「防音効果」「ふみ心地のよさ」などの、メリットもたくさんありますが、絨毯(じゅうたん)、カーペットからフローリングへのリフォームを検討される方って、実はけっこう多いんです。
シミや汚れが目立ってきたな。
家具の跡や日焼けがひどいな。
なんだか、古くさいな。
ちょっとモヤモヤしているアナタへ!思い切ってDIYしませんか?
木のぬくもりはあるけれど、やっぱり暖をとるには絨毯やラグが必要だね。
絨毯には空気中に舞うホコリを吸い取って、キレイに保つ効果もあるんだよ。
実証実験では、室内にカーペットとフローリングを敷き、歩行を想定(軽量床衝撃音発生器で床を叩く)してハウスダストの舞い上がり量を調べました。結果、カーペットでの舞い上がり量はフローリングの10分の1(フローリングで約5万個/立方メートルに対し、カーペットは約5千個/立方メートル。床上140㎝の場合)というものでした。引用:PRWire
しかしこれも、定期的な掃除などのメンテナンスあってのこと。
敷きこまれている絨毯・カーペットは掃除が行き届かず、ホコリや汚れがたまりがちです。
気になり始めたようであれば、これからご紹介するDIYでも出来るフローリングへの貼り替えをぜひご検討ください!
■目次
やってみよう!絨毯貼り替えのDIY!
「絨毯とは……」
床に敷く織物のことで、一般的にはカーペットと同じもの。
敷物全般をカーペットと言い、絨毯は織り方で区別することもあります。
今回は分かりやすく「絨毯=カーペット」として、そのリフォーム方法をお伝えしますね。
DIYだからこその価格!
DIYはやっぱりコストダウンが大きな魅力。
実際、どれくらいの費用差があるのでしょうか?
1/2以下の価格でできてしまいそうですね!
とは言え、必要な工具代や廃材処理、慣れない作業で失敗した際のやり直しにかかる費用も、あらかじめプラスして考えておかなくてはいけません。
それでも、自分でリフォームしたお部屋への愛はプライスレス!!
ポイントを押さえてご案内しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
絨毯からフローリングへのリフォームの手順
絨毯からフローリングへのDIYは、次の3ステップで行います。
- 敷きこまれている既存の絨毯をはがす
- 下地材を整える
- 新しいフローリング材を貼る
では続いて、工程ごとに細かくご説明していきます!
床材工事のDIYは刃物や大きな工具を使用したり、危険なこともたくさんあります。
くれぐれも安全に注意して、作業に取り掛かってください。
ステップ1 もとの絨毯をはがす
まずは、既存の絨毯を取り外すことから始めましょう。
絨毯の仕上げ工法3種類
絨毯をはがすときは「どのような工法で絨毯が貼られていたのか」がポイントです。
おもに3種類の工法があるので、もとの床仕上げがどれにあたるのかを確認してみてください。
■直貼り(じかばり)工法
絨毯に接着剤をつけて、直接床面に貼りこんでいく工法。
接着剤の度合いにより後からはがせないなどの問題が発生することがありますが、表面が平らで耐久性の高い仕上げ方です。
■モノボンド工法
モノスラブ(厚さ約5㎜のフェルト)を下地床と絨毯の間に敷き、モノボンド接着剤でそれぞれを固定する工法。
直貼りと同様にしわのない仕上がりと耐久性が魅力ですが、はがしにくさの問題があります。
■グリッパー工法(フェルトグリッパー工法)
グリッパーと呼ばれる固定金具を部屋の壁ぎわに固定し、絨毯のウラをピンに引っ掛けて施工する方法。
衝撃吸収性・断熱性・防音性に優れた工法で、貼り替えが容易にできるのが特徴です。
部屋の隅をさわり「硬い枠材のようなものがあるかどうか」で判断します。
<グリッパー工法で貼られた絨毯下の様子>
<グリッパー>
直貼り工法・モノボンド工法は接着剤の処理が大変です。
貼り替えをリフォーム業者に依頼したほうがよいでしょう。
残念ながら、絨毯をはがすだけの工事は、請け負ってくれないリフォーム業者さんが多いんだ……。
家事代行サービスなども念頭に、問い合わせてみてくださいね。
グリッパー工法の絨毯のはがし方
最近の戸建て住宅やマンションでは、グリッパー工法で貼られていることが多いようです。
そこで今回はこの「グリッパー工法の絨毯のはがし方」をお伝えします。
- 部屋のすみや出入り口付近のはがしやすい場所から始めます
- 絨毯の下にマイナスドライバーなどを差し込みゆっくりとはがします
- グリッパーとクッション材であるフェルトを取りのぞきます
クッション材の接着剤がはがしにくいときは、スクレーパー(※)などの道具を利用し、付着したものを取りのぞくとキレイになります。
グリッパーを外すとき、木の破片やクギが飛んでくることもあります。
厚手の軍手やグローブをして、ケガのないように慎重に作業してください。
※ スクレーパー
スクレイパーとも言い、付着しているものを削ったりそぎ落とすためのへら状の道具のこと。
はがしたカーペットの廃棄処理
ようやくはがせたカーペットですが、DIYでは廃棄処理も自分でしなければなりません。
大きくて重さもあるカーペットは「粗大ごみ」の扱いになるので、自治体の規定に沿って処分してください。
粗大ごみとしての処分が難しい場合は、専門の廃棄処理業者に依頼してください。
ステップ2 下地を整える
カーペットを取りのぞき、きれいに掃除をしたあとは床の下地材をきっちりと調整します。
「床の下地材」とは、フローリングなどの仕上げ材を設置するための部材のことで、断熱性・透湿性・遮音性などの機能を高めると同時に、床の高さをそろえる役割があります。
この作業をしっかりすることが、仕上げの出来に関わりますので気合を入れていきましょう!
下地材の種類
床材のリフォームで使用される下地材はおもに、コンパネとベニヤ合板の2種類です。
まずは、その違いからご説明します。
■コンパネ = コンクリートパネル
〈参考価格 900㎜×1800㎜×12㎜ ¥2,000~〉
コンクリート打設の型枠につかわれる厚さ12㎜の耐水合板のこと。
表面が荒く仕上げ材には不向きですが、安価で下地材としてよく使われています。
■ベニヤ合板
〈参考価格 910㎜×1820㎜×12㎜ ¥2,800~〉
木をカツラむきにして切り出した1枚の板をベニヤ板と言います。
ベニヤ合板はベニヤ板を貼り合わせてつくられた材料で「用途の定まっていない普通合板」と「住宅構造用の構造用合板」があります。
強度・等級・ホルムアルデヒドの規定などがJAS規格で定められており、コンパネにくらべるとコストはかかりますが、質のよい材料です。
下地材の貼り方
では、下地材を貼っていきましょう。
- 部屋の大きさに合わせて下地材をカットする
- 部屋のスミから仮置きしサイズを調整する
- 下地材を固定するためのビス穴をあけビスで固定する
固定が終わったら、足で踏むなどして仕上がりを確認し、浮いた感じがあれば再度ビスでとめてください。
この段階の仕上げ次第で、フローリング材を貼った後の床鳴りやガタつきがなくなりますので、めんどうでも丁寧な処理が大切です。
床下地のもととなる建築構造体の傷みなど、DIYでは解決できない問題もあります
シロアリの発生などは、専門業者に助けを求めることも必要です。
ステップ3 新しい床材を貼る
さあ、 最後のステップです。
ここまで地味な作業をくりかえして、やっとたどり着いた最終工程。
もうひとふんばりで、ステキなフローリングのお部屋に生まれ変わりますよ!
フローリング材を貼る
引用:YOUTUBE
- フローリングを貼る方向を決める
- 部屋の大きさにあわせて材料を必要な長さに切る
- 仮置きし問題の確認と調整をする
- フローリング材の裏にボンドを塗り下地材の上に貼っていく
- 隙間ができないようにあて木をして、金づちで横からたたく
- 斜めにフロア釘(※)を打ち込んで固定する
※フロア釘
フローリング材に打つためのスクリュー加工がしてあり、抜けにくい釘です。
動画では既存のフローリング材の上に貼る「重ね貼り工法」をおこなっていますが、コンパネや合板の上にはる「捨て貼り工法」でも同じような手順で進められます。
フローリング材選びも楽しんで
仕上げのフローリング材を選ぶのも、楽しいひととき。
お部屋の雰囲気をイメージしながら、お気に入りの素材を探しましょう。
床材を選ぶときは、部屋全体の施工例写真などを見ることが大事!
光のあたり方や木目の印象、色味のばらつきなど、単体のサンプルだけでは分からない表情を確認することで、より具体的に部屋の印象を見極めることができます。
よろしければこちらの記事を参考に、フローリング材をじっくり選んでみてくださいね!
フローリング貼り替えDIYに必要な工具
ここでフローリングの貼り替えDIYで、絶大な力を発揮する道具をご紹介しますね!
- 必須道具 9アイテム
- あると便利な道具 4アイテム
DIYをするにあたり、材料費のほかにもご紹介するような工具の費用もあらかじめ予算に入れて考えておくと安心です。
工具はこだわり始めると、値段はキリなくあがるいっぽう!
でも、ついつい色々ほしくなっちゃうんだよね。
参考価格はあくまで必要最低限の目安です。
こだわり派の読者様は、ホームセンターなどでとびきりの一品を探してみてくださいね。
はい、はーい!
ねぇ、あっくん、スミツボってなぁに?
タコツボみたいなものかしら?
でも、DIYの何に使うの……???
(タコツボって……)
たしかに専門の道具は、聞きなれない名前のものもあるよね。
母さんほどではありませんが、名前だけではパッと思い浮かばない道具がありますね。
いくつか簡単にご紹介します。
※ポンチ
加工するものに穴をあける位置のマーキング(しるし付け)をするための道具のこと。
※ サシガネ(カネジャク・マガリガネとも言う)
ステンレスなどの金属製L型の測定器のこと。
※ 墨ツボ(すみつぼ)
木材の表面に墨で直線を引くための道具のこと。
専門の工具は見ているだけでも、ワクワクしますね。
ここでは基本的なものをご紹介しましたが、作業の助けになる道具はまだまだあります。
実際にリフォームを始めてからも、「かゆい所に手が届く道具」をぜひ見つけてくださいね!
リフォーム業者におねがい!もアリです
「想像より大変そうだなぁ」
なんて、すこし弱気になってしまわれた読者様もいらっしゃるかもしれないですね。
自分たちだけでのチャレンジにためらいがあるなら、一度リフォーム業者への依頼も検討してみてください。
リフォーム一括見積サービスとは?
と言っても、どこにどう問い合わせたらよいのか。
インターネットで調べてみても、安心できる業者かどうかも心配ですよね。
そんなときに頼りになるのが、複数のリフォーム業者へ見積依頼がまとめてできる、安心便利な「一括見積サービス」です。
一括見積サービスについてはこちらにまとめていますので、ぜひご参照ください!
Buy It Yourself(BIY)
道具や材料をそろえたものの、やっぱり難しくて……と、途方に暮れてしまっても大丈夫。
BIY=Buy It Yourself
という言葉をご存知でしょうか?
いわゆる「施主支給」と言われるもので、自分たちで材料を用意して、施工(取付設置工事など)は専門の業者にお願いすることを指します。
DIY=Do It Yourself に比べると、なじみのない言葉ですよね。
インターネットなどで、施主自身が資材を手に入れやすくなったこともあり、これからはBIYの時代になるとも言われているんです。
材工一式見積(材料費+工事費)の不透明さをクリアにするために、「材料原価の公開」を始めるリフォーム業者も出てきました。
施工業者にとっては煩わしいことも多いため、よい顔をされないこともまだまだありますが、その対応姿勢も信頼度をはかる指標になりますね。
快適でステキな暮らしのために、まずは相談することから始めてください。
せっかくそろえた工具は、簡単なDIYからまたチャレンジして活用してくださいね!
絨毯からフローリングへ ! たのしくDIYのまとめ
絨毯からフローリングへの貼り替えDIY方法。
- STEP1 絨毯をはがす
- STEP2 下地材を設置・調整する
- STEP3 フローリング材を貼る
- DIYに大事な工具のご紹介
- プロへの依頼も考える
以上、5つのポイントでお伝えしてきました。
いかがですか ?
「よーし、さっそく工具をそろえてチャレンジするぞ!」
と、やる気いっぱいになっていただけましたでしょうか?
どことなくモヤモヤした気持ちになっていた絨毯のお部屋。
リフォームで取りはらっても、絨毯が部屋のホコリを吸着したり、インテリアを彩る魅力的なアイテムであることにはかわりません。
きれいになったフローリングの上に敷いて、これからも上手に利用してみてくださいね!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
無垢フローリングにリフォームして、とっても気持ちがいいのだけど……
寒くなってくると、絨毯がほしくなるわね。