ざらりとした手触りが特徴的な土壁「じゅらく」。
和室の畳や障子、柱と同じくナチュラルな雰囲気や温かみがいいですよね。
しかし使い続ける内に触れると手に粉のような物が付くようになったり、床の隅に剥がれた土が落ちたりして見栄えも悪くなります。
また和室を洋室にリフォームすることを検討している場合、土壁は洋室の雰囲気にはちょっとミスマッチですよね。
でもあんな特殊な壁をリフォームするってどうやるのだろう、なんだか難しそう・・・と思いませんか?
一体どのようなリフォーム方法があるのでしょうか?
今回はそんなじゅらく壁のリフォームについてご紹介します。
いくつかあるリフォーム方法と費用相場についても記載していますので、和室のじゅらく壁をリフォームしたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
■目次
そもそも和室のじゅらく壁とは何?
先ほど「ざらりとした手触りが特徴的な土壁」といいましたが、もう少し詳しくじゅらくについてご紹介します。
元々、京都西陣の聚楽第跡地付近から産出された良質な土を使用した塗り壁のことを「じゅらく(聚楽)壁」と呼んでいました。
しかし最近ではじゅらく壁風の繊細に仕上げられた土壁のことも同じように呼ばれています。
そうだよ。でも聚楽第跡地付近の土があまり採れなくなって今や貴重なんだ。だからこそ、上質な仕上がりの土壁が発展したんだね!
和室の壁リフォームは真壁・大壁どちらにする?
和室の特徴のひとつに柱の存在が挙げられます。
リフォームの工法にはその柱を引き続き活かす「真壁(しんかべ)」、柱が隠れる「大壁(おおかべ)」があり、それぞれ特徴があるのです。
- 柱をそのまま活かしつつ、下地を調整して壁をリフォームする。
- 柱が部屋のアクセントになる。
- 柱が呼吸できるので部屋の湿度が調整される。
- 和の雰囲気が残る。
- ボードを張り、柱を隠すように壁を作りリフォームする。
- 柱が見えなくなり、すっきりとした印象になる。
- 洋室としてコーディネートしやすくなる。
- 壁内部に湿気がこもりやすくなる。
- 柱の上を覆うようにボードを張るので、少し狭く感じるようになる。
そう言われてみると、和室と洋室って造りの違いがたくさんあるわね。
そうなんだ。
クロスを貼って完全に洋室へリフォームしたい場合は大壁が適しているのかもしれないね。もちろんクロス以外にも選択肢はあるよ!
和室のじゅらく壁リフォームにおすすめの壁材は?
ではじゅらく壁のリフォームにおすすめの壁材を4つご紹介します。
それぞれ特徴があるので、詳しく説明していきますね!
その前にじゅらく壁を塗り直して使い続けたいという方もおられるでしょう。
じゅらくを塗り直すリフォームの費用相場は6畳で5.5~9万円ほどとなっています。
クロス
じゅらく壁をフラットな状態に整えた後、クロスを貼っていきます。
先ほどお伝えしたように、完全に洋室へリフォームしたい場合にもおすすめの壁材です。
じゅらく壁にクロスを貼るリフォームの費用相場は6畳で4~12万円ほどとなっています。
珪藻土
珪藻土は部屋の湿度を調整し、40~60%の心地よい状態に保ってくれます。
耐火性があるのもうれしいポイント。
古くなるとぼろぼろと剥がれてくることがあるのがデメリットでしょうか。
じゅらく壁を珪藻土に塗り替えるリフォームの費用相場は6畳で6.5~14.5万円ほどです。
漆喰
漆喰には防火性や防音性があり、カビが発生しにくいといったメリットがあります。
調湿性は低いですが、お手入れが楽なのは魅力の一つですね!
じゅらく壁を漆喰に塗り替えるリフォームの費用相場は6畳で8~14万円ほどとなっています。
ペンキ
じゅらくの痛みが少ない場合には、上からペンキを塗ってリフォームすることも可能です。
色を変えるだけでも部屋のイメージが変わるのでおすすめですよ。
リフォームにかかる費用は6畳で5~10万円ほどとなっています。
床の間の有無、施工する壁の状態や面積、使用する材料などによっても費用は変わります。
業者に依頼する場合には事前に状態を確認してもらった上で、見積りを必ずお願いしましょう!
和室のじゅらく壁リフォームはDIYできる?
もちろん職人さんのような美しく完ぺきな仕上がりは難しいですが、和室のじゅらく壁をDIYでリフォームすることは可能です。
じゅらくの塗り直しや珪藻土、漆喰のリフォームには少しテクニックが必要ですが、慣れてしまえばむしろ楽しいという方もいるようですよ!
DIYでじゅらく壁をリフォームする場合の費用相場は10万円以下です。
ではDIYのやり方について紹介します!
じゅらく壁をクロスに貼り替えるDIY
じゅらく壁をリフォームする際にはまず下地の処理を行いますが、じゅらくの傷み具合によって処理方法が異なります。
- 汚したくない作業周辺をシートやマスキングテープなどで入念に養生する。
- じゅらくの表面をほうきなどで撫でてある程度落とし、きれいにする。
- シーラーという下地調整材をローラーや刷毛で塗り、数時間乾かしてじゅらくを固める。
- 壁紙を貼る。
- 壁のサイズに合った薄いベニヤ板を用意する。
- ベニヤ板をじゅらく壁に固定する。その際、壁内部の配線にも注意しながら枠組みを狙ってくぎやビスを打つ。
- くぎやビス、板の継ぎ目部分にパテを塗り、乾いた後にやすりをかけ平らにする。
- 壁紙を貼る。
傷みが激しいじゅらくの上にクロスを貼ると、じゅらくごと剥がれてしまう恐れがあるんだ。
でも大きな板を用意したり、枠組みに打ち付けたりなんだか大変そうよね・・・
そうだなんだよね。配線にも注意しないといけないから、心配な場合は業者に頼むのがよさそうだね!
古いじゅらく壁からはアクが染み出てくることもあります。
アクを止めてくれる成分が入ったシーラーを選ぶのがおすすめですよ!
クロスにも通気性に優れているタイプなど、様々な機能性を備えたものもあります。
じゅらく壁を珪藻土、漆喰に塗り替えるDIY
DIYで珪藻土や漆喰を塗るのは少しテクニックがいりますが、できてしまったムラも味わいの一つと考えてみるのはいかがですか?
家族みんなで作業して、記念にあえて手形をつけるなど楽しまれる方もいるようですよ。
- 汚したくない作業周辺をシートやマスキングテープなどで入念に養生する。
- じゅらくの表面をほうきなどで撫でてある程度落とし、きれいにする。
じゅらくの傷みが激しい場合は水や剥がし剤などで表面をふやかした後、ヘラやスクレイパーなどでじゅらくを削り取り、パテで凹凸をなくす。 - シーラーという下地調整材をローラーや刷毛で塗り、数時間乾かしてじゅらくを固める。
- 珪藻土や漆喰を塗っていく。厚みは1~2mmを目安に広げていく。
一気には塗れないので、範囲を決めて計画的に進めていくのがおすすめ! - 半乾きくらいの状態になったら2度塗りしていく。
コテや刷毛を使って、お好みの模様を付けるのもおすすめ! - 養生を剥がし、24時間ほど風通しをよくした状態で乾燥させる。
ムラも模様と考えれば、柄やつなぎ目をきっちりと合わせないといけないクロスへの貼り替えより気持ちが楽だわ♪
近では練り混ぜ済みの珪藻土や漆喰があるから、DIYに不慣れな人にもおすすめだよ!
珪藻土や漆喰の代わりにペンキをローラーや刷毛で塗って仕上げることもできるんだ。
こちらの2つはどちらも練り済みの商品で扱いやすいですよ!
和室のじゅらく壁リフォームについてまとめ
じゅらく壁とは、一般的に細かな土とのりを混ぜたものを塗り仕上げた壁のことを指します。
このじゅらく壁をリフォームするには、ふたつの工法があります。
- 柱を活かす「真壁」
- 柱をボードで隠す「大壁」
壁材にはクロス、珪藻土、漆喰、ペンキなどがあります。
それぞれの特徴を踏まえてリフォームを決めましょう。
- クロスに貼り替えるリフォームの費用相場は6畳で4~12万円ほど。
- 珪藻土に塗り替えるリフォームの費用相場は6畳で6.5~14.5万円ほど。
- 漆喰に塗り替えるリフォームの費用相場は6畳で8~14万円ほど。
- じゅらくの上からペンキを塗るリフォームの費用相場は6畳で5~10万円ほど。
- じゅらく壁を塗り直すリフォームの費用相場は6畳で5.5~9万円ほど。
リフォームはDIYも可能です。
塗りムラも味わいになる珪藻土や漆喰がおすすめ。
- DIYでのリフォーム費用相場は10万円以下。
DIY好きの僕としては珪藻土や漆喰に塗り直すリフォームが気になりました!
じゅらく壁とはまた違ったナチュラル感も心地よさそうです。
皆さんも和室の使用用途や予算に合ったステキなじゅらく壁リフォームを叶えてくださいね♪
最後までお読みいただきありがとうございました。
「じゅらく」って聞いて豊臣秀吉の聚楽第を思い出したけど、やっぱり関係あるのね!