日本に住んでいると、各地で毎年のように台風や大雨の災害が起こっているのを目にしますね。
「経験した事のない様な大雨になるでしょう。」というフレーズを新聞やニュースで目にして怖いな…と感じてしまう方も少なくないでしょう。
台風による風で屋根に何かがぶつかって瓦が割れてしまったり、雨漏りの危険にさらされている屋根も多いかと思います。
雨漏りが起きたり不具合が起こる前に何とかしたいですよね。
- 瓦のリフォームをしたいんだけど、単価費用ってどのくらいなの?
- 瓦ってどのくらいの耐用年数なの?
そんな読者様のお悩みを解決すべく、今回は屋根材「瓦」のリフォームをする際の単価費用や耐用年数についてお話ししていこうと思います。
瓦の特徴を知って、お宅にピッタリのリフォームをしてくださいね!
瓦の単価費用や相場はいくらくらい?
それぞれ種類や特徴も違うから、詳しく説明していくね。
粘土瓦
昔から使われていて、日本の風土に適しているのがこのタイプです。
その名の通り、粘土を瓦に形成し高温で焼きます。
耐久性や遮音性に優れていて、雨音も気になりません。
デメリットは価格の高さと重量です。
他の屋根材に比べて重たく、建物にかかる負荷が大きくなるので耐震性が劣ります。
粘土瓦には「釉薬瓦」と「無釉薬瓦」の2タイプあります。
1.釉薬瓦
引用:リショップナビ
粘土で瓦の形を作った後、釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の薬剤を塗り、高温で焼いたものです。
お皿やお茶碗など陶器を作る工程と同じなので、陶器瓦とも呼ばれています。
釉薬を塗ることで耐水性が上がり、色ツヤを長持ちさせる事ができます。
また釉薬の種類によって好みの色に仕上げる事ができるので、和洋どちらの雰囲気にも合うでしょう。
単価費用は1㎡あたり、5,000円からで高級なものだと15,000円以上するものもあります。
一般的な戸建て家屋の面積が約80㎡〜120㎡と言われています。
例えば100㎡の家屋の屋根だとすると、リフォーム費用の相場は約50万円〜150万円程度です。
- 水が浸透しにくく、耐久性に優れている。
- 色の種類が豊富である。
- 単価費用は1㎡あたり5,000円から。
- リフォーム費用の相場は約50万円〜150万円。
2.無釉薬瓦
その名の通り、釉薬を塗らずに焼く瓦の事を無釉薬瓦といいます。
古くからある寺院や城に使われている事から、耐久性がある事がわかります。
「いぶし瓦」「素焼き瓦」「煉込瓦」「窯変瓦」などの種類があります。
その中でも多く使われている「いぶし瓦」と「素焼き瓦」について説明します。
【いぶし瓦】
引用:リショップナビ
焼いた後、窯の中でいぶす事によって炭素膜を作り、銀色から黒色の渋い色合いになるのが特徴で、和風住宅によく合います。
いぶし具合によって風合いが違う為、均一の色合いになる釉薬瓦とはまた違った美しさがあります。
いぶす際に作られる炭素膜は色合いをつけるだけのものでなく、雨や風から瓦を守ってくれる役割もあります。
単価費用は1㎡あたり8,000円~13,000円です。
100㎡の屋根のリフォーム費用の相場は約80万円〜130万円程度です。
【素焼き瓦】
引用:リショップナビ
粘土をそのまま焼いた風合いが特徴で、明るい屋根にしたい人や洋風の住宅によく合います。
赤みが強いので「赤瓦」と呼ばれることもあります。
また薬剤や炭素が付いていない為、軽くて耐久性に優れています。
単価費用は1㎡あたり5,000円と安く、高級なものでも9,000円程度です。
100㎡の屋根のリフォーム費用の相場は約50万円〜90万円程度です。
- いぶし瓦は渋い色合いが特徴で和風住宅に合う。
- 素焼き瓦はナチュラルな色合いが特徴で洋風住宅に合う。
- 釉薬瓦よりは耐久性が落ちる。
- 単価費用は1㎡あたり、いぶし瓦で8,000円~13,000円、素焼き瓦で5,000円~9,000円。
- リフォーム費用の相場は、いぶし瓦で約80万円〜130万円、素焼き瓦で約50万円〜90万円。
金属瓦
引用:屋根工事お助け隊
アルミ、鋼板、フッ素鋼板、ステンレス、またそれらを複合したものを使用した瓦です。
最近では耐久性やデザイン性がアップした、ガルバリウム鋼板を使ったものが増えています。
単価費用は1㎡あたり、6,000円~9,000円程度です。
100㎡の屋根のリフォーム費用の相場は約60万円〜90万円程度です。
サビに強く、軽くて加工がしやすい為、リフォームの際によく使われています。
粘土瓦に比べて軽いので耐震性が強く、防水性も高いのが特徴です。
ただ、薄い金属なので雨音が響きやすく、傷や凹みが出来やすいのが欠点です。
- 加工しやすいので屋根の形状に合わせやすい。
- 軽量なので地震に強く耐震性が高い。
- 素材が金属なので耐火性に優れている。
- サビに強いので耐久性、耐熱性に優れている。
- 単価費用は1㎡あたり、6,000円~9,000円。
- リフォーム費用の相場は約60万円〜90万円。
スレート瓦
引用:有限会社ナカヤマ彩工
主にセメントを主成分としていて、厚さ5~7mm程度の薄くて平らな瓦です。
一般的に「化粧スレート」と呼ばれ、セメントと繊維素材を使用しています。
「天然スレート」というものもありますが、こちらは国内ではほとんど使用されていません。
化粧スレートは色や柄が豊富で、施工がしやすく価格も安いというのが特徴です。
単価費用は1㎡あたり、4,000円~8,000円程度です。
100㎡の屋根のリフォーム費用の相場は約40万円〜80万円程度です。
軽量で耐震性に優れていますが、凍害に弱く寒冷地にはあまり向かないようです。
2004年以前に作られたものには発がん性物質のアスベストが入っているものがあるそうです。
撤去の際の取扱いが厳重で費用もかかるので、気になる方は業者に確認を取った方が良いでしょう。
- 色柄の種類が豊富で材料が安価。
- 施工がしやすい。
- 軽量で耐震性に優れている。
- 単価費用は1㎡あたり、4,000円〜8,000円。
- リフォーム費用の相場は約40万円〜80万円。
瓦の耐用年数を種類毎に紹介!
瓦の単価費用とリフォーム費用の相場が分かったところで、それぞれの耐用年数についてみていきましょう。
粘土瓦
1.釉薬瓦
ガラス質の釉薬がコーティング材となり、雨が浸透して割れたり劣化するのを防いでくれるので、かなり耐久性に優れている瓦です。
耐用年数は約50年~60年で、半永久的に持つので長期間瓦自体のメンテナンスが不要だと言われています。
製造過程で1000℃以上の高温で焼き上げるので、屋根の上の温度変化くらいでは、びくともしないようですね!
2.無釉薬瓦
【いぶし瓦】
高温で焼き上げる時に作られる「炭素膜」が色彩や防水性を高めてくれます。
耐用年数は約30年~50年で、炭素膜の劣化がいぶし瓦の寿命になります。
【素焼き瓦】
粘土をそのまま高温で焼くので、光沢のない自然な優しい風合いが特徴です。
ヨーロッパの瓦にも多く使われています。
耐用年数は約40年~50年で、メンテナンスが少なく済みます。
金属瓦
ガルバリウム鋼板を使った瓦はサビに強く、熱を反射させやすいので耐熱性や遮熱効果もあります。
耐用年数は約30年ですが、経年劣化してくるので10年くらいでメンテナンスが必要になります。
スレート瓦
軽量でデザインも豊富、価格が安いのが特徴のスレート瓦ですが、一方で割れやすく耐久性が低いとも言われています。
耐用年数は約25年前後ですが、紫外線に弱く経年劣化しやすいので10年おきに塗装などのメンテナンスが必要になります。
瓦のリフォームってどんなことをするの?
リフォーム方法は色々ありますが、瓦は1枚から交換する事が可能です!
なので割れてしまった瓦のみを交換する事もできますし、塗装が剥げてしまった瓦のみを塗装することもできます。
雨漏りする場合も一部の交換で補修する事が可能なので、瓦屋根はリフォームがしやすいと言っても良いでしょう。
葺き替え
今ある屋根を撤去して、新しい屋根に交換する事を「葺き替え(ふきかえ)」といいます。
葺き替えする場合、既存屋根の撤去、下地工事、防水シート、役物工事と瓦の費用以外に工事費用もかかります。
引用:リフォームナビ
工事費だけで約50万円〜120万円かかる事が分かりますね。
それぞれの瓦に葺き替える際の合計費用もみて見ましょう。
材質 | 屋根面積100m2の場合の葺き替え費用相場 |
釉薬瓦 | 約100万円〜270万円 |
無釉薬瓦 | いぶし瓦 約130万円〜250万円/素焼き瓦 約100万円〜210万円 |
金属瓦 | 約110万円〜210万円 |
スレート瓦 | 約90万円〜200万円 |
選ぶ瓦によって、価格も大きく違う事が分かりますね。
- 屋根のたわみや歪み等、著しい劣化がある場合。
- 広範囲に渡って雨漏りがある場合。
- 屋根の雰囲気を大きく変えたい場合。
この辺りに問題があれば、葺き替えした方が良いと言えます。
陶器瓦から金属瓦にする場合、かなり軽量化されるので、家の耐震性が上がります。
注意点として、金属瓦から陶器瓦にしたいという場合は、重さに耐えられないという問題があるので葺き替えをしない方が良いでしょう。
重ね葺き
今ある屋根を撤去せずに、その上から屋根材を被せる方法を「重ね葺き(カバー工法)」といいます。
ただ瓦屋根は重ね葺きが難しいとされています。
屋根の重量が重くなり、建物全体に負担がかかり耐震強度が弱くなる危険性があるからです。
瓦屋根であれば、一部補修が可能なのでリフォーム会社に相談するのが一番です。
葺き直し
一度、瓦を取り外して屋根の下地を交換、補修してから瓦を再利用する方法を葺き直しといいます。
瓦には問題がないけれど、雨漏りをする時や下地の補強をする場合に適しています。
瓦を再利用するので、瓦の撤去費用もかからず、環境にも優しく費用も抑える事ができます。
葺き直しの費用相場は100㎡で約100万円〜140万円程です。
選ぶ業者によっても価格が違うので、必ず2~3社から見積もりを取ることをオススメします。
瓦屋根のリフォームのタイミングは?
リフォーム方法がわかったところで、瓦にどんな症状が起きているとリフォームした方が良いのでしょうか。
ご自宅の瓦も確認しつつ、見ていただけたらと思います。
割れ、ズレが起きている
引用:ツナイ洋瓦
引用:ツナイ洋瓦
瓦は耐久性があるとお話ししてきましたが、台風による風などで何かがぶつかり、割れてしまう場合があります。
また地震の揺れでズレが生じてしまう事もあります。
瓦は1枚1枚が重たいので、割れやズレを放っておくと雨漏りが起きたり、構造的に弱くなってしまいます。
長い間放置しておくと、最悪の場合、屋根が崩落・・なんて事になってしまうかもしれません。
補修の費用が大きくなる前に、こういった症状を見つけたら早めに補修しましょう。
コケが生えている
引用:幸志創建。
スレート瓦やセメント瓦はコケが生えやすくなっています。
コケの種類や家の立地環境によっては雨漏りを引き起こす可能性もあります。
放置せずに洗浄したり、再塗装することをおすすめします。
引用:神清
粘土瓦は、スレート瓦やセメント瓦に比べるとコケは生えにくい材質です。
ただ立地環境によっては上の写真のように、コケが生えてしまう事はありますが、スレート瓦やセメント瓦のように再塗装の必要はありません。
洗浄するだけで大丈夫です。
高圧洗浄機を使って行うので、必ず業者にお願いをする必要があります。
自分で洗浄すると雨漏りを引き起こす可能性があるからです。
高圧洗浄機があるお宅だと、やりたくなってしまいますが、そこはグッと堪えて業者にお願いしましょう。
たわみ、歪みがある
たわみとは、瓦による重さで屋根の下地がたるんでしまうことです。
本来真っ直ぐでなくてはならない屋根がたるんでしまうと、隙間ができてしまいます。
引用:住まいるレシピ
こういった状態になると、雨漏りや下地が腐るなどしてしまいます。
このような状態は雨漏りはもちろん、ドアや窓などの建て付けも歪ませてしまう可能性があります。
たわみや歪みも早く見つける事ができれば、簡単な補修工事で済みます。
瓦屋根の単価費用と耐用年数を詳しく解説!のまとめ
今回は瓦の単価費用と耐用年数について、お話ししてきました。
沢山の種類があり、瓦ごとに単価費用も耐用年数も違う事がわかりましたね。
屋根の種類 | 粘土瓦 | 金属瓦 | スレート瓦 |
耐用年数 | 約30〜60年 | 約30年 | 約25年前後 |
単価費用 | 5,000円〜15,000/1m2 | 6,000円〜9,000円/1m2 | 4,000円〜8,000円/1m2 |
重量 | 重たい | 軽い | 軽い |
メンテナンス | 半永久的 | 約10年ごと | 約10年ごと |
瓦屋根はとても雰囲気があり、見た目も華やかです。
次はどんな瓦屋根にしようか、考えるとワクワクしてきますね!
屋根のリフォームは、そう何回もするものではありません。
こまめに下地等のメンテナンスをしていけば、瓦自体は1枚から補修する事が可能ですから費用を抑えることが出来ます。
この先長く家を守ってくれる屋根になるよう、素敵な瓦屋根のリフォームを叶えてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
[nurikae-yanezai]
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