「外壁重ね張りのリフォームなら金属サイティングを使った方が良いですよ!」
そう業者に勧められたことはありませんか?
そろそろ住んでいる家の年数も経ち、外壁重ね張りでリフォームをしたいと思っている方は多いと思います。
築35年を超えたら外壁塗装ではなく、重ね張りや張り替えを考えたほうがよいと言われています。
その中でも、外壁のリフォームを金属サイディングを使って検討している読者様に今回は3つお伝えしたいと思います。
- 外壁重ね張りとは何か?その長所とは?
- 外壁リフォームで金属サイディングの重ね張りがよいと言われる理由
- 重ね張りリフォームをする際に注意することとは?
この記事を読むことで、外壁重ね張りの特徴や素材に金属サイディングが勧められる理由が分かります。
また、きれいな外観と機能を兼ね備えた外壁の家に、長く安心して住むことができます。
外壁重ね張りとは何か?その長所とは?
外壁の重ね張りは古い外壁の上に新しい外壁を上張りする方法です。
外壁の強度は保っているものの、寿命が近いという場合に行います。
外壁重ね張り・張り替えの違いは?
外壁のリフォームには重ね張りの他にも張り替えという方法があります。
張り替えは古い外壁をはずして、新しい外壁を張る方法です。
こちらは補修できない不具合や重ね張りに耐えられる強度がない場合に行います。
- 外壁内部のメンテナンスができるのは、張り替え
- 廃材撤去費がかからないのは、重ね張り
- 耐震性が上がるのは、張り替え
- モルタル外壁は基本的に、重ね張り
張り替えは、これまでの外壁を全て取りはずすので、防湿シートや下地のメンテナンスができます。
一方、重ね張りは外壁内部が劣化してしまうと、メンテナンスできないのが短所です。
そして、張り替えは壁材によって軽くなる場合は、耐震性が上がります。
重ね張りは作業工程上、重みが増すため、耐震性は下がります。
耐震性を考えるのであれば、張り替えの方が良いですね。
しかし、廃材がほぼ出ない重ね張りと比べて、張り替えは廃材を撤去する費用がかかります。
さらにモルタル外壁である場合、そもそも張り替えができません。
外壁の重ね張りか、劣化がひどい場合は外壁を撤去し、新しく造りなおす必要があります。
そして、その解体作業にものすごくお金がかかります。
解体・撤去してから「窯業系」「金属系」サイディングで張り替える必要があるため、解体費用だけでも160万~270万程度になります。
「モルタル」というのは水・砂・セメントを混ぜたものです。
「モルタル外壁」とはラスという網の針金等の上から、モルタルを左官コテで塗り付けた後、塗装して仕上げる外壁を指します。
昔はモルタルが主流だったから、築25年以上の一般建築物によく見られるよ。
では実際に、施工費用・工期・耐用年数をみてみましょう。
原則として、既存の外壁の劣化が進んでいる場合、塗装リフォームは向きません。
目安として築35年程度、外壁の反りやひび割れが複数あれば重ね張りや張り替えを検討しましょう。
外壁重ね張りの特徴
さらに詳しく外壁の重ね張りの特徴をお伝えしていきますね。
- 張り替えに比べると廃材撤去費が抑えられる。
- 外壁が2重になるので、断熱性と防音性が増す。
- 家全体の重量が増加し、使える壁材が限られてくる。
- 内部結露が発生することがある。
長所その1 廃材撤去費が抑えられる
家に住みながらの施工が可能で、張り替えのリフォームと異なり、外壁をはずす必要がありません。
下地が腐食していないかの確認で剥がすことはありますが、ほぼ残した状態で新しい外壁を張り付けます。
このため、外壁の撤去・処分にかかる費用や手間が発生しません。
外壁リフォームの費用を詳しく見るため、約30坪の家を例にしてみます。
【重ね張りリフォーム費用の内訳:30坪】
足場代 | 約20万円 |
養生 | 約10万円 |
防水シート | 約5万円 |
胴縁張り | 約20万円 |
土台水切り | 約5万円 |
材料費 | 約50~66万円 |
張り替え作業 | 約40万円 |
シーリング | 約30万円 |
既存外壁の撤去(張り替えのみ) | 約20万円 |
諸経費 | 工事高額の約5~15% |
30坪の場合、重ね張りは180~240万円、張り替えは200~260万円程度が相場です。
この表をみると外壁重ね張りと張り替えの費用は、古い外壁をはずすかで約20万円変わってきます。
工事費用の約1割の金額?!
もし削減できたら…その他必要な部分にお金を回すことができるわね♪
この結果からリフォーム費用や工期を抑えたい方は、張り替えよりも重ね張りがいいでしょう。
ただし、外壁の下地に漏水が起こっている時、柱が劣化・腐食しているときは張り替えになります。
長所その2 断熱性や防音性が増す
外壁を重ねて張ると厚みが増し、断熱性を向上させることが可能です。
冷暖房にかかる光熱費も節約できますね!
屋外からの騒音も防ぐことができ、防音性も増します。
短所その1 家全体の重量が増加し、使える素材が限られてくる
壁が2重になるため、家全体の重量が増加します。
重みのある建物ほど地震で揺れやすい傾向があるので、重ね張りを行う時は壁の重さにも気をつけて施工します。
「金属」や「樹脂」のサイディングは比較的軽いので、重ね張りに使われることが多いです。
逆に窯業サイディングは重みがあるので向きません。
このように家にかかる負担を考えると、使える素材が限られてくるのが短所です。
短所その2 内部結露が発生することがある
外壁の重ね張りは壁の内側に結露が発生する場合があります。
原因は外壁の内と外で生じる気温差、既存の壁と新しい外壁の間の湿気です。
内部結露については、後で詳しく解説します。
外壁重ね張りのメリットはたくさんありますが、デメリットも無視できない内容であることがわかりましたね。
そこで僕がおすすめする壁材は「金属サイディング」です!
その理由について詳しくお話しますね。
外壁リフォームで金属サイディングの重ね張りがよいと言われる4つの理由
外壁の重ね張りに金属サイディングがよいと言われるのはなぜでしょうか?
- 軽くて建物への負荷が少なく、耐震性に優れている。
- 廃材がほぼ発生しないため、廃材撤去の費用が不要。
- 外壁の張り替えに比べて工期が短くなる。
- 壁の乾燥や収縮も少なく、ひび割れができにくい。
それぞれ説明していきますね。
軽くて建物への負荷が少なく、耐震性に優れている
金属サイディング最大の強みは、軽量で耐震性に優れているという点です。
一般的には古い外壁よりも重い壁材は使わない方がよいとされています。
壁材を支える柱はあらかじめ、どの程度の重さを支えるかを計算して選定されているからです。
つまり、計算されている以上の重さをのせてしまうと耐震性が下がります!
重ね張りにすると家全体の重量が増えるので、地震で外壁が破損したり剥がれ落ちたりトラブルも多いです。
しかし、金属サイディングは、軽く、家全体にかかる負荷が少ないのがわかります。
地震が起きた時でもその軽さから、住宅損傷のリスクを抑えることができます。
また、断熱材が裏打ちされているので、室内の暖かい空気やエアコンの涼しい空気を逃がさず、快適な空間にしてくれるのも魅力です。
廃材撤去の費用がほぼ不要。重ね張りは廃材がほとんど発生しないため、撤去費がかからず費用削減できます。
また、雨漏りも改善できます。
ただ、外壁内部のメンテナンスができない点だけ覚えておきましょう!
じゃあ、外壁内部のメンテナンスをしたい場合には、どうしたらいいの?
多少費用は高くなるけど、そこは張り替えで対応になるね。張り替えであれば、結露やカビの有無など外壁内部のメンテナンスが可能だよ。
ご自身の予算や外壁の劣化状況に合わせて、検討してみてくださいね。
外壁の張り替えに比べて工期が短くなる
張り替えの工期は早くて1週間。天候や外壁の劣化状況で2~3週間に延びることもあります。
重ね張りは古い外壁を解体しないため、張り替えより2~3日工期が短くなる場合が多いです。
- 梅雨や台風などで、悪天候が続いた時。
- 足場を組み立てるのが難しい構造をしている場合。
- 外壁内部が腐食しているなど、劣化がひどい場合。
- 山間部などの運搬や移動に時間がかかる場合。
壁の乾燥や収縮も少なく、ひび割れができにくい
外壁によく使われる窯業サイディングは雨水の吸収や乾燥によって変形し、反り返ったりひび割れを起こします。
一方、金属サイディングは素材が金属のため、乾燥や収縮の影響を受けず塗装の持ちが長めです!
凍害や地震によるひび割れなどが少なく、建物の美観を保つことができます。
以前、金属サイディングはスタイリッシュでシンプル、バリエーションが少ないと言われていました。
しかし最近はこういった温かみのあるデザインも増えてきています。
まぁ~素敵ねぇ!!
金属サイディングは外壁の重さや耐震性の問題をうまくカバーしている上に、おしゃれなデザインも増えてきているんだ。
それほどニーズがあるんだね!
とはいえ、外壁の状態や予算もそれぞれだと思いますので、最終的には自分に合った工法を検討して下さいね。
さて、これらの理由から、外壁重ね張りには金属サイディングが向いているとオススメしてきました。
しかし、1つ最大のデメリットがあります。
外壁を重ね張りすると、内部結露が生じやすくなることです。
これについてさらに解説していきます。
重ね張りリフォームのデメリット!内部結露の原因とその解決方法とは?
重ね張りリフォームのデメリットは、内部結露です。
内部結露に関する実際の悩みがこちら!
ガルバリウム鋼板製の金属サイディングの外壁リフォームを含めて、1000万円をかけて、大掛かりなリフォーム工事をしました。工事終了後、半年経ちますが、床、壁、押入れ、納戸に酷い結露が出てしまい、こんな事になるのなら、リフォーム工事をするのではなかった・・・。
引用:昭和アルミ株式会社
せっかくリフォームしたのに、新たな悩みを抱えるのは避けたいですよね。
外壁重ね張りの短所をほとんど解消してくれる金属サイディングですが、内部結露の発生は最大の弱点です。
内部結露はどのようにして起こるのでしょうか?
内部結露が発生するメカニズム
まず結露が発生する流れについてお話します。
既存外壁の上に金属サイディングを重ね張り
↓
家の中からの湿気を壁内に閉じ込めてしまう
↓
壁の内側と外壁の間に温度差があると、壁の内側に結露が発生
↓
家の内壁や天井にカビが発生し、住宅の腐食につながる
結露の主な原因はこの2つです!
- 外壁内外に生じる気温差。
- 既存の壁と重ね張りをした外壁の間の湿気。
さらに近年は、住宅が高気密・高断熱に変化してきています。
外壁の気密性が高くなる→湿気の流れがこもってしまう→結露になる
これも結露を生み出す要因の一つですね。
では、内部結露を発生させないためには、どうしたらよいのでしょうか?
内部結露を発生させないための方法
内部結露を発生させないためには、空気の流れを作ることが大事です!
先ほど、「湿気の流れが止まると結露が発生する」と説明しましたね。
- 金属サイディングを断熱材の入ったものにする。
- 胴縁(どうぶち)を配置する。
- 内窓を設置する。
では、それぞれ具体的にお話していきます。
【金属サイディングを断熱材の入ったものにする】
これは建物の外から冷気が入ることを防ぐためです。
外壁内外の温度差が結露の原因なので、その差を小さくすることが重要です。
【施工する際に胴縁(どうぶち)を配置する】
胴縁とは外壁を取りつける下地で、空気の通路としての役割もあります。
結露は外壁材の裏側にある「通気層」で発生することが多いです。
温かい空気は上昇する性質があるので、胴縁の間(=通気層)を通り、屋根の隙間から湿気を逃がすことができます。
湿気を逃がすことで、結果的に結露を防ぐことができます!
ちなみに、胴縁は外壁内側の透湿防水シートを押さえる役割も担っています。
【内窓を設置する】
内窓は窓ガラスとサッシの結露を防ぐ方法として有効です。
外気で冷えた窓ガラスに暖かい湿気をもった空気が触れることで、結露が起こります。
窓を2重にすると、部屋の暖かい空気が冷たいガラス窓に触れることを防げます。
そして窓と窓の間に空気の流れができ、結露の防止につながります。
防水シートと通気層からの湿気排出で、結露を防ぐことができるのね。
リフォーム前に施工業者と結露の対策についても話し合ってみてくださいね!
外壁リフォームで金属サイディングの重ね張りがオススメな理由のまとめ
今回は外壁の重ね張りや金属サイディングのメリットについてお話してきました。
外壁の重ね張りの特徴をおさらいしましょう。
- 張り替えに比べると廃材撤去費が抑えられる。
- 外壁が2重になるので、断熱性と防音性が増す。
- 家全体の重量が増加し、使える壁材が限られてくる。
- 内部結露が発生することがある。
そして、外壁重ね張りの短所を解消するには金属サイディングが良いという理由はこちらでした。
- 軽くて建物への負荷が少なく、耐震性に優れている。
- 廃材がほぼ発生しないため、廃材撤去の費用が不要。
- 外壁の張り替えに比べて工期が短くなる。
- 壁の乾燥や収縮も少なく、ひび割れができにくい。
最後に外壁を重ね張りする際の注意点として、内部結露の原因と発生させない方法もお伝えしました。
- 外壁内外に生じる気温差。
- 既存の壁と重ね張りをした外壁の間の湿気。
- 金属サイディングを断熱材の入ったものにする。
- 胴縁(どうぶち)を配置する。
- 内窓を設置する。
内部結露は普段見えず、気づかないうちに住宅を腐食させる要因になります。
リフォームが始まる前に内部結露の対策について、施工業者と話し合ってみてくださいね。
そして、きれいな外観と機能を備えた外壁を目指していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
金属サイディングといえば、ガルバリウム!
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