以前、リフォームの騒音について調べた時に思ったことがあります。
リフォームする側の施主さんは、より快適でおしゃれで機能的な、住み心地のいい家に生まれ変わることを楽しみにしていると思います。
お金と時間と手間をかけるのですから、当然ですよね。
ですが大事なことに気づいていない方も残念ながら多数いらっしゃいます。
大事なこと。それは、
「リフォーム工事はご近所の方にご迷惑をおかけする前提で成り立っている」
ことです。
ここでは「リフォームの時、ご近所がどのような不満を抱くのか。施主としてリフォームの前に何を気遣い、何をすべきか。」をご紹介します。
住み心地の良くなった家で、ご近所とも気持ちのいい関係を築きながら素敵な生活を送りたいものですね。
■目次
リフォームで朝から工事、ご迷惑おかけします その1 施主が知るべきご近所の不満
リフォームの際、実際にご近所はどんな不満を持っているのでしょうか?
前もってのあいさつがない
あいさつに行かないとご近所の方は、突然の騒音に驚くことになります。
そして工事によっては、大音量の騒音の中で生活することになるのです。
問題なのは『いつまでこの状態が続くのかがわからない』ことです。
朝早い時間から工事が始まる。週末まで工事をしている。
リフォーム工事は一般的に8:00~18:00が一般的なようです。
とはいっても、朝8:00は朝早い感覚があり、週末はゆっくりしたい方もいますよね。夜勤の方はその時間が睡眠時間です。
どうにかならないのか!違法じゃないの?と考える方もいらっしゃると思います。
実は特定の作業に関しては国が定めた騒音規制法があるよ。リフォームだと解体、外壁工事・内壁の壁の解体、カーポートのコンクリート工事なんかがこの対象になるんだ。
特定の建設作業などにおいて騒音の規制を設け、環境を守り国民の安心できる生活を保護する目的で作られた法律。
都道府県知事によって指定地域が設けられ、騒音規制が敷かれています。業者がこれを守らない場合市区長が改善勧告や命令をすることができます。
指定地域での特定建設作業 東京都環境局の時間規定
(*1)道路交通法に規定する交通規制が行われている場合のコンクリートミキサーを使用するコンクリートの搬入作業。
結論として言うと、朝8:00から、土曜日の作業は違法ではなくて適正なのね。
ほかの道府県もほぼ同じ基準だよ。特別指定以外の作業は、例えば裁判だとご近所にとって受け入れられる限度か、が基準になるようだね
音がうるさすぎる。何とかならないのか
前もってわかってても、壁をはがしたりする時の音ってすっごくおっきいわよね。工事現場のそばを通ると思わず体がすくむもの。
確かにびっくりするよね。音の大きさに関しても騒音規制法では80~85dbまでとされているんだ。
ちなみに日常生活に支障がない大きさは40~50dbくらい。でも人によって音の大きさのとらえ方が違うから難しいね
聞こえ方の基準
えっ!・・・じゃあ、リフォームの時、ご近所さんは家の中でずっと道路の真ん中にいるような音の中で生活してるの?
私のリフォームの時は大丈夫だったかしら・・・?
業者の車両が邪魔なところに停めてある。
住宅密集地など道路の状況によって仕方ないこともありますが、道路をふさいでいると住民の通行にも支障が出てきます。
車の出し入れができにくくなって困ることが多々あります。
リフォームの朝から工事、ご迷惑おかけします その2 施主がするべきご近所への気遣い
リフォーム工事はいくつも仕方ない事情で隣近所にご迷惑をおかけするものです。
だからこそ気遣いは必須です。
じゃあ、具体的にリフォームする時はどんな配慮をしていけばいいのかしら?
隣近所へのあいさつは必須です。
少なくとも工事1週間前にはあいさつに行っておきましょう。
ご近所の方が急な工事の音にビックリしないよう、あいさつには必ず行きましょう。
業者の方と一緒に伺うほうがベストです。
工事の詳細を説明してもらえます。
だからといって業者に任せきりにしないでおきましょう。
本人があいさつに来ないことを非常識とされる方もいます。
どうしても一緒にいけない場合は業者の方とは別日に回りましょう。
この部分をお知らせできれば、ご近所の方も心づもりや外出の予定などを組みことができます。
・どこのお宅で工事をするのか
・工事期間
・一日の工事時間
・リフォームのざっくりした内容・休日はいつなのか
・日曜日にも細かい作業をする可能性があること
・においが出る日にちの予定(特にマンションの場合)
●あいさつに伺う範囲
戸建ての場合 向かい3軒両隣+後ろ3軒の計8軒。密接した隣家が多い場合は、工事車両や人の出入りが迷惑をかける範囲に挨拶をしましょう。
マンションの場合・・・左右上下斜めの計8軒。さらに管理組合に申請を出し、マンションの規則に則り必要な手続きをし、全体掲示もします。
●お渡しするもの
・手土産(500~1000円くらいの日用品) 業者で用意されることも多いです。
かつて近所の方から手土産をいただいている場合などはできればこちらも別でお返ししましょう。
・あいさつ文 ご家族にも書面でお知らせするためのものです。
業者に「ご近所さんに迷惑かけないために」とお願いしましょう。
内容は口頭で伝えた内容+連絡先(会社名・担当者名と電話番号など)を記載しましょう
リフォームのあいさつについて、こちらの記事に詳しく紹介しています。
業者に配慮をお願いする
これは大事です。
特に解体を伴う大きな音を出す工事の場合、業者もご近所に影響があることをいちいち気にしてはいられないのが実情です。
ですが、クレームも言わずひたすら耐え忍んでいる方もいます。夜勤で朝から昼間が睡眠時間の方もいます。
様々な方がいるということを考えてできる範囲のことをお願いしましょう。
●大きな音を不用意に出さないよう意識する。
リフォーム工事では音を出さないなど不可能です。
ですが、気を配ることはできるはずです。
特にマンションはかなりの範囲に音が響きます。
工具をそっと置く
話し声や足音に気を付ける
ラジオの音量に気を配る
外構工事であればなるべく隣家から離れた場所で作業する
これだけでリフォームされている方や業者に対する印象はかなり違うわよね
●18:00~8:00の時間帯には準備や後片付けがあっても音を出さない。
一般的にリフォーム工事は規制に従い、ご近所のことを考えて8:00~18:00までとされる業者が多いです。
しかし実際は8:00前に作業員が集まるためその物音が気になる方もいます。
朝7:00など早朝からの施工は控えるように、業者にはくれぐれもお願いしてください。
●車両の置き場所に気を付けてもらう
先に書いた通り、住宅密集地などは致し方ない部分はあります。
スペースがなく仕方なく止めていることもよくあるのです。
できれば、リフォームを依頼する側が駐車スペースを用意できれば最適ですね。
ここは難しいところだね。
「なるべく邪魔にならないように」という感じで業者にお願いしましょう。
●クレームがあった場合はこちらにも知らせてもらう
ご近所さんは不満があってクレームを言ったとしても、直接施主ではなく作業員・もしくは店に意見を言ってくることがあります。
・直接言うと角が立つ
・こんな風に困っているのは自分だけかもしれない
・自分が言ったと知られたくない
などの理由です。
本人である施主が『知らなかった』となると、クレームが拡大することもあり得ます。
また、場合によっては業者より施主が対応したほうがスムーズに解決する場合もあります。
クレームはこちら側にも知らせてもらいましょう。
【まとめ】リフォームが朝からうるさいのはお互い様・・・?
今回はリフォーム工事に対してのご近所に対してのマナーについて紹介しました。
●リフォーム工事はご近所の迷惑の上に成り立っている。
●リフォームあるある「ご近所の方の不満」は「あいさつ・騒音・時間」
●ご近所の方のために、あいさつまわりをする。業者にできる限りの配慮を求める。
リフォーム工事の際には必ずご近所にご迷惑をかけます。
お互い様ではありますが、周りの方の暮らしを無視していい理由にはできません。
リフォームを機にご近所の方とコミュニケーションをとって、よりよい暮らしを送りたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
こ・・これは地獄ね。苦しみって、いつか終わると思うから我慢できるじゃない?