家の外観の大部分を占める外壁。
外壁材は常に雨風にさらされているので、経年劣化が激しく定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
居室空間を守るために、外壁には様々な機能が求められます。
そのため、劣化が大きくなると外壁をリフォームしなければなりません。
そこで今回は、以下にについてご紹介します。
「外壁材の役割」「外壁材の種類」「外壁材の選び方」
ぜひ、最後まで読んでみて下さいね!
外壁材の役割

まずは、外壁材の役割をご紹介します。
居室空間の保護
外壁の最も重要な役割は、生活する居室空間を守ることです。
居室空間を外界と完全に隔てることで、雨風をしのぐだけでなく害虫や動物など外的脅威から守ることができます。
安全な空間を手に入れることで、精神的な安心も守っているのです。
デザイン性
家の外観の大部分を占めていて最も人目に着く外壁材は、家全体のデザインを左右する重要なパーツです。
そのため、見た目という部分も外壁材が担う重要な役割のひとつです。
防水・防風性
居室空間をただ単に雨風から守るというだけでなく、家を安全に長持ちさせるために重要な役割です。
家を支える骨組み(躯体)は見えない部分なので、気づいた時にはボロボロで手遅れというケースは少なくありません。
大切な家を雨風の浸食から守る外壁材は、水・風に強い性能が求められます。
防火性
住宅密集地などの住宅は準防火地域になるので、一定の防火基準を満たす性能が求められます。
防火性能は万が一近隣で火災が発生しても、燃え移ることを防ぐために重要な役割です。
耐震性
地震大国の日本において、耐震性能は切っても切り離せません。
地震の時に家の骨組みにダメージがあると、壊れていなくても住めなくなってしまいます。
そのため、地震があったとしてもひび割れたり、変形したりしない耐震性能が求められます。
ただし、外壁をリフォームするときは施工の仕方によって、耐震性能が下がってしまうこともあるので注意しましょう。
外壁材の種類

外壁材には多くの機能が求められますが、全ての機能を満たしているものはありません。
そのため、何を重視するか優先順位を決めて検討します。

サイディング
サイディングとは外壁の仕上げ材として用いられる板のことです。
「窯業系」「金属系」「木質系」の材質に分けられ、それぞれに特徴が異なります。
【窯業系サイディング】


引用:ニチハ株式会社
セメントと繊維質を原料にして、板状に整形・塗装したサイディングです。
レンガ調・石目調・タイル調など様々なデザインがあり、バリエーションが豊富です。
現在、最も普及している外壁材で、全体の7割以上もの割合でこの窯業系サイディングが使われています。
主原料のセメントには、もともと耐水性能がありません。
そのため、目地からの浸水を防ぐコーキング(※)や、表面に防水性能を持たせる塗料などを定期的にメンテナンスしなければなりません。
※コーキングとは建築物の気密性や防水性能を向上させるために、隙間や目地にコーキング材などを充填すること。
コーキング材にはシリコン系・変成シリコン系・ポリウレタン系などがあり、用途によって使い分けられます。
- レンガ調や石目調などのデザインやカラーバリエーションが豊富
- 施工する職人の腕に左右されにくく、比較的品質が均一に仕上がる
- 耐火性能が高い
- 比較的軽量(モルタルの約1/2)なので、地震時に倒壊する可能性が低い
- 施工が容易なため工期が短い
- コーキングや塗料などを数年に一度補修する必要がある
- 赤外線を吸収してしまうため、外壁・室内の温度が上がりやすくなる
- 寿命:30〜40年
- 5〜10年に一度のコーキング補修
- 8〜12年に一度の塗装
- 反り・ひび・破損などが生じた場合、重ね張りや張り替えなどの補修
3,000〜10,000円/㎡
※サイディングのグレード、施工法により異なる
【金属系サイディング】


引用:ニチハ株式会社
薄い金属板の表面材と、断熱性能を持つ芯材で構成されるサイディング。
表面の金属板によって、耐久性能やコストが大きく変わってきます。
浸水や凍結しないので、メンテナンス周期は長めです。
しかし、金属製の材料なので塩害や錆などが発生しやすいため、注意が必要です。
- レンガ調や石目調などのデザインやカラーなどバリエーションが豊富
- 施工する職人の腕に左右されにくく、比較的品質が均一に仕上がる
- 断熱・防水性能が高い
- 劣化しにくく、ひび割れの心配がない
- とても軽量(窯業系サイディングの約1/4)なので、地震時に倒壊する可能性が低い
- 比較的、費用が高い
- 沿岸部では塩害により腐食する恐れがある
- 酸によって腐食するため酸性雨でも腐食する可能性がある
- ほかの金属に接している部分は錆びやすい
- へこむ恐れがある
- 寿命:30〜40年
- 5〜10年に一度のコーキング補修
- 10〜15年に一度の塗装
- 反り・浮きなどが生じた場合、重ね張りや張り替えなどの補修
- 傷・ひび・剥離が生じた場合、状況に応じた補修
ガルバニウム製:3,500〜6,000円/㎡
アルミニウム製:5,000〜8,500円/㎡
【木質系サイディング】


引用:高広木材株式会社
木材をそのまま使用するので、耐久性・寸法安定性(※)が高い木材が使用されます。
自然の木材を生かして高いデザイン性を備える一方で、費用・メンテナンス・耐久性などの懸念点が多いです。
※寸法安定性とは、一般的に温度・湿度などの環境の変化によって材料が膨張や伸縮し、寸法が変化する度合いのこと。
- 独特な風合いや温かみがある
- 一枚一枚の木目や色合いが異なる
- 費用が高い
- カビ・変色・腐食・ひびが発生しやすい
- 防火認定を得たもの以外は、木材なので燃えやすい
- 塗装のメンテナンス周期が短い
- 寿命:30〜40年
- 5〜8年に一度の塗装
5,500〜10,000円/㎡
※使用する木材によって異なる
モルタル


モルタルとはセメント・砂・水を混ぜ合わせて作る建築材料で、外壁材以外にも様々なとことで使用されています。
仕上げ方によってもデザインや特徴が異なり、世界にひとつだけのデザインを作ることができます。
- デザインの自由度が高い
- オンリーワンのものができる
- 断熱・遮音性能が高い
- ひび割れしやすい
- 内部に浸水してしまうと、建物全体の耐久性能が下がる
- 仕上がりの綺麗さが職人の腕によって左右される
- 雨だれによって汚れやすい
- 寿命:30〜40年
- 5〜10年に一度の塗装
- ひび割れが生じた場合、早急な補修が必要
- 定期的な点検が必要
【ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)】


引用:旭化成建材株式会社
ALCとはコンクリートの一種で、内部に気泡があり軽いため軽量気泡コンクリートと呼ばれることもあります。
耐火・耐震・断熱・遮音など、建物の材料に求められる性能を高いレベルで満たしています。
高性能であるALCは、外壁・屋根・床・壁など様々な場所に使われています。
戸建て住宅以外にも商業用施設・官公庁・新幹線の地下ホーム・高層マンションなど、人が多く集まる公共施設にも広く利用されています。
- 耐火・耐震・断熱・遮音性能が高い
- 耐久性能が高い
- 調湿性能に優れている
- 比較的軽い
- 水分を吸水してしまうので、表面塗装などで防水性能を高める必要がある
- 費用が高い
- 寿命:50年
- 10年前後に一度の塗装
- 5〜10年に一度のコーキング補修
リフォームで失敗しない外壁材選び


外壁材を選ぶときに何を重視するかの優先度は人によって様々です。
価格
価格を考慮する上で大事なポイントは、初期費用ばかりに気をとられないことです。
家はリフォームして終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
そのため、メンテナンス費用などのランニングコストが思ったよりかかってしまい、後悔するというケースは非常に多いのです。
価格を検討する際は、ランニングコストなども考慮し長期的な視点で判断しましょう。
デザイン性
前述したように外壁材のデザインは、家全体の外観に関わる重要な部分です。
デザインを検討する上で重要なポイントは、サンプルやシミュレーションで確認すること、光の加減を考慮することです。
サンプルで実際の色合いや質感を確認でき、シミュレーションで家全体の雰囲気やバランスを確認することができます。
そして見落としがちなところが、光の加減を考慮するということです。
外壁材は日光をもろに浴びるため、日向・日陰・夕日・夜間などで色の見え方が微妙に変わってきます。
失敗しないためには、様々なシチュエーションで確認することが重要です。
機能
機能を検討する際はどの機能が欲しいのかに加えて、周りの環境も考慮すると選びやすくなります。
例えば沿岸部の家に金属系サイディングを使ってしまうと、潮風により錆びてしまうので短周期でのメンテナンスが必要になってしまいます。
周りの環境は一軒一軒異なるので、周りの環境を考慮することは非常に重要です。






リフォームで外壁材選びに失敗しないために知っておきたいことの【まとめ】
様々な種類や機能がある外壁材ですが、全ての好条件を満たすものは残念ながら存在しません。
なので、大切なことは自分が重視するポイントを整理して、なんども比較検討することです。
焦って後悔しないためにも事前準備をしっかり行い、計画的にリフォームを進めていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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