家の屋根の塗装をそろそろやった方がいいのかな…となった時、DIYでやってみようかなと考える方もいると思います。
- 屋根塗装を業者に頼んだら、費用が高いだろうな…
- DIYだったら、いくらかかるのかな?
そこで今回は、DIYで屋根塗装をするにはどのくらいの費用が必要なのか。
それぞれの塗料の種類とDIYでおすすめの塗料についてお話したいと思います。
費用相場を知って、DIYで自分好みの屋根を作るための準備を始めましょう!
DIYで屋根塗装をしたい! 業者とDIYの違い
屋根は紫外線や雨、風などから家を守る役目を果たしています。
ですが、過酷な外部環境の影響を直接受けるため、痛みやすく劣化の進行が速いのです。
場合によると外壁の2倍の速さで劣化すると言われています。
それにも関わらず、屋根は高いところにあり、普段目にする箇所ではないため、劣化の進行に気づきにくいのです。
屋根の劣化を放置してしまうと、雨漏りなどがすすんでしまいます。
そして、家の内部が腐食して耐久性が下がる恐れが出てきてしまうのです。
塗装補修するのであれば、しっかりと行いたいですね!
では、DIYと業者の差はどこにあるのでしょうか。
塗料の耐久性や仕様の違い
実はホームセンターなどで売られている塗料は、一般向けに扱いやすく作られているものです。
プロが使う塗料とは、耐久性や仕様などが異なっていて、特に耐久性については差があります。
一般向けに売られている屋根用塗料には高耐久と書かれているのもあります。
ですが、はっきりした耐久年数は表示されていません。
おそらくプロ用の半分から1/3程度の年数なのではないかと推測されます。
最近では一般向けの塗料にも性能の高いものが増えてきています。
diyで屋根の塗装をする為には、屋根の素材にあった耐久性が良く、かつ機能性の高いものを選ぶのがおすすめです。
DIYで屋根塗装する場合の相場は?
まず、屋根の塗装をDIYで行う場合の、大まかな価格を見ていきましょう。
一般的な2階建住宅の屋根を塗装する総額は20〜35万円程です。
ではこれを業者に頼んだとしたら、総額はおおよそ40〜65万円程です。
DIYが安いのか、業者が高いのか、総額だけではちょっとわからないですね。
それぞれの内訳は何が違うのか
まず、DIYで行う場合の内訳です。
- ローラーやハケなどの道具 10,000〜20,000円
- ハーネス・安全靴・ヘルメットなどの道具 15,000〜42,000円
- タスペーター(※1) 約20,000円
- シーラー(下地材) 5,000〜15,000円
- 塗料 10,000〜40,000円
- 足場代(※2) 150,000〜200,000円
という感じです。
※1 ) タスペーターとは、スレート瓦の塗装の際に、塗料による瓦と瓦の隙間の目詰まりを防ぐためのもの。
※2) レンタルのみの費用。ただし足場を組むには資格が必要な為、誰でも組めるわけではない。
次に、業者に頼む場合の内訳です。
- 塗料等20%(80,000~130,000円)
- 人件費30%(120,000~195,000円)
- 足場代20%(80,000~130,000円)
- 利益30%と(120,000~195,000円)
となります。
ここで、ポイントとなるのが業者に頼んでかかる費用のうち、人件費と利益で総額の半分ということです。
するとDIYで作業をすると、いかに安くできるかというのが見えてきます。
塗装の前に、屋根の高圧洗浄を行ったり、サビや破損などの箇所がある場合は、業者への支払額も上がります。
DIYの場合にも必要な物が増えるので費用は上がることもあります。
DIYで屋根塗装をしたい! 塗料の機能と種類について
屋根材塗装に使われている塗料の種類について紹介していきます。
塗料はホームセンターで売っているものと売っていないものがあります。
一般向けではない塗料は、塗料の専門店やインターネットの業者向けサイトで買うことができます。
塗料の種類もDIYとプロは少し違う
DIYとプロが使う塗料は少し違います。
おもに使われる塗料をご紹介しますね。
アクリル塗料は、昔から使われている塗料です。
価格は安いのですが、耐久性の短さが大きな難点であり、シリコン塗料などのランニングコストの良い塗料が注目されるようになってからは、あまり使用されなくなってしまいました。
耐久性は低いですが、短期間で塗り替えをしたいお宅には最適な塗料といえます。
ウレタン塗料は、仕上がりの光沢が良く塗料で、付着性に優れています。
ですが、その光沢の保持率は悪いので、耐用年数が短くなってしまう傾向にあります。
シリコン塗料の出現により、アクリル塗料と同様にあまり採用されなくなってしまいました。
アクリルとシリコンの成分が配合された塗料で、互いの良い部分を持った塗料です。
シリコン塗料よりは安く、アクリル以上の耐久性があるので、費用を抑えつつ耐久性を追求したい場合にオススメです。
シリコン塗料は、耐久性も良く費用も抑えられるので、一般住宅によく採用される塗料です。
紫外線にも強く汚れにも強いので、手頃な価格にしては屋根塗装にとても適している性質をもっています。
この他にプロの業者では、「セラミックシリコン塗料」や「フッ素系塗料」というのも使われています。
耐久性が良いものが多いですが、2液に分かれているなど扱いが難しいため、ホームセンター等では販売されていません。
水性塗料と油性塗料はどう違う?
塗料は色々な種類に分かれていますが、さらに「水性」と「油性」についても分かれています。
その違いは何なのでしょう。
- 水で溶かしている
- ニオイは弱い
- 基本的には耐久性はあまり強くない
- 油性溶剤で溶かしてある
- ニオイがとても強い
- 水性よりも仕上がりが美しくなる
- 耐久性が高い
まず一番の違いは、色の元となる「顔料」や「樹脂成分」を水で溶かしてあるか、油性溶剤で溶かしてあるかです。
又、水性はニオイが弱く、油性はとても強いです。
強いニオイだと有害だと思われがちですが、そうとは言い切れない部分もあるようです。
一般向けのものは屋外で使用するには問題ないように作られています。
油性の方が耐久性も仕上がりも良いのですが。
最近では水性でも油性に劣らない耐久性を持った塗料があるので、それもよく検討してから塗料を選んだ方が良いでしょう。
また、屋根材によっては水性しか使えないもの(アスファルトシングル等)もあります。
材質がわからない場合は専門の方に確認をしてください。
塗料の持つ色々な機能
近年の建築での現場では、素材そのものに様々な機能を持たせたものが多くあり、塗料もその一つです。
屋根用の塗料にも、屋根や家屋、そして住む人のための機能を持ったものが人気です。
日光を反射させることにより、塗膜や屋根表面の温度上昇を抑えることができる塗料です。
そうすることで室内温度の上昇を抑えたり、家屋の熱劣化も抑えることが出来ます。省エネ効果が高いので人気のある塗料です。
室内温度を下げたかったり、エアコンなどの光熱費を削減したい方におすすめです。
塗膜の中に中空ビーズが入っていて、太陽光からうける熱を塗膜に溜め込むことで、室内に熱を伝わりにくくする機能を持つ塗料です。
熱の移動もとても少ないので、冬は室内温度を外に逃さないといった効果もあります。 寒い地域の方にもおすすめです。
一般的に15年以上もつとされるものを高耐久性塗料といい、他種類の塗料に比べて、塗り替えの回数が少なく済むので、コスト面で大きなメリットがあります。
遮熱や断熱の機能を持つ塗料に多く見られます。 できるだけ塗り替えの回数を少なく済ませたい、ランニングコストを抑えたいという人にぴったりな塗料です。
他にプロ用塗料には「光触媒塗料」という、太陽光の力で汚れを浮き上がらせ、雨で流すという機能を持った塗料もあります。
ホームセンター等ではまだ見かけませんが、事業者向け通販サイトでは扱いがあります。
インターネットで探してみるのも良いかもしれません。
おすすめの塗料
オンラインストアなどで人気のある商品を一部紹介したいと思います。
¥9,350~
安価で高品質の商品。 アルキド樹脂ベースで、光沢・付着性に優れ、刷毛塗り作業性が良く、塗替えに適しています。トタン屋根等用。
¥11,537~
遮熱顔料と高耐久アクリル・シリコン樹脂配合のWブロック効果で、紫外線・排ガス・雪・酸性雨など外敵から建物を守り、長期間風合い・ツヤを保ちます。臭いが少なく、乾燥も速く、使いやすい水性タイプ。セメント系・スレート系瓦、トタン屋根用。
¥17,490~
遮熱顔料と高耐久アクリル・シリコン樹脂配合のWブロック効果で、紫外線・排ガス・雪・酸性雨など外敵から建物を守り、長期間風合い・ツヤを保ちます。光沢が優れ、トタンのサビに強い油性タイプ。セメント系・スレート系瓦、トタン屋根用。
¥11,204~
1回塗りで仕上がるので作業性が抜群で、特殊アクリル樹脂の採用で耐候性が良いです。トタン屋根に。
¥12,709~
特殊顔料により太陽光の赤外線を反射し、屋根の表面温度の上昇を抑えます。シリコンアクリル樹脂、HALS(紫外線劣化防止剤)配合により、耐候性が優れています。セメント系・スレート系瓦、トタン屋根用。
DIYで屋根塗装する時は、屋根の素材も重要視する
自分でDIYをする時には、屋根の素材についても知っておく必要があります。
理由は後ほど説明しますが、まずは屋根に使われている素材について説明ていきますね。
粘土系 | 粘土瓦(釉薬、無釉) | 粘土を成型して焼き上げた瓦。耐久性が良く耐火性にも優れているが、重量があるので家屋自体の耐震性などが必要。 | 屋根の下地等の漆喰部分の定期的なメンテナンスは必要だが、基本的に塗装は必要ない。 |
セメント系 | コンクリート瓦 | セメントと砂を原料として作られる瓦。製造の方法で分類されている。重量があるので家屋の耐震性が必要。 | 屋根の下地等の漆喰部分の定期的なメンテナンスが必要。13~15年毎に塗装補修が必要。 |
プレスメント瓦 | |||
スレート系 | 化粧スレート | セメント成分に繊維質の原料を混ぜて作られた薄めの屋根板。広く使用されていてバリエーションが豊富。 | スレートそのものの耐久性はそれほど高くないが、機能塗料を塗ることで耐久性を上げることができる。 |
天然スレート | |||
金属系 | トタン | 亜鉛メッキ鋼板の屋根材。雨漏りしづらく軽量・安価なので昔はよく使用されていたが、最近は減少傾向にある。 | 約7~10年毎に塗装が必要。元々断熱性が低いので、断念性の高い塗料を使用するのがおすすめ。 |
ガルバリウム鋼板 | 亜鉛に55%アルミニウムを混ぜてつくられた鋼板。耐久性・加工性が高く、とたんに比べて圧倒的に錆に強い。 | 約15~20年毎に塗装が必要。断熱性が低いので断熱性の高い塗料を使用するのがおすすめ。 | |
ジンカリウム鋼板 | ガルバリウム鋼板の表面に細かな石粒を吹き付けた屋根材。耐久性が高く、防錆性もとても高い。 | 表面が石材なので塗装はできない。 | |
ステンレス | ステンレスは圧倒的に錆に強いので、海岸部の住宅等によく検討される。耐久性が高く腐食にも強い。 | 表面の塗装は10年程度で色褪せが出てくるが基本的に塗装は不要。色褪せが気になる場合は塗装しても良い。 | |
銅板 | 厚みによるが、耐久性がとても高い。一般家屋にはあまりなく、お寺や神社などの屋根材に用いられる事が多い。 | 塗装はしない。銅その物の変化により緑色になったあとはほぼ変化は見られない。 | |
その他 | アスファルトシングル | ガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けてある。シート状で複雑な屋根の形状にも施工しやすいのが特徴。 | 最新のものは30年以上メンテナンスフリーと言われているが、一般的なものは10年程度のサイクルで塗装が必要。 |
以上のような感じに分類されます。
屋根の素材と屋根剤が合うかどうかを確認するのは重要です。
中には、塗装を必要としない素材もあります。
自分の家の屋根剤を調べて、本当に塗装が必要かを確認してから、素材に合った塗料を選びましょう。
diyで屋根塗装するなら 塗料の種類と相場を知りたい‼︎についてのまとめ
今回は屋根塗装をDIYで行う場合の、塗料の種類と相場について話をしてきました。
僕はDIYの醍醐味は、「費用の削減」と「達成感」ではないかと思っています。
業者に頼むと、もちろん安全で安心ではありますが、約40~65万円ほど費用がかかってしまうというデメリットがあります。
安く費用抑えることができ、自分好みに仕上げることができるのは、DIYの良いところですよね。
それでは、DIYで屋根塗装する時の相場やポイントについて、まとめていきます。
- ローラーやハケなどの道具 10,000〜20,000円
- ハーネス・安全靴・ヘルメットなどの道具 15,000〜42,000円
- タスペーター(※1) 約20,000円
- シーラー(下地材) 5,000〜15,000円
- 塗料 10,000〜40,000円
- 足場代(※2) 150,000〜200,000円
DIYで一般的な2階建住宅の屋根を塗装する総額は20〜35万円程。
- 屋根塗装のDIYの最大のメリットは、かかる費用が約半分
- 最近のDIY用塗料は機能性が良いものが出てきている
- 上位ランクのプロ用塗料もネットで買えるのでオススメ
- DIYで使われる塗料と、プロ用塗料には耐久性に差がある
- 水性と油性の違いもあるので考慮が必要
- 屋根材によっては塗装が要らないものある
- 屋根の材質によって使える塗料も様々なので、よく調べる。
- わからない場合は、プロに相談してみる。
今回の記事が屋根の塗装を迷っている方の手助けになれば嬉しいです。
素敵な屋根に仕上がりますように!
屋根のリフォームを業者に頼む場合の費用はこちらの記事でも詳しく書いています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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