家の壁は、住む人や大切な家財を外の世界から守ってくれる大切な場所です。
また、家の外観を決める点でもとても重要です。
外壁を丈夫で美しく保つため外壁塗装の塗り替えは欠かせません。
そして壁の塗料を塗りなおすことが壁全体、そして家そのものの耐久性を高めます。
大切な工事ですから失敗はしたくありません。
まとまった金額を用意する必要もありますので、事前にある程度把握しておきたいものです。
今回は一般的な一戸建ての大きさである40坪の家(2階建てで4LDK~5LDKの一戸建て)をイメージして外壁塗装の費用相場のシミュレーションを行っていきます。
外壁塗装の費用相場を40坪の家で計算すると
外壁に塗料を塗る面積の計算
延べ床面積が40坪の家の塗装面積を概算します。
40坪×3.3㎡×1.2(壁の塗装面積を求める係数)=158.4㎡
塗装面積は約158㎡と計算できました。
家の構造によって違うものですので、あくまで一般的にはという数字になりますが業者に見積もりをお願いする前に知っておくと安心です。
延べ床面積とは建物のすべての床面積を合わせたもの(1階と2階の床面積の合計など)。
*係数は場合により変化しますが40坪の家では1.2が一般的です。
外壁塗装に使う塗料の種類について
外壁塗装にかかる金額のうち、多くを占めることになる塗料の価格を知っておくと良いでしょう。
塗料は下塗りを1回、上塗りを2回行います。以下の塗料は上塗り用の塗料です。
下塗り用の塗料は壁の材質や上塗り塗料との相性で選ぶ場合が多くなります。
塗料の種類 | 1㎡あたりの価格(円) | 158㎡での価格(約万円) | 耐久年数 |
アクリル | 1400~1800 | 22.1~28.4 | 4~7 |
ウレタン | 1700~2200 | 26.9~34.8 | 6~10 |
シリコン | 2300~3200 | 36.3~50.6 | 8~15 |
ラジカル | 2500~3000 | 39.5~47.4 | 13~16 |
フッ素 | 3200~4800 | 50.6~75.8 | 15~20 |
遮熱・断熱 | 3500~5000 | 55.3~79.0 | 15~20 |
無機塗料 | 4200~5500 | 66.4~86.9 | 15~20 |
外壁塗装の塗料は種類によって価格に大きな差があります。
耐久年数の長いものは価格も高くなる傾向ですが、工事全般でかかる費用や手間を考えると安い塗料を使って何度も塗り替えをするか、長持ちする塗料を使って回数を減らすかを考える必要があります。
同じ種類の塗料でも、メーカーや商品による価格差があり、耐久年数も日当たりや風雨の影響の違い、壁の材質などにより大きな差が生じてしまいます。
遮熱、断熱塗料は高価ですが、地域によっては助成金が受けられる場合があります。これについては後に説明します。
その他の費用について
価格(円) | |
足場(1㎡あたり) | 600~1500 |
飛散防止ネット(1㎡あたり) | 150~200 |
高圧洗浄(1㎡あたり) | 200~250 |
養生 | 5万~8万 |
シーリング補強 | 11万~25万 |
下地補修 | 1万~2万 |
現場管理 | 3万~5万 |
廃材処理など | 1万~3万 |
これらの費用は家の作りや、その時点での外壁の状態によって大きく変わります。
*足場の面積は塗装面積に1.3倍すると概算が出ます。塗装面積が158㎡の場合205㎡になります。
外壁塗装の費用をシミュレーションします
塗装面積158㎡の家の外壁塗装をシリコン塗料で行った場合のシミュレーションをしてみます。価格に幅があるものについては中央の値を使用します。
項目 | 計算式 | 価格(円) |
塗料 | 2700円×158㎡ | 405000 |
足場 | 1050円×205㎡ | 215250 |
高圧洗浄 | 225×円158㎡ | 35550 |
養生 | 65000 | |
シーリング補強 | 180000 | |
下地補修 | 15000 | |
現場管理 | 40000 | |
廃材処理など | 20000 | |
合計 | 975800 |
項目のすべてを足し、総額975800円となりました。
足場については作業が終われば外してしまう物なので高く感じられるかもしれませんが、安全性と作業効率を考えるととても重要です。
ここに出費を惜しむのはお勧めしません。
外壁塗装の費用を少しでも安くしたい
助成金
外壁塗装で自治体から10~25万円の助成金が受けられる場合があります。
第一の条件は省エネ対策として断熱塗料を使うことです。
断熱塗料は高価ではありますが助成金を受けられ、その後省エネで暮らせるのであれば、結果的にお得ですよね。
他にも条件があり、助成金制度のある自治体は限られていますがお住まいの自治体で調べてみることをお勧めします。
火災保険
自然災害による外壁の破損は火災保険の補償対象で、被害を受けてから3年以内の申告で保険金がもらえる可能性があります。
注意すべきは、火災保険で外壁塗装ができるかのような宣伝をする悪質業者です。
外壁塗装の前に修繕が必要であれば、まず保険会社に申請をしましょう。
閑散期の施工
12月~2月、7月~9月は外壁塗装の需要の少ない季節なので、値引き交渉はしやすくなります。
早く塗装を済ませなければ不安という状態になってからではなく、この時期を待って施工できるようにという点でも、早めの見積もりが有利になります。
悪くなる前の修繕が一番だよ。
外壁塗装の塗り替え周期についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
投稿が見つかりません。施工業者を決める時の注意点
悪質業者にありがちな傾向
- 訪問業者である
- 損傷を見せずに不安をあおり工事を急がせる
- キャンペーン中などと契約を急がせる
- 見積書の項目や数量が明記されていない
- 安すぎる
誰にとっても家は大切なものですから、それを守りたいと思う気持ちに付け込んだ悪質業者には注意が必要です。
高価な契約を即決させようとするのはそれだけで怪しいと思うべきでしょう。
相見積もりを3社以上で取り、その中で一番ご自宅の状況に合った条件の業者を選びましょう。
ただし、とび抜けて安い業者にも注意が必要です。
手抜き工事や、材料に偽りがあるなどのトラブルが起きる可能性があります。
安心できる施工業者とは
外壁塗装が成功したかどうかは、数ヵ月から数年を経てやっと分かるものです。
悪質業者であれば、補償を逃れる方法はいくらでも用意しているでしょう。
やはり地元で長く続けている業者が安心と言えます。
外壁塗装のトラブルについてはこちらでも詳しくご紹介しています。
投稿が見つかりません。外壁塗装について知っておきたいこと
外壁材別 外壁塗装の時期
外壁塗装の時期は元々の壁の素材によっても大きく違いますので、以下の目安を参考にして下さい。
壁面の材質 | 外壁塗装の塗り替え時期の目安(年) |
窯業系サイディング | 8~10 |
金属系サイディング | 10~15 |
モルタル | 10~15 |
タイル | 25~35 |
ALC | 25~35 |
外壁塗装の際同時にやっておきたいこと
外壁以外にも家の外回りでメンテナンスの必要な部分はたくさんあります。
- 屋根塗装
- 雨どい交換
- ベランダ防水
などです。
住みながらの工事はできるだけまとめて終わらせたいですよね。
高所での作業には足場が必要になりますから、費用の面でも同時がお勧めです。
おおよその金額を挙げておきますので参考になさって下さい。
金額(円) | |
屋根塗装 | 20~35万(シリコン塗料) |
雨どい交換 | 20~25万 |
ベランダ防水 | 20~40万(FRP)(※) |
ベランダ防水のFRPとはシート状になった防水繊維を貼り固める工法のことで、軽量で丈夫な床面に仕上がるといったメリットがあります。
屋根塗装塗り替えについてはこちらでも詳しくご紹介しています。
外壁塗装の費用シミュレーション まとめ
外壁の塗料を塗りなおすことで壁そのものを長持ちさせ、美しく保ちたい。
この必須のメンテナンスを安心して行えるようにシミュレーションをしました。
外壁の塗りなおしには約2週間かかります。
その間、家の外には足場が組まれ、物音や塗料の匂いを我慢する必要もあります。
大切な家のメンテナンスの期間を明るい気持ちで過ごすためには、施工業者との信頼関係も重要です。
読者様の家が、美しく塗り替えられ、ご家族の生活を末永く守り続けることを願います。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
\信頼できる業者をお探しの方に/
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