレー剤に多く使われているのが、ピレスロイド系の殺虫成分です。
- 除虫菊(シロバナムシヨケギク)に含まれる天然殺虫成分ピレトリンからつくられた化合物
- 害虫が嫌がって近づかない(忌避性)
- 昆虫や魚の神経に作用し、けいれん・麻痺を起こさせ死滅させる
- 神経系が複雑にできている人や哺乳類、鳥類に対してはほとんど無害
このピレスロイド系の殺虫成分は、身近なところでは香取線香などによく使われていますね。
臭いもほとんどなく、人やペットに対して比較的安全性が高いとされていることが理由です。
ここで、シロアリ用の市販のスプレー剤の裏面に記載されている有効成分を見てみましょう。
引用:Amazon
【有効成分等】トラロメトリン エムペントリン(以下略)と記載されていますね。
このように、市販のスプレー剤の多くに以下の有効成分が含まれています。
- エトフェンプロックス
- エムペントリン
- ビフェントリン
- トラロメトリン
など
これらは、ピレスロイド系の化合物をさらに改良し、安全性に配慮されて作られた殺虫成分で、優れた特徴を持っています。
- 少ない量で効果を発揮し、即効性がある
- 持続効果にすぐれ長期間害虫の発生を抑えられる
- 人に対する毒性が極めて低く、安全性が高い
即効性と持続性の両方の効果を持ちながら、安全性の高い殺虫成分がスプレー剤には用いられています。
薬剤を扱うときの注意
ピレスロイド系の薬剤が人体への安全性が高いといわれていても、絶対に影響がないとは言いきれません。
健康を守るために、使い方には細心の注意が必要です。
- 過剰に吸い込んだり誤飲したりしない
- マスク・ゴーグルなどの装備をする
- 用法容量を守る
- 必ず換気をする
- 影響を受けやすい妊婦さん、赤ちゃん、ペットがいるご家庭は特に使用に注意する
健康被害を起こさないためにも、成分の安全性を過信せず注意を守って使用してくださいね。
スプレー剤に限らず殺虫剤を購入されるときは、ぜひ裏面の成分を見てみてください。
さらに効果的に使うために、以下のポイントを役立ててくださいね。
- 被害がまだ初期の段階で使用する
- 直接吹きかけられる場所に使用する
- 有効成分を見て即効性、持続性が優れているものを選ぶ
- できるだけ安全性の高い成分のものを選ぶ
- 薬剤は細心の注意を払って扱う
こちらの記事では、薬剤の種類や危険性について詳しく解説していますので参考にしてみてくださいね。
【シロアリ用市販のスプレー剤】おすすめ3選
僕がおすすめしたい市販のスプレー剤はこの3つです。
アース製薬 シロアリアース
引用:アース製薬
有効成分 | 即効性 | 持続性 | 駆除・予防 | 防腐 |
|
〇 | 〇(約1年) | 〇 | 〇 |
特殊パウダーが連鎖駆除効果を発揮し、巣にいるシロアリにも駆除の効果があります。
フマキラー シロアリジェットプロ
引用 :フマキラー
有効成分 | 即効性 | 持続性 | 駆除・予防 | 防腐 |
|
〇 | 〇(約1年) | 〇 | 〇 |
プロが使う優れた殺虫成分のトラロメトリンと、木材の隙間に浸透するエムペントリンがダブルで効果を発揮します。
ジェット噴射ノズルは約6mまで届き、飛んでいる羽アリも素早く駆除できます。
イカリ消毒 ムシクリン シロアリ床下用エアゾール
引用:イカリ消毒
有効成分 | 即効性 | 持続性 | 駆除・予防 |
|
〇 | 〇(約1年) | 〇 |
薬剤がマイクロ粒子状に強力噴射され、広い範囲へ瞬時に拡散。
また、防虫や消毒の専門のメーカーが作った殺虫剤であり、プロが愛用する有効成分で効果が期待できます。
この3つのスプレー剤は比較的安全性の高いピレスロイド系の有効成分で、即効性・持続性にとても優れています。
また、特殊パウダーの連鎖駆除効果やエムペントリンの遅く効く特徴は、ピレスロイド系の忌避性(害虫が嫌がって逃げていく)をカバーしています。
これにより、スプレー剤で死滅しなかったシロアリが逃げて行っても、薬剤の効果が他のシロアリや巣にも発揮されるので安心ですね。
ムシクリン シロアリ床下用エアゾールは、同じメーカーが出しているベイト剤タイプの薬剤があり、併用によって巣への駆除効果を得ることもできます。
こちらの記事は、スプレー剤を含めた市販の薬剤のランキングで、口コミもありますので参考にしてみてくださいね。
こちらの記事では薬剤の成分と選び方が紹介されていますよ。
スプレー剤でのシロアリ駆除はあくまでも応急処置
市販のスプレー剤の特徴を、わかりやすくメリット・デメリットでまとめてみました。
- 被害の初期であれば効果がある
- 被害の初期であれば本数も少なくてすみ、費用が抑えられる
- 備えておけばすぐに退治に使える
- 操作が簡単で初心者でも簡単に扱える
- 抜群の即効性
- 安全性の高い有効成分
- スプレー剤の届く範囲にしか効果がない
- 正しい位置にスプレーをすることは素人には難しい
- 被害が大きい場合には効果が得られない
- 被害が大きい場合駆除に使う本数も多くなり費用がかさむ
- 別の場所で被害がでる可能性がある
このように、市販のスプレー剤は即効性があり手軽で便利ですが、被害が進んでいる場合にはシロアリ駆除の効果はあまり期待できません。
市販のスプレー剤はシロアリの完全駆除ができるものとしてではなく、あくまでも被害の進行を少しでも遅らせるための応急処置だと考えてくださいね。
シロアリの完全な駆除はプロに頼もう
スプレー剤について解説してきましたが、僕はシロアリ駆除は業者に頼む方が安心だと考えています。
なぜなら、自宅で羽アリやシロアリを見つけたら、ほとんどの場合シロアリの被害をすでに受けているからです。
市販のスプレー剤で見えているシロアリをうまく退治できたとしても、被害がそこだけで済んでいるかどうかは素人では判断ができません。
また、スプレー剤で応急処置をしたことで安心して放置すると、気が付かないうちに別の場所で被害が大きくなる可能性があります。
スプレー剤を使用した後は、どこかに生き残っているシロアリがいないか必ず業者に点検してもらい、完全な駆除を行ってもらいましょう。
また、すでに被害が大きい場合や自分で判断ができない場合は、まず業者に相談してくださいね。
シロアリ駆除はプロに頼むのが安心です。
こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
【シロアリ用市販のスプレー剤】効果的な使用方法は?おすすめも紹介!まとめ
最後に、市販のスプレー剤の効果的な使い方をおさらいしてみましょう。
- シロアリ駆除は素人がむやみに行わない
- シロアリ被害の状況をよく確認する
- 被害がまだ初期の段階で使用する
- 直接吹きかけられる場所に使用する
- 有効成分を見て即効性、持続性が優れているものを選ぶ
- できるだけ安全性の高い成分のものを選ぶ
- 薬剤は細心の注意を払って扱う
このポイントを押さえておけば、自宅に羽アリやシロアリが出たときにスプレー剤の効果を最大限に活かすことができます。
そうすれば被害を拡げずに済む場合もあり、シロアリ被害であわててしまう気持ちを少しでも減らせるでしょう。
何度もお伝えしてきましたが、市販の殺虫剤でのシロアリ駆除で一番心配なのは、駆除しきれなかったシロアリによって被害がさらに拡大することです。
スプレー剤での駆除は応急処置であることを忘れず、使用した後は業者に点検をしてもらいましょう。
シロアリの駆除は無理をしないで、ぜひプロの力を借りてくださいね。
僕のおすすめの業者は「シロアリ110番」というところです。
シロアリ110番についての記事はこちらです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
シロアリを見つけた瞬間にすぐ退治できると少し安心よね。
スプレー剤ってけっこう効くんでしょ?