以前は外壁材として主流だったモルタル。
気がつけば、現在の主流はサイディングというおしゃれなデザインの外壁です。
モルタルもかなり傷んできたから、これを機にサイディングにしてみようかなとお考えの方も多いと思います。
「モルタルとサイディングどっちがいいのかしら?サイディングにしてから後悔しない?」
「費用はどのくらいかかるのかしら?この会社の見積もり高くない?」
「工事の方法が2つあるみたいだけど、どっちにしよう?」
こんなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?
この記事をお読みいただくと、このようなことがわかります。
- モルタルとサイディングの違い
- モルタルからサイディングにするときの工法と費用
- サイディングに変えたあとのメンテナンス方法
モルタルからサイディングにしようかお悩みの方が、ご参考にしていただけるように説明していきますね。
【外壁リフォーム】モルタルとサイディングを比較!
まずは、モルタルとサイディングの特徴を比較してみよう。
サイディングに変えるかどうかの参考にしてみてください。
モルタルってどんな外壁?
モルタル外壁とは、砂やセメントを水で練って混ぜたものを下地の上に塗ってできた外壁です。
左官工事が必要なため、その分工期が長くかかりますし、仕上がりは職人さんの腕次第で変わってきます。
手で触れると白い粉がつく(チョーキング)、ひび割れが起こるなどの症状が出始めたら、補修のタイミング。だいたい10年ほどで補修が必要になることが多いです。
サイディングって何?
サイディングは板状に加工された外壁材のことで、板と板のつなぎ目にコーキングというゴムを注入して壁に張りつけていきます。
工場で生産しているので、品質が安定していて、業者の技術に左右されにくいことも安心ですね。
職人さんの手間がかからない分、比較的費用が安く、工期も短くて済むため手軽に取り入れやすい外壁材です。
次は、特に人気のある「窯業系サイディング」、「金属系サイディング」について詳しく説明していきますね。
窯業系サイディング
引用:日本窯業外装材協会
窯業系サイディングはセメントと土、繊維などを混ぜ合わせ、窯で高温処理してできた外壁材です。現在、7割以上の建物で使用されています。
そのデザインの豊富さと比較的価格が手軽なこと、施工のしやすさが人気です。
メリットは防火性にすぐれていること。
モルタルに比べると半分ほどの重さのため、耐震性もあり家屋への負担も少ないです。
通気性も良く、結露を防いだり、湿気対策もできます。
デメリットは、窯業系サイディング自体に耐水性がないことです。
塗装をすることで防水性を保持していますが、塗装の膜がはがれてしまうと水を吸収してしまいひび割れやそり返りの原因になります。
板同士をつないでいるコーキングが痛みやすいこともデメリットです。
金属系サイディング
金属系サイディングは金属板と断熱材が重ねられた外壁材です。
表面の金属にはアルミニウム、ステンレス、ガルバリウムなど様々な金属が使われます。
引用:アイジー工業
メリットは、一枚が軽いので建物への負担が比較的小さく、耐震性があることです。価格も安いものが多く、費用をおさえたい方にもおすすめ。
断熱性、防水性に優れ、凍結にも強いです。
デメリットは、傷やサビ、酸性雨、塩害に弱いことです。美観を保つためには、定期的にメンテナンスをする必要があります。
また内部に熱は伝わりにくいですが、外壁材自体は熱を吸収しやすい性質があります。高温になるほど、傷や変形の影響を受けやすいです。
モルタルとサイディング比較してみました!
モルタル、窯業系サイディング、金属系サイディングの特徴を表にまとめてみました。
モルタルからサイディングにすることでおしゃれなデザインにできることに加えて、様々な機能性を備えることもできますね。
一方で、サイディングは板のつなぎ目であるコーキングが傷みやすいことに注意が必要です。劣化していないか日頃から気にかけておきましょう。
気になるメンテナンスについては改めて最後に説明しますね。
外壁をモルタルからサイディングにリフォームするときの工法
モルタルをサイディングにするときの施工方法は2つあります。
- モルタルをはがしてからサイディングを張る方法
- モルタルの上からサイディングを重ね張りする方法
どちらにするかによって費用も違ってきますので、しっかりと選びたいところですよね。
張替え工法
現在のモルタル外壁をはがしてから、内部を整えサイディングを張る方法です。
メリットは内部の損傷具合を確認して、必要であれば断熱材や防水シートを交換するなど内部のメンテナンスも同時に行うことができることです。
デメリットは手厚い補修ができる分、費用がかかり、工期も長めになることです。工期はおおよそ3週間~1ヶ月ほどかかります。費用は200万円~が目安です。
重ね張り工法(カバー工法)
現在のモルタルの外壁に傷みが少ない場合は、モルタルの上から重ねてサイディングを張る工法をとることができます。カバー工法とも言います。
メリットはモルタルをはがさない分、費用を安くおさえられ、工期も短めにできることです。モルタルの上からサイディングを重ねるため、断熱性や防音性もアップします。
工期はおおよそ1~2週間ほど。費用は150万円~が目安です。
デメリットは、モルタル外壁の中がどうなっているか確認することができないので、内部に傷みがあったとしても補修することができないことです。
またモルタル外壁の上にさらにサイディングの重みがかかるので、建物の負担になり、耐震性は張替え工法より劣ります。
どちらを選んだらいい?
比較しやすいように、表にまとめてみました。
カバー工法を選択できるのは、現在のモルタル外壁の損傷が激しくない場合だけです。
外壁の傷みが激しく、内部まで損傷してしまっている場合には張替え工法がおすすめです。
張替え工法で内部まで補修できれば、ぐっと外壁の寿命を延ばすことができます。
一方、外壁の傷みが少ない場合にはカバー工法を選択することで、モルタルの解体費用がかからない分の費用を安くおさえることができます。
ただし、この場合耐震性を考えるなら、より軽量である金属サイディングがおすすめです。
外壁をモルタルからサイディングへリフォーム!その費用を徹底解剖
モルタルからサイディングにリフォームする費用相場は、張替えの場合は200万円~、重ね張りの場合は150万円~でしたね。
と、言われても大ざっぱ過ぎてピンときませんよね。
では、具体的に何にどのくらいの費用がかかるのかお伝えしていきます。
費用の決まるポイント
モルタルからサイディングにリフォームするときの費用を大きく決めるのは、次の3つのポイントです。
- サイディングの種類
- 塗料のグレード
- 工法
一つずつ説明していきますね。
【サイディングの種類】
サイディングは種類によって、価格がさまざまです。
1㎡あたりの目安は、
- 窯業系サイディング 4,000~6,000円
- 金属系サイディング 3,000~5,000円
ほどです。
1㎡あたりでこれだけの幅がありますから、外壁全体となると、どのサイディングを選ぶかでかなり総費用が変わってきます。
【塗料のグレード】
サイディングの上には耐久性を良くするために塗料を塗ります。その塗料のグレードによっても総費用は大幅に変わってきます。
塗料別の1㎡あたりの金額は以下の通りです。
- アクリル系塗料 1,000~2,000円
- ウレタン系塗料 1,500~2,500円
- シリコン系塗料 2,000~3,500円
- フッ素系塗料 3,000~5,000円
もちろん価格が上がるほど、耐久性も上がります。一般的には、シリコン塗料を使用することが多いようです。
耐久性と予算のバランスを上手にとって選びたいですね。
【工法】
重ね張り工法と比べて、張替え工法では現在のモルタル外壁をはがす費用やはがしたモルタルの運搬費用が必要になるので、その分費用がかさみます。
重ね張り工法であれば、それらの費用がかからない分、安く済みますね。
モデルケース
分かりやすいように、一般的な住宅30坪(120㎡)の外壁をモルタルからサイディングにリフォームした場合の費用を計算してみました。
今回は張替え工法、1㎡あたり4,000円のサイディング、1㎡あたり2,000円の塗料を選びました。
コーキング費用の目安は、10~20万円。業者によっては一式5~10万円としているところもあります。
金額は施工する建物の形や面積によって異なります。建物の形に凹凸が多ければ、その分費用はかさみます。
足場代の目安は、15~20万円。足場を組むスペースが十分にあるか、2階建てか3階建てかなど、状況で変わります。
人件費は30~40万円が目安。総費用の30%程度と言われています。隣の家との間隔が狭い、家の形が施工しづらい形である場合は人件費が高くなりがちです。
今回は張替え工法の場合で計算しましたが、重ね張り工法なら解体費用はかからないですし、運搬費用ももっと安くて済みます。
費用節約のポイント
少しでも節約したい費用。気をつけたいことは、以下の3つです。
- 優良な業者を選ぶ。
- 他のリフォームを同時に行う。
- メンテナンスを小まめに行う。
【優良な業者を選ぶこと】
優良な業者を選ぶためには、見積もりは3社から取ることをおすすめします。
その中から先ほどの目安と比較して、高すぎず安すぎない業者を選びましょう。
そして、訪問営業・キャンペーン価格・モニター価格などには要注意。惑わされずにご自身の目で選んで下さいね。
【他のリフォームを同時に行う】
外壁以外の足場が必要なリフォームを同時に済ませてしまえば、足場の費用が一度で済んで節約になります。例えば、屋根やベランダなどです。
また、足場代無料とうたっている会社もありますが、足場は絶対に必要な費用。
こういった会社では人件費や諸費用など他の費用に上乗せされている可能性が高いので、そこだけで判断しないように気をつけましょう。
【メンテナンスをこまめに行う】
これは、モルタルからのリフォーム自体を安くする方法ではありませんが、今後のリフォーム費用をおさえるために知っておいてください。
それは、メンテナンスを小まめに行うこと、コーキングと塗装の補修の時期を合わせることです。
すぐに取り壊すなどよっぽどの事情がない限り、塗料も安すぎるものを選ばない方がよいでしょう。
費用節約に関わってくるメンテナンスの問題。詳しくは次の章でお話しますね。
外壁をモルタルからサイディングにリフォームした後のメンテナンス
外壁は一度リフォームしたらそれっきり。ではありませんよね。
そこから、外壁との新しい生活が始まります。日頃から気にしてあげることが大切です。
日頃から気をつけて観察しておきたいことは次の4つです。
- コーキングの劣化
- チョーキング
- ひび割れ
- ボードの反り・はがれ
コーキングの劣化
サイディングボード同士をつないでいるコーキングが、サイディングで最も傷みやすい部分です。
引用:株式会社 オハナ
劣化すると内部に雨水が入りこみ、気がつかずにそのままにしていると、内部を含む全面的な補修が必要になってしまいます。
その前に補修するようにしましょう。補修の目安は、7~8年ほどです。
費用は打ち増しで1㎡あたり500円~900円、打ち替えで1㎡あたり700円~1,200円となっています。
チョーキング
チョーキングというのは、下の写真のように、手で直接触れた時に白い粉が付く状態です。
引用:リショップナビ
チョーキングの症状が現れ始めたら、塗料の膜がはがれて、効果が薄れてきている証拠。塗料を塗り直すサインです。
塗料のグレードにもよりますが、目安としては5~10年ほどで塗装が必要になります。
特に窯業系サイディングは材質自体に防水性能がないため、気をつけましょう。
ひび、反り、はがれ
これらのサインに気がつかずにいると、ボードの反り、ひび割れ、はがれの症状が現れ始めます。
ここまでいってしまうと部分的に直すことができず、板ごと張り替えなければならない場合もあります。
さらに、その際に同じ商品がないということであれば、全面的な張替えを検討することになってしまいます。
日頃から外壁に気を配り、小まめにメンテナンスを行うことがサイディングの外壁を長持ちさせるコツです。
モルタルからサイディングへの外壁リフォームまとめ
モルタルに比べてサイディングは、デザインもたくさんの中から選ぶことができ、費用も手頃で施工もしやすいことから人気です。
耐震性、耐火性にも優れた素材です。
- 張替え工法 200万円~
内部の断熱材や防水シートのメンテナンスができる。耐震性も良い。 - 重ね張り工法 150万円~
内部はそのままなので費用・工期が少なくて済む。
ただし、サイディングにした後はメンテナンスが大切です。
チョーキングやひび割れなど外壁の出すサインを日々観察しましょう。
必要なときには塗装やコーキングを補修することで、外壁材を長持ちさせることができ長い目で見るとコスパがよくなります。
モルタルかサイディングか、お悩みを解消する参考にしていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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