リフォームするなら、うつくしさと心地よい肌ざわりが魅力の「無垢材フローリング」にしてみたいという憧れ、ありますよね !
でも「無垢フローリングは高い!」というイメージがあります。
ほんとのところはどうなのでしょうか ?
- これって、高いの ? 安いの ?
- この価格差はどうして ?
- この費用でどこまでやってくれるの ?
- どんな木の種類でも同じなの ?
今日はそんな疑問をすこしでも解決できるように、分かりやすく解説したいと思います。
母さんも無垢材のフローリングが憧れだったの !
でも、思っていた以上にコストがあがってしまって……。
そうだったね!
見積価格をみて、ふたりとも目が飛び出しそうだった !
でも、最終的には無垢フローリングの夢をかなえることができたんだよね。
一度はあきらめていたけれど、あっくんがしっかり調べてくれたおかげ。
ほんとうに嬉しくて、ときおり床にほおずりしちゃうのよ。
ほ、ほどほどにね……
とにかく喜んでもらえて、うれしいよ !
床材に限らず、情報をきちんと整理して調べることはとっても大事。
ひとつひとつポイントをおさえていきましょう !
■目次
無垢フローリングってなに?
フローリングと言っても、実は種類があることをご存知でしょうか?
無垢材・集成材・突板でできているもの。
単層(無垢)フローリングと積層フローリングなどがあるんです。
まずそれぞれがどんなものなのか、ご紹介しましょう。
無垢材とその他の木材
■無垢材・集成材
無垢材とは、「木そのものを製材・加工」したもの。
集成材は細い無垢材を貼り合わせたもので「無垢材」にふくまれます。
■突板
木を薄くスライスして、ベニヤ板やMDFボードなどに貼り合わせたもの。
単層(無垢)フローリングと積層フローリングのちがい
■単層フローリング(無垢フローリング)
天然の木からとれる一枚の板そのものでつくられる床材です。
踏みごたえとぬくもりのある肌ざわり、香りのよさに調湿効果まである魅力的な材料ですが、積層フローリングにくらべるとコストが高くなり、メンテナンスにも注意が必要です。
■積層フローリング
薄くスライスした木材を、基材の上に貼り合わせて作られる床材です。
表面材は、薄い突板(つき)から厚みのある挽板(ひきいた)、プリント化粧合板など様々な種類があり、メンテナンス性や強度にすぐれた素材もあります。
フローリングの貼替えリフォームにかかる費用は?
材工一式で不明瞭な工事費
さて、フローリングの種類の違いがわかると気になるのは「で、おいくらなの !?」ですよね。
フローリング貼り替えのリフォーム工事費用を調べてみると「材工一式」の相場表示が多く、混乱してしまいがちです。
リフォーム業者さんは「材工一式」で提示することで、価格増減をコントロールしやすい側面があるのが理由のひとつです。
「材工」とは「材料費」と「工事費」のこと。
それぞれの内容や選び方による費用変動は、別々に考えてみるとわかりやすくなりますので、次の項から「工事費」と「材料費」を細かくお伝えしたいと思います !
フローリング貼り替えの「工事費」とは?
ではまずは、工事費からみていきましょう !
6畳(約10㎡)のフローリング貼り替え工事費
フローリングの貼替工事費の、基準となるのは「元の床の仕様」です。
代表的な「既存の床材」からの貼替工事費を、下の一覧にまとめてみました。
一覧の価格には次の3つが含まれていますので、コスト増減のポイントを押さえましょう。
(1) 人件費
費用相場 ¥30,000 / 6畳
工事をしてくれる人の「人工賃(にんくちん)」を指します。
工事の規模や期間によって、増減が発生します。
(2) 廃材処分費
費用相場 ¥20,000~¥50,000 / 6畳
既存の廃材を処分する費用
既存の床材の上に新しいものを貼る「重ね貼り」の場合は、この費用をマイナスできます。
(3) 下地調整補修費
費用相場 ¥30,000~¥50,000 / 6畳
既存の床材を取り除いたあとに、傷んだ箇所を直したり、場合によっては下地材を取り換える必要もあります。
和室(畳)からのリフォームは和室造作部材などの撤去・補修があるため、もともとのコストが相場より高くなっています。
傷み具合や遮音条件などの違いで、相場価格よりも高くなることもあるため注意が必要です。
現地調査と複数見積り
工事内容により、同じ面積でも工事費に差が生じる理由をご理解いただけたかと思います。
特に下地調整・補修は、見てみなければ分からないけれど生活をしていく上で大切な基盤。
かならず複数業者のプロに「現地調査」と「見積」を依頼して、比較検討してくださいね。
「複数の優良リフォーム業者をプロの目線で厳しく審査し、無料で紹介してくれるサービス」については、「【費用削減】一括見積サービスとは?」をご参考になさってください!
無垢フローリングの材料費はどれくらい?
続いて、「材料費」をみてみましょう。
メーカー別価格 人気樹種 価格一覧
無垢材フローリング取り扱いメーカーの中から「幅90mm・厚み12mm・オイル塗装」の3つの条件で価格を比べてみました。
- 「メーカー定価の違い(横軸)」では、大きな差はありませんね。
- 「無垢材フローリング」と「突板の積層フローリング」では2倍以上の価格差があります。
- 「樹種の違い」については、次の項で詳しく見ていきましょう。
樹種のちがいの特徴とフローリング材の費用
今度はフローリング材として代表的な樹種をご紹介いたします !
■ウォールナット
費用相場:¥20,000/㎡前後
価格 高い / 強度 ふつう
チーク・マホガニーとならぶ世界三大銘木のひとつで、しっとりと落ち着いた木目と黒と茶のマーブルの色調で人気の高い木材です。
■チェリー
費用相場:¥17,000/㎡前後
価格 やや高い / 強度 やや強い
使うほどに色と艶が深まる高級家具に使用されてきた材料。
■メープル
費用相場:¥17,000/㎡前後
価格 やや高い / 強度 強い
堅く重量があり衝撃に強く床材に向いた、きめ細く美しい木肌とキャラクターのある節などが特徴の木材。
■オーク
費用相場:¥17,000前後 /㎡前後
価格 やや高い / 強度 つよい
木目のはっきりした堅い材料で樽材としても利用される。
■チーク
費用相場:¥18,000前後 /㎡前後
価格 高い / 強度 ふつう
こちらも世界三大銘木のひとつで「木の王様」とも呼ばれる最高級木材で、安定性もよく腐食やシロアリの被害にも強いという特徴があります。
■パイン
費用相場:¥5,000前後 /㎡前後
価格 安い / 強度 やや弱い
比較的安価で、カントリー調に合いそうな節目が特徴。
■ヒノキ
費用相場:¥8,000前後 /㎡前後
価格 お手頃 / 強度 やや弱い
傷はつきやすいですが殺菌・防虫作用があり、湿気や腐食に強く耐久性が高く、反りやねじれなどの狂いが少ない材料。
同じ樹種でも値段がかわることがあります
前項で「樹種の違いによる価格」も見て頂きましたが、同じ樹種でもフローリング材の価格がかわることがあります。
パターンごとにご案内いたしますね。
■幅が広い
フローリング材の幅は90mmのものが多いのですが、より幅広の120~150mmタイプは価格が上がります。
幅90 ¥14,000/㎡ → 幅120 ¥18,500/㎡ ¥4,500 UP ↑↑
■塗装の仕様が異なる
オイル塗装、ウレタン塗装、無塗装などの仕上げの違いでも、価格が変わります。
無塗装 ¥15,000/㎡ → 自然OIL ¥16,000/㎡ ¥1,000 UP ↑↑
■加工が施されている
手斧(ちょうな)で削った「ナグリ」仕上げなどの、見た目にひと手間かける加工が施されている場合も価格が上がります。
▼手斧仕上げ
▼スプーンカット仕上げ
幅90 厚12 ¥13,000/㎡ → 幅150 厚18 スプーンカット仕上 ¥36,000/㎡
価格の見極め
ここでご紹介した材料費の相場は、あくまで「メーカー定価」です。
リフォーム会社で「材工一式」の依頼をすると、材料費が定価相場よりさがります。
これは「 卸値 + リフォーム会社の利益 = 材料費」となるからですね。
「工事のみ」を請け負ってくれる会社があれば、インターネット等でお値打ちに購入した材料で工事をしてもらうことも、コストダウンのひとつの手です。
ただしその場合、先ほどご紹介した「工事費相場」よりも割高になる可能性がありますので、ご注意ください。
わたしたちのフローリングリフォームは、まとめてお願いしたのよね !
そう、一括でお願いしてキャンペーン価格にしてもらえたんだよね。
まとめて依頼することで、「工事費」もすこし値引いてもらえたね。
おかげでもともとリビングダイニングのみの予定だったのが……
なんと !1階すべて無垢フローリングに ! !
まあ、あっくん !どんな魔法を使ったの !?
……魔法は使っていませんが、このように「材工一式」で依頼するからこそ、値引きの交渉ができるというメリットもありますので、しっかり比較検討してみてくださいね!
ほかに必要な費用ってあるの?
ここまで「工事費」と「材料費」についてご説明いたしました。
でも、それ以外にもかかる可能性のある費用があるのです。
初期見積で提示されないことも多いため、あとから「どうしよう !?」 とならないよう、どんな追加費用が起こり得るのかみておきましょう。
大型家具の移動
リフォーム工事をしている期間中、その部屋で利用しているソファや食器棚などの大きな家具を移動させなければいけません。
自分たちで動かすことが出来ればよいのですが、壁を傷つけてしまう可能性もありますので、プロにお任せすることも検討しましょう。
¥20,000 ~ ¥50,000
リフォーム会社で請け負ってもらえることもありますが、引越業者や配送業者で「家具移動」を対応してくれますので、ぜひ比較検討してみてください。
造作部材の材料費・工事費
フローリング貼替えの材料費は主に「床材」を示しますが、場所によっては「上がり框」や、壁と床の見切り材である「巾木」などの造作部材も新しくかえる必要があります。
そのような造作部材の材料・工事費の増額も、見込んでおいた方がよいでしょう。
▼玄関の上り框(あがりがまち)
▼巾木(はばき)
床材と同じ無垢材で作ることも可能ですが、どうしても高価なもの。
素材感が目立ちにくい巾木を突板やシート貼りにして、コストダウンするのもオススメです。
メンテナンスにかかる費用
無垢フローリングは定期的な日常のお手入れのほか、ワックスがけ・オイルの再塗装などの、メンテナンスが必要です。
なにが必要かは、材料・塗装仕様・使用状況により異なりますが、リフォーム完了後にかかる費用もあらかじめ把握し、自分たちで適切なお手入れを続け、よいものを長く利用することもコストパフォーマンスを上げる一つの要素。
自然についてしまう傷も、年月とともに深い味わいにかわるのが「無垢フローリングの魅力」
適切なお手入れでこれからもずっと美しく、ここちよいお部屋で過ごしましょう!
まとめ
いかがでしたか ?
次の3つのポイントをこまかくご説明してきました。
- 「材工一式」で不明瞭になっている費用を分解して考える
- 費用差異の生じるポイントを押さえる
工事費:人工賃・廃材処分費・下地調整費の費用をみてみる
材料費:樹種の違い・幅の違い・塗装の違い・加工の有無を検討する
- 追加で発生しそうな金額を認識しておく
「あいまいな見積内容」をはっきりさせてコストを抑えて、憧れの無垢フローリング張り替えリフォームを実現させてくださいね。
読者のみなさまのリフォームが、ステキなものになりますように !
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
6畳(約10㎡) 無垢材フローリングの貼替え ¥100,000 ~ ¥250,000