住んでいる賃貸物件でひどい雨漏り被害が起きたら、「もう長くは住めないかも……」と引っ越しが頭をよぎるかもしれませんね。
しかし、いざ引っ越しをするとなったら、気になるのが「引っ越し費用や雨漏りの修繕費用をどこに請求するのか」。
引っ越し費用は基本的に交渉によって決まります。
交渉を有利に進めるためには、ある程度の知識や準備が必要です。
そこで、本記事では以下のことについて解説していきます。
- 雨漏りが原因で引っ越しをしたいが、できるのか
- 引っ越し費用を請求する前にすべきことは?
- 引っ越し費用の相場は?
- 引っ越し費用を請求できなかったらどうしたらいい?
この記事を今後の対応にお役立ていただければ幸いです。
管理人のあつしです!
外壁・屋根・雨漏りのことなら何でもおまかせ!
- 外壁アドバイザー資格保有
- 実家のリフォーム経験あり
- 趣味はDIY
- わかりやすい説明と適切なアドバイスに定評あり
雨漏りが起きたので引っ越し費用を請求したい!まず何をするべき?
雨漏りが起きたからという理由で引っ越し費用を請求し、引っ越せるか?
結論としては、「場合によっては引っ越せる」!
ただ、「雨漏りが起きた!→即引っ越し」
とはいかないので、これからお伝えする注意点をよくお読みくださいね。
では、引っ越しをするためにどう備えておくべきかをご紹介していきます。
雨漏りが起きているところの写真や動画を撮る
まずは実際に雨漏りが起きているところや、濡れてしまった物などの写真や動画を撮りましょう。
引っ越し費用を請求するときの証拠や判断材料になります。
写真や動画を撮るとき、以下の点に注意して撮影してみてください。
- 本当に自分の部屋で起きた雨漏りであることがわかる
- 雨漏りが部屋のどこで起きているか
- 雨水で濡れたり、雨水がしたたっていたりする場面
- 雨水で家電や家具が濡れた場合、雨漏り箇所との位置関係 など
写真や動画があれば、雨漏りが起きてどの程度生活に支障をきたしたのか、どの程度入居者に苦痛を感じさせたのかが第三者に伝わりやすくなります。
雨漏りに関連する支出をまとめる
雨漏りが起きたことで何らかの被害があり、お金を支払った場合は、レシートなどを保管しておきましょう。
・家具や家電の修理、交換、買い替えなどの費用
・ホテルなどの宿泊費用
・雨漏りの応急処置に使用した物品の費用
などがあげられます。
ただし、「あとで請求できるから」と言って、極端に高価なものを買ったり、高い宿泊費用を払ってホテルなどに宿泊したりするのはやめておきましょう。
交渉するときに余計なトラブルを招いてしまいます。
雨漏りが起きたことを報告し、修理を依頼する
それから、すぐに雨漏りが起きたことを伝え、適切に対処してもらいましょう。
民法第606条「賃貸人による修繕等」
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
引用:e-GOV法令検索
賃貸物件で雨漏りなどのトラブルが起きたときは、大家さんが対処しなければいけないと法律で定められています。
トラブルが起きたときの連絡先が大家さんなのか管理会社なのかは、契約書を確認してみてくださいね。
雨漏りの修理をお願いしたら、修理はどこの会社に頼んだのか、何日の何時から修理に来てくれるのかなど、具体的に話を聞いておいてください。
「また連絡します」などの曖昧な言葉で濁され、いつまでも修理してもらえない……なんてことにならないようにしたいですね。
雨漏りの応急処置に関しては、こちらの記事を参考になさってください。
実際に行った応急処置の様子も、写真や動画におさめておくと良いでしょう。
賃貸物件に適さない応急処置もあるかもしれませんので、慎重に行ってくださいね。
こういうときは引っ越し費用を請求できないので注意
なかには、引っ越し費用の請求ができない場合もあるので注意が必要です。
- 雨漏りの原因が住人の過失にある場合
- 雨漏りをすぐに報告せず、二次被害がひどくなってしまった場合
- 雨漏りの修理を依頼した際、すぐに対応してもらえた場合
大家さんには雨漏りを修理する義務がありますが、その雨漏りの原因が住人にある場合は例外です。
しかし、雨漏りが起きても「バレるのが怖い」「いくら請求されるかわからない」と黙っていると、雨漏りによって建物が弱ってしまいます。
早めに対処し、専門業者に修理を依頼しましょう。
雨漏りの怖い二次被害については、こちらの記事が参考になりますよ。
また、大家さんがすぐに雨漏りの修理を業者に依頼し、雨漏りが直った場合も引っ越し費用は請求できません。
業者に連絡し、実際に修理をしてもらえば、大家さんは法律上の義務を果たしたことになります。
ですので、雨漏りを修理してもらったものの再発した、という場合でも、引っ越し費用の請求は難しくなってしまいます。
しかし、修理と雨漏りを繰り返すようなところでは安心して住めないですよね。
大家さんや管理会社との交渉次第になりますが、引っ越し費用の請求が難しくても家賃の減額なら請求できるかもしれません。
また、入居後いつから雨漏りしはじめたかによっては、物件を紹介した不動産屋に対して引っ越し先の仲介手数料の割引などを請求できることもあります。
交渉にはやはり物的証拠が必要なので、写真や動画だけでなく、日記をつけるのも有効的でしょう。
雨漏りが原因の引っ越し費用を請求するとき注意すべきことは?
引っ越し費用が請求できるかどうかや、引っ越し費用の額は、基本的には交渉によって決まります。
したがって、交渉の場での態度や言動も重要な要素となってくるのです。
急に雨漏りが起きてストレスを感じていると、交渉でもつい攻撃的な態度になってしまいがちです。
でも、穏やかな態度で交渉に臨んだほうが相手側に警戒心を抱かせずにすみ、話し合いをスムーズに進めることができますよ。
そもそも、雨漏りは修理するよりも原因箇所を特定するほうが難しいと言われています。
原因箇所が複数あったり、足場を組まなければいけなかったりすると、工期は長くなってしまいます。
くわえて、修理費用を出す大家さんや管理会社のすべてに豊富な資金があるとは限りません。
こちらの都合ばかりを押し付けて、強引な交渉をしないように注意しましょう。
雨漏りが起きた部屋の住民や雨漏りの修理に対して誠実な態度をとってくれていれば、一旦静観するという方法もあります。
引っ越し費用の請求まではいかずとも、お互いに納得のできる落とし所を見つけていきましょう。
第三者に相談する
「自分で交渉するのは自信がない」「交渉しているがなかなか進まない」という方は、第三者に交渉を任せるのも1つの方法です。
第三者に相談していることは、大家さんや管理会社にも伝えておきましょう。
こちらが真面目に取り組んでいることをわかってもらえると思います。
雨漏りを理由に請求できる引っ越し費用の相場は?
大家さんや管理会社が雨漏りの修理を進めてくれなかったり、修理をしても雨漏りが再発してしまったり、という事態も起こりえます。
そして、たとえ修理を頼んだとしても、翌日に業者が来てくれるケースは少ないでしょう。
せっかくの我が家なのに落ち着いて休めないのは、ストレスになりますよね。
大家さんや管理会社、不動産屋などが交渉に応じてくれた場合の引っ越し費用やその他のお金の相場について調べてみました。
引っ越し費用 | 約4万円〜(人数、引っ越し先の地域、引っ越す時期などによる) |
迷惑料 | 約1〜3万円(修理が完了するまでにかかった期間、同時期に雨漏りが起きた戸数などによる) |
家具・家電 | 対応年数をもとに計算した賠償額 (例:5万円で買ったパソコン÷パソコンの対応年数4年×使用年数2年=25,000円の賠償) |
雨漏りが数日で直った場合は、迷惑料ではなく菓子折りを渡されることもあるようです。
もし交渉がうまくいかなかったら?
もし交渉がうまくいかず、引っ越し費用を請求できなかったときは、家賃を減額してもらえないか話してみるのはどうでしょうか。
民法第611条「賃借物の一部滅失等による賃料の減額等」
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
引用:e-GOV法令検索
上記のように、借りている物件でトラブルが起きた場合、法律では家賃の減額を求めることが認められています。
雨漏りが直るまでの期間が長いときは、その間の家賃を下げてもらうのも良いかもしれませんね。
それでも、なかには引っ越し費用の交渉に応じてもらえず、家賃の減額もしてもらえず、泣く泣く自費で引っ越ししなければいけないケースもあるかもしれません。
思ったように交渉が進まなくても、敷金は全額返してもらえるように粘りましょう。
敷金を返金してもらうためには、先述した通り物的証拠を残しておくことが大切です。
雨漏りや応急処置の様子を写真や動画、日記などに残し、できるだけ交渉を有利に進めていきましょう。
引っ越し費用ではなく、迷惑料や慰謝料を請求したい場合は、こちらの記事が参考になります。
雨漏りが原因の引っ越し費用の請求は交渉次第!事前に準備をしよう
今回は、賃貸物件で雨漏りが起きた際に引っ越し費用を請求するにはどうするべきかについて、お伝えしてきました。
- 雨漏りの写真や動画を撮る
- できる限りの応急処置をする
- すぐに大家さんか管理会社に報告する
引っ越し費用を請求する前に、まずは請求できる状況かどうか整理しておくことも必要です。
雨漏りの原因が自分にないか、業者がいつ修理に来てくれるのかなど、はっきりさせておくことが大切です。
雨漏りが起きると、せっかくの我が家で安心してくつろげません。
その上、雨漏りは放置しておくと二次被害につながり、目に見えないところで悪化していきます。
僕のおすすめの専門業者は「雨漏り修理110番」!
もし大家さんや管理会社が業者選びに悩んでいたら、ぜひ教えてあげてください。
雨漏り修理110番の基本情報や口コミ、利用の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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