こんにちは、あつしです。
「シロアリは住宅をむしばむ恐ろしい虫」だと、皆さんなんとなくご存じのことでしょう。
生態系の維持から自然界では欠かせない存在である一方、家屋に浸入した途端に敵とみなされます。
シロアリ被害の本当の恐ろしさは実際に被害に遭った人にしかわからないかもしれません。
被害に遭ったことがある人もない人も、これからの将来は被害に遭わないためにシロアリの生態をきちんと知っておきましょう。
シロアリの生態を学ぶ前にシロアリ被害を知ろう
重要 ▼まずはこちらの投稿をご覧ください。
シロアリって怖いよね。 pic.twitter.com/MYv8y7Dxiy
— maintenance.YouTuber (@maintenance_You) November 22, 2019
引用:Twitter
はじめから脅すようでごめんなさい。。。
SNSからシロアリ被害の一例を取り上げました。
住宅の壁でしょうか柱でしょうか…もろく崩れてしまっています。
家は人生で最も大きな買い物。皆さんにとって大切な財産である家をシロアリ被害から守りましょう。
ではシロアリ被害はどのようにして起こるのでしょうか?
そもそもシロアリはどうやって生きているのでしょうか?
シロアリの生態・特徴をとことんお話します。
【シロアリの生態】種類と分布
全世界で2500種類、日本に生息するシロアリは約20種類です。
そのうち人家への被害が著しいのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類といわれています。
引用:ピコイ
上図にありますように、シロアリは国内においても種類によって生息範囲が異なります。
ヤマトシロアリは寒さに強いため北海道でも家屋への被害が確認され、広い範囲で生息しています。
イエシロアリは好適温度が高めなので南側の地域に生息しているのがわかります。
人でも暑がりや寒がりがあるようにシロアリにもそれぞれ好きな温度があり、一般的にシロアリが活発に活動できるのはだいたい20~30℃ということになります。
シロアリ冬の生態
シロアリの好む温度がわかりましたが、冬場は一体どうしているのでしょうか?
世の中の多くの生き物は冬の寒さにより活動が鈍くなり、冬を越すため冬眠します。
ではシロアリは冬眠するのでしょうか?
答えはNoです。
冬場は極端に動きが鈍いのはたしかですが、シロアリは冬眠しないのです。
日本の北から南の端の地域まで生息するヤマトシロアリは、3℃以下で過半数が仮死状態になるそうですがその一部は蘇生可能ともいわれています。
残念ながら外気温が低くてもシロアリがターゲットとする家屋内は3℃を超え、人が住みやすく作られている分シロアリも住みやすく、一年を通して適温であることからシロアリは年中活動を続けることができるのです。
つまり一年中被害を進行させていくことになります。
シロアリ羽アリの生態
シロアリには羽があるものとないものが存在します。
羽アリは単に羽のあるシロアリというわけではありません。
羽があることには理由があり、それは知っておくべき重要項目の一つです。
羽アリを家屋内で見かけたとき、それはシロアリ被害が進行しているサインかもしれないのです。
シロアリは巣の中の個体数が増えすぎると、その一部が羽アリとなり巣外に飛び立ちます。
飛び出した羽アリは雄と雌でつがいとなって新たな土地に巣をつくります。
つまり羽アリは新しい巣をつくるための次期女王アリ・王アリにあたり、生殖能力をもった階級のアリなのです。
そして見た目についてですが、シロアリの羽アリは白色ではありません。
ヤマトシロアリの羽アリは黒色、イエシロアリの羽アリは茶褐色をしています。白っぽくないので想像もつかないし、まさか黒っぽい羽アリがシロアリだとは思いませんよね。
羽は4枚すべてが同じ形・同じ大きさなのが特徴です。あわせて覚えておきましょう。
羽アリの発生時期はイエシロアリは6~7月、ヤマトシロアリは4月下旬~5月といわれ巣の個体数が増える時期と一致しています。
楽しいゴールデンウイークの時期が近づくと発生し始める羽アリ・・・。
そんなときにシロアリ被害を知ることになるとは思いもしませんよね。
羽アリを見かけて単なる虫だとぼやっとしていてはいけませんね。
シロアリ被害の初期症状を知りたい方はこちらをご覧ください。
シロアリの生態 食性からわかること
皆さんご存じの通り、シロアリの主食は木です。特に柔らかかったり湿った木材が大好きです。
それゆえに木造の家屋に住みつき、木材を食い荒らします。
森の中では枯れ木や落葉を食べてくれる、生態系には無くてはならない重要な生物です。
シロアリは木に含まれるセルロースを消化し栄養源にすることができるためです。
腸内にセルロースを分解できる微生物を住まわせて栄養を採取しているのです。
そして防虫効果のあるヒノキのような香りの強い木は食べないと思われがちですが、被害に遭わないわけではありません。
なぜなら、シロアリは餌を探すためにはどんなものでも食い荒らし前へ進んでいくのです。
昆虫の中でも子孫を残すための執念が特に強いシロアリ。
コンクリートや煉瓦、ダンボールや発泡スチロール、プラスチックやゴム類、電気ケーブルまでも餌にしてしまうことがあります。
地下の金属管を傷つけていたなんていう話もあるほどです。
シロアリは木でなくてもなんでも食い破ります。
好物の木が見つからないときには餌を求め、障害物の先にある木のにおいを嗅ぎ分けて掘り進め蟻道をつくっていきます。
ときには手段を選ばず、沿わすものがなくても地面から少しずつ積み上げていって上へ上へと空中蟻道をつくることさえできます。
蟻道とは、シロアリが土や粘液、排泄物などによって作り出すトンネルのことです。
乾燥と光が嫌いなシロアリが地中から餌までたどり着くために一生懸命作ります。
あれ?
乾燥と光が嫌い?
光のないジメジメしたところを好むって、なにかに似てない?
そうです。
皆が嫌うあの害虫・・・、ゴキブリに似ています。
シロアリは大きさも見た目もアリに似ていますがアリではなく、ゴキブリの仲間なのです!
衝撃の事実ですよね。。。
シロアリは昆虫網ゴキブリ目・シロアリ科に分類されます。
アリ(黒アリ)はハチ目・スズメバチ上科・アリ科なので、シロアリと黒アリは仲間ではありません。
ちなみにシロアリは黒アリに食べられてしまうこともあるんです。シロアリは草食であるのに対し、ハチの仲間である黒アリは肉食なのです。
シロアリと黒アリの違いを詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
シロアリの生態 どんな巣をつくる?
シロアリは土の中や建物の地下に土や木くずで固めた巣をつくります。
シロアリ被害の80~90%を占めるというヤマトシロアリは一般的に、数千~数万匹規模の比較的小さな巣(コロニー)をつくる傾向があります。
もっといえば数十匹単位でもコロニーを形成することができます。日本で生息数が最も多いわりには意外とこぢんまりしています。
ヤマトシロアリは水を運ぶ能力が低いため乾燥した木材をあまり好みません。
湿気のある床下を好んで巣をつくり始め、結果として家屋の被害部分が巣全体となっていることが多いです。
小さな巣といっても、結露や湿気の多い建物では床下から天井まで被害が及ぶこともあるので注意が必要なんです。
次はイエシロアリについてですが、イエシロアリの巣には数百万匹もの個体がいるといわれています。
土の中に塊のような本巣を作り、蟻道を家屋の木材に伸ばして枝分かれさせた分巣を作ります。
本巣は大きければ1m以上、分巣を含めたコロニー全体で最大半径100mに達することもあるようです。
イエシロアリによる被害の大きさは、世界のシロアリの中でも最大級といわれています。
イエシロアリは水を運ぶ能力があるので湿気がある場所以外にも進出することが多いんです。
分巣だけの駆除だけではダメで、大元となる本巣を駆除しなければ完全駆除とはいえません。
本巣が残っていると再びそこから分巣を作っていくからです。
巣の特徴を知ると、素人が市販の殺虫剤を使用したところで手に負えないだろうということがわかりますね。
シロアリの生態 卵はどんな?
シロアリは地球上で最も数の多い昆虫と言われています。
年中活動を続けるシロアリの産卵は一年を通して毎日おこなわれているんです。
代表格とされるヤマトシロアリの卵は0.4~0.6mmほどのカプセル状の形をしていて、色は白っぽくやや透き通っています。
卵の形状は種類によってさまざまですが、1cmに満たないくらいの大きさで色も乳白色であることが多いようです。
10~15年生き続けるシロアリの女王は1日に数十個から数百個もの卵を毎日毎日産み続けます。
その卵は働きアリによって卵の保管室へ運ばれ、世話係のシロアリが日々卵の手入れをしています。そして1か月程度で孵化します。
このように卵は巣の中で大切に保管されるため、家の中や庭を一面見渡してみても卵を目にすることはほとんどありません。
しかしこの膨大な数の卵が順番に孵化し、いずれ成虫になると思うと卵を放置することが取り返しのつかない事態になってしまうことを想像するのはたやすいですね。
シロアリの駆除は巣の端から端まで、シロアリの成虫・幼虫、そして卵も駆除対象となります。
シロアリを見つけたらどうする?生態から考える
シロアリを見つけたからといって、安易に殺虫剤は使わないでください。
虫が現れたら殺虫剤でやっつけたくなるのはわかりますが、シロアリの場合はかえって良くない方向へいくことになります。
目の前のシロアリを退治することができても、巣にいる別のシロアリが警戒して四方八方へと散らばってしまう危険性があるのです。
そうなるとシロアリ被害を拡げてしまうかもしれません。
シロアリはとても用心深い虫なのです。
殺虫剤は使わず、掃除機で吸ってしまうのが手っ取り早い対処法です。掃除機で吸えば1日くらい経てば中で死んでしまうので、その後掃除機内の掃除をすれば問題ありません。
しかしシロアリを見つけた時点ですでにシロアリ被害が進んでいる場合もあります。
早急に専門業者に連絡・相談しましょう。
プロの手にかかると駆除はもちろんのこと、今後の予防までしてくれますよ。
シロアリの生態 さいごに
知っているようで知らないシロアリの生態。
今回、シロアリ駆除の難しさがお分かりいただけたと思います。
それでもご自分で駆除を試みる方もおられるかと思いますが、少しでも不安が残る場合は迷わずプロにお任せしましょう。
専門業者に任せれば安全・安心につながります。
手遅れになってしまう前に早めの行動を心掛けましょう。
シロアリ110番の評判に関する情報はこちらをどうぞ。
最後までお読みいただきありがとうございました。