「リフォームで屋根裏を断熱処理したい!」
「どんな断熱方法があるんだろう?費用についても、詳しく知りたいな」
こんな風に、リフォームで屋根裏の断熱をお考えではないでしょうか。
屋根の断熱性や遮熱性が低いと、夏は太陽熱で室内の温度が高温になり、冬はあたたかい空気が逃げ、室内の温度が下がってしまいます。
屋根を断熱リフォームする事によって、暮らしやすい適温のお部屋が手に入るので、おすすめです。
さらに、断熱処理をすると、光熱費の節約まで出来ちゃうんです。
この記事では、具体的な施工法と、それぞれの費用について、わかりやすくまとめていますよ。
リフォームで屋根裏の断熱をご検討の方は、ぜひ一度目を通してみてくださいね!
リフォームで屋根裏を断熱する方法
それでは早速みていきましょう。
リフォームで屋根裏を断熱する場合、天井裏に断熱材を設置する工法が一般的です。
天井断熱と屋根断熱の違い
文字通りにはなりますが、天井で断熱をするのが、天井断熱。屋根を断熱するのが、屋根断熱です。
後ほど詳しくご紹介しますが、屋根断熱では内側を補強する断熱工法と、屋根構造の外側を補強する外張り断熱工法があります。
一般的には、天井断熱を選択する場合が多いようです。
では、以上の点を踏まえた上で、本題に入っていきましょう!
天井断熱
天井断熱は、天井の上側に断熱材を敷き詰めることにより、天井裏に集まった熱が室内へと入らないようにする断熱方法です。
主にグラスウール、もしくはロックウールという断熱材が使用されます。
グラスウールとは、ガラスを繊維状に加工した断熱材のこと。
ロックウールとは、天然岩石や、鉄炉スラグという鉄くずなどから作られた断熱材で、高い断熱効果が期待できる断熱材です。
天井断熱の施工は、天井に断熱材を敷き詰めるだけですので、他の施工方法よりも極めて簡単と言えるでしょう。
さらに、施工面積も最小限で施工する事が出来て、費用も安価となっているため、人気のある施工方法とも言えます。
断熱材の厚さを増やすことで、断熱効果をさらに高めることも可能ですよ!
しかし、注意点もあります。
天井断熱をすると、ロフトや屋根裏を生活空間として利用できなくなってしまいます。
生活空間として屋根裏を利用したい場合は、天井でなく屋根を断熱する方法を選びましょう。
そして天井断熱でも、収納部分を断熱材で覆えば、屋根裏収納を設置できます。
こちらも確認の上、施工法を選択するのがいいでしょう。
もう一点、勾配天井の場合は施工ができないなど、施工できる屋根の仕様が限られているんです。
天井が屋根の形に合わせて、斜めになっている天井のこと。
引用:DENHOME
いわゆる屋根裏、っていうイメージとしては、この形が多いんじゃないかな。
そしてもう一点。
天井断熱を施工するときに、重要になるのが、天井裏スペースに人が入れるかどうかです。
天井裏で作業をするためのスペースがない場合は、天井を剥がしてから断熱工事を行う事になります。
天井を剥がす作業が追加されると、費用が高くなってしまうというデメリットがあります。
屋根断熱
屋根断熱は、勾配天井の住宅で施工されることが多い断熱法です。
屋根断熱でも、天井断熱と同じく、ロックウールやグラスウールなどの断熱材が使用されます。
しかし、勾配天井は、施工方法が非常に難しく、断熱材の厚みも制限されます。
長年の経験値を持った職人でないと、施工が難しいと言われています。
ご自宅が勾配天井で、施工ができるか気になる場合、一度業者の方へ問い合わせてみるのがいいでしょう。
天井断熱の施工法について
天井断熱の施工方法は、主に2種類です。
それぞれの方法について、確認していきましょう。
■敷き込み工法ってなに?
天井にある骨組みの間に、断熱材を敷き込んでいく工法のことです。
敷き込み工事の場合は、比較的、費用を安く抑えることが可能です。
ですが、断熱材と骨組みの間に隙間ができないように、きちんと断熱材を敷き詰めないと、断熱効果が得られません。
■敷き込み工法の施工内容
- 壁の中に外気が侵入するのを防ぐために、カットした断熱材で、壁の中の空気の通り口を塞いで気流を止めます。
- 吊り木の周りに隙間を作らないために、切り込みを入れた断熱材を敷き込んで行きます。
- 屋根裏全体に断熱材を敷き込めたら、完成です。
天井や棚などを、吊って支えるための木材部分のこと。
こちらの写真のものは、木材ではないですが、この黒くて細長いものが「吊り木」ですよ。
引用:joto
■吹き込み工法ってなに?
こちらは専門の機械を使い、綿状の断熱材を天井裏に吹き込んでいく工法です。
柔らかな綿のような断熱材のため、障害物があっても施工が可能で、断熱材を隙間なく行き渡らせることができます。
こちらは費用が高くなってしまいますが、断熱効果はバッチリ!と言えるでしょう。
■吹き込み工法の施工内容
- 敷き込み工法と同じく、外気の侵入を防ぐため、気流を止めます。
- 専門の機械を使い、断熱材が30cm厚さになるまで吹き込みができたら完成です。
専門性の高い吹き込み工法は、業者による施工が必須となっています。
そのため、敷き込み工法よりも費用は高くなってしまいます。
しかし、特殊な綿状の断熱材を使用し、専門的な施工法をする事により隙間なくきちんと施工が出来るため、断熱効果は期待できますよ!
また、すでに断熱材が設置されている場合でも、その上から重ねて吹き込むことができるため、しっかりとした施工ができる施工法と言えます。
屋根断熱の施工法について
さきほどもお伝えしましたが、屋根断熱には施工法がいくつかあるため、詳しく解説していきますね。
屋根の内側と外側の断熱法
屋根を断熱するリフォームでは、2種類の施工法がありますよ。
1つ目は、屋根の「内側」を断熱補強するもの。
2つ目は、屋根の「外側」を断熱補強するものです。
この2つの施工法においても、いくつかの選択肢があります。
■屋根の【内側】を補強する断熱リフォーム
こちらは、屋根の裏側に「グラスウール」などの断熱材を充填する施工法です。
■屋根の【外側】を補強する断熱リフォーム
続いてこちらの施工法ですが、
- カバー工法で断熱をする
- 屋根材を断熱性が高いものに葺き替える
- 屋根に断熱塗料を塗装する
といった方法があります。
それでは、こちらも種類ごとに分けて、解説していきますね。
カバー工法で断熱をする
カバー工法とは、すでに設置してある屋根材の上を、別の屋根材で覆う工事です。
この工法により、屋根が二重になるため、屋根が受けた熱が室内へ伝わりにくくなります。
一般的にカバー工法は、屋根の上をルーフィングと呼ばれる防水シートを敷いて、その上に新しい屋根を設置します。
カバー工法ならば、屋根全体を取り換える工法よりも、比較的安価に済ませることができますよ。
しかし、安価で済むことだけを理由にこの施工法を選択すると、家の耐久性を損なう恐れがあるため、注意が必要です。
何故ならば、カバー工法を施工した屋根は、屋根が二重になる分、厚さが増し、建物全体の重量が増えてしまいます。
屋根が重くなると言うことは、住宅の重心が不安定になってしまう、ということです。
引用:BXカネシン
さらに、もう1点。
もっとも注意しておきたいのが、屋根材の下にある野地板と呼ばれる屋根の下地板や、防水シートの劣化を見落としてしまう恐れがあるという点です!
カバー工法を選択する前に、この2点について確認し、必要ならばリフォーム会社に点検を依頼しましょう。
- 設置から25年未満の屋根材であるかどうか
- 5年以内に雨漏りの点検をしているか
施工をするにあたって問題がないかを確認してから、選択することが大切です。
そして、日本瓦やセメント瓦など「瓦屋根」の場合、カバー工法はおすすめできません。
瓦屋根への施工は非常に複雑で、その分費用もかさんでしまうためです。
この点も、要確認していきましょう。
屋根材を断熱性の高いものに葺き替える
古くなった屋根材を、新しく取り換える事によって、断熱効果を得ることが可能ですよ。
特に、粘土材で作られた「日本瓦」は断熱性に優れた屋根材なので、断熱目的で屋根材を取り換える際には、「日本瓦」がおすすめです。
引用:TAISEI
こちらの画像のように、空気層が多い瓦屋根は、夏は涼しく、冬は外気を遮断してくれるので暖かな室温を手に入れることができますよ。
反対に、トタン屋根などの金属屋根だと、断熱効果は低いです。
ご存知のとおり、金属は熱の伝導率が高いですよね。
トタン屋根などの金属性屋根材は、断熱材付きタイプでなければ、屋根材そのものが高温になってしまいます。
そのため、すぐに室内が高温になってしまうので、おすすめできません。
同じ金属性質をもつ屋根材のうちならば、「ガルバリウム剛板」という屋根材は、比較的断熱性に優れています。
しかし、「日本瓦」の方が圧倒的に断熱性に優れています。
このようにおすすめの「日本瓦」ですが、高価な屋根材であるため、費用が高額になってしまうというデメリットもあります。
現在使用している屋根材の使用年数が10年未満で、定期的に断熱材の塗装が行われているなど、劣化が少ない状況であれば日本瓦への葺き替える必要性は低いと言えます。
しかし、屋根材の使用年数が20年以上経っていたり、屋根材そのものにダメージがあり、劣化しているなど。
そのような場合は、「日本瓦」への葺き替えも検討しておくのがいいでしょう。
瓦屋根のリフォームについては、こちらの記事で解説しています!
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屋根に断熱塗料を塗装する
断熱塗料は、屋根材に使用する塗料の中でも費用が高く、必然的に施工費が高額となってしまいます。
しかし、高額な反面、メリットもありますよ。
断熱塗料を使用する事によって、光熱費削減につながるため、長期的に見るとお得な面もあるんです。
また、断熱塗料は、表面は保護できますが、屋根材そのものの状態は変えられません。
屋根材の使用年数が20年以上経っている場合や、劣化やダメージがあるという場合は、断熱塗装よりも、葺き替えリフォームがおすすめです。
もう一点、「日本瓦」は断熱塗装ができません。ご自宅が「日本瓦」の場合はこの点も注意しましょう。
屋根裏断熱リフォームをするときの費用
それでは、気になる費用面についてみていきましょう!
屋根裏の断熱リフォームにかかる費用は、以下4つのポイントによって変動します。
- 施工する場所の面積の広さ
- 天井を剥がすか、剥がさないか
- 断熱材の種類
- 施工内容
同じ施工方法でも、天井を剥がしてから施工する場合は、費用がかさみます。
使用する断熱材の断熱性能によっても、費用は変わってきます。高性能な断熱材を選ぶとなると、必然的に費用も高くなってしまうんです。
施工方法ごとに相場を解説します!
①天井断熱をする場合
一般的な住宅の天井の広さで約80万円〜100万円が相場です。
また、天井裏に入って施工する場合ならば、15〜50万円。
天井を剥がして施工する場合、40万〜90万円が相場となっています。
吹き込み工法を選択した場合、敷き込み工法よりも費用は上がります。
ロックウールという断熱材を使用した場合、グラスウールを使用する場合よりも高額になります。
②屋根材を葺き替える場合
約50万円〜120万円が相場です。
こちらは、どんな屋根材を利用するかによって費用が変動しますよ。
先ほどの項目でもお伝えしたように、「日本瓦」を使用する場合、高額になってきます。
③カバー工法の場合
約80万円〜180万円が相場です。
ルーフィングという防水シートの施工費用が、1平方メートルで約2,000円〜3,000円となっています。
この上に、工事の際に使う足場作りや、固定道具などの諸経費が追加されます。
④断熱塗料を塗装する場合
1平方メートルあたり約4,000円〜6,000円が相場です。
屋根の平均的な広さが約90平方メートルです。
全面塗装をした場合、約40万円〜60万円という計算になるでしょう。
⑤屋根の裏側に断熱材を敷き詰める場合
約15万円〜50万円が相場です。
この費用は、グラスウールや、パネル状の断熱材を敷き詰める工事の場合です。
「ウレタンフォーム」という、発泡させたスポンジ状の断熱材を使用する場合、費用を安く抑えることが可能ですよ。
これらの費用は、ご自宅の屋根材の材質や施工法、屋根の広さによっても変動しますので、おおよその目安としてお考えくださいね。
また、施工費用が増える原因は、追加工事です。追加工事をなるべく減らすために、事前に業者の方との打ち合わせをしっかりと行いましょう。
工事内容を把握しておくことが、費用削減のポイントです!
屋根裏断熱リフォームが完成するまでの期間
さて、こちらでは断熱リフォームの際の工期についてみていきましょう。
天井断熱の場合だと、約2〜4日で完了するのが平均的です。
屋根断熱の場合だと、約2〜7日になります。
天井や屋根の状況、また、施工法によって、上記以上の日数が必要な場合もあります。
どれくらいしっかりと断熱工事を行うかによっても、工事期間が変わってきますよ。
リフォームで屋根裏を断熱する施工法&費用まとめ
それでは、リフォームで屋根裏を断熱する際の、施工法や費用についておさらいしていきましょう!
- 施工費が安く、断熱効果もバッチリ!
- ロフトや屋根裏部屋は使用できなくなるので注意
- 勾配天井は施工できない
- 天井裏に人が入れるスペースがあるか確認しよう
【天井断熱の施工法】
- 敷き込み工法
断熱材を敷き込む施工法。費用を安く抑えられる!
- 吹き込み工法
業者による施工が必須。断熱効果が高い!
- 主に勾配天井に施工される工法
- ロフトや屋根裏を生活空間のまま施工できる
【屋根断熱の施工法】
- 断熱材の高い屋根材に葺き替える
- 従来の屋根上をカバーするカバー工法
- 屋根に断熱塗料を塗装する
- 屋根の内側に断熱材を充填する
【天井断熱】 80〜100万円
【屋根断熱】
- 屋根の葺き替え 50〜120万円
- カバー工法 80〜180万円
- 断熱塗料 40〜60万円
- 敷き込み工法 15〜50万円
さて、ここまで見ていただきありがとうございます。
ここまでお読みいただいた上で、天井断熱にするか、屋根断熱にするか迷う方もいると思います。
僕のオススメとしては、勾配天井の場合や、ロフトや屋根裏を生活空間として利用したい場合は、屋根断熱を。
そうでない場合は、一般的によく選択されている、天井断熱を選ぶのがおすすめ。
また、屋根裏収納を設置したいならば、屋根裏収納の壁と天井を断熱しておくと、屋根断熱はしなくてもよくなります。
費用をとるか、断熱効果をとるか。
屋根裏空間は利用したいかどうか?
など、何を優先するかによって、断熱方法を選択する。ここがポイントです。
とはいえ、たくさんの施工方法やパターンがあるので、やっぱり決めかねるという方もいると思います。
この記事を参考にしていただきつつ、リフォーム業者の方に詳細を尋ねると、色々と詳しく教えてもらえます。
この記事が皆さまの屋根裏断熱に役立てたなら嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
[rishopnavi]
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