2020年以降、蓄電池の需要が高まってきていることをご存知ですか?
省エネ対策や災害時などの影響で停電になった場合の防災用として、購入されるご家庭が増えてきています。
また、すでに太陽光発電システムを導入されているご家庭でも蓄電池の設置をお考えの方も多くいらっしゃると思います。
蓄電池は様々なメーカーから発売されており、自分の家にはどんなタイプが合うのか混乱されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで本記事では下記の点をわかりやすく解説しています。
- 蓄電池設置にかかる費用の相場
- 蓄電池を選ぶポイント
- 各メーカーおすすめの蓄電池とその特徴
- 蓄電池のメリット・デメリット
- 蓄電池の設置費用を抑える方法
「蓄電池を購入するかどうか、まだ検討中」という方も、ぜひ参考にしてくださいね。
【2021年度版】太陽光発電・家庭用蓄電池の設置費用!価格相場は?
先程、省エネや停電時の補助電源として蓄電池の需要が増えてきているとお伝えしました。
ですが、蓄電池購入を検討中のご家庭のなかには、2019年問題がきっかけになった方も多いかもしれません。
2019年問題とは
2009年に開始された太陽光発電の「余剰電力買取制度」簡単にお伝えすると「10年間固定で電気を固定価格で買い取りをする制度」を利用した方々が2019年以降、次々と利用期間終了を迎え、今後余剰電力をどうしていくかという問題です。
また余剰電力買取制度は2012年に終了し、新たに固定価格買取制度(FIT制度)が設けられました。これにより、卒FITとも呼ばれています。
この余剰電力買取制度が導入された2009年は48円/kWhでの買取でした。
しかしFIT制度による2021年の売電価格は19円/kWh(税込み)、2022年は17円/kWh(税込み)と、どんどん価格が下がっています。
こういった理由により、余剰電力を売るよりも蓄電池に貯めておいて家庭で使う電力の自給自足を目指す方が増えてきているんですね。
では、蓄電池の設置にかかる費用はどれくらいなのか、詳しくお伝えいたします。
蓄電池設置にかかる費用の相場
蓄電池の導入費用は蓄電池の本体価格だけではありません。
- 蓄電池本体の購入費用
- 蓄電池設置のための工事費用
大きく分けて、この2種類の費用が必要です。
蓄電池本体の購入費用は、メーカーや蓄電量などで異なりますが、50~200万円ほどが相場です。
そして、蓄電池設置のための工事費用には以下の内容が含まれます。
- 設置場所の事前調査
- 基礎工事
- 蓄電池の取り付け
- 配線などの電気工事
この工事費用の相場は、一般的に20~30万円ほどになります。
住宅用の据え置き型蓄電池を設置する費用で、本体+工事費込みで80~250万円ほどが相場です。
4人家族の場合、家庭用蓄電池の一般的な容量の5kWh〜7kWhですと工事費も含め総額200万円以下に収まる可能性があります。
施工業者により価格差がありますので複数社で見積もりを取ることをおすすめします。
蓄電池を選ぶ前にチェックしたいこと
家庭用蓄電池を選ぶ前にチェックしたいことが4点あります。
- 家庭のニーズに合わせた種類と蓄電容量
- 設置場所に合ったサイズ
- 寿命
- 補償期間や補償内容
それぞれ、詳しく解説していきます。
1.家庭のニーズに合わせた種類と蓄電容量
家庭用蓄電池には、系統接続型(定置型)とコンセント接続型(ポータブル型)があります。
- 系統接続型(定置型)
太陽光発電と連携可能で大容量。
さらに「全負荷型」と「特定負荷型」という2タイプに分かれる。
「全負荷型」は停電時に家のすべての電気を賄うことができるが、蓄電池の電気を早く使い切ってしまうデメリットも。
「特定負荷型」は事前に選んでおいた家電だけに電気を送ることができ、長期間の稼働が可能。 - コンセント接続型(ポータブル型)
工事不要で簡単に使えるが、太陽光発電との連携は不可。
容量は少なく使用できる家電も限られており、200Ⅴのクッキングヒーターやエアコンは動かすことができない。
しかし、価格は定置型に比べると安価。
既に太陽光発電を導入している、または同時に導入する予定があるご家庭には系統接続型(定置型)がおすすめです。
また、家族構成やライフスタイルにより自分の家庭に必要な蓄電容量を把握することが重要で購入の目安になります。
例えば4人家族の1日の電気使用量は、だいたい10kWhです。
停電時の必要最低容量は7kWhほどと考えられ、24時間程度は大丈夫でしょう。
また、家庭用蓄電池の一般的に5kWh〜7kWhとされています。
これらを目安に種類や蓄電量を検討してみて下さい。
2.設置場所に合ったサイズ
最近は室外機程度の大きさのものも多いですが、室内・室外ともに設置場所が必要です。
蓄電池の設置場所は以下の条件を満たしている必要があります。
- 直射日光が当たらない場所
- 極端な高温・低温にならない場所
*適応温度の範囲はメーカーによって違いますので、よく確認してください。 - 雨が直接当たらない、結露しない場所
*降雪地域ですと、基礎を高くしたり軒下や積雪の少ない場所が必要です。
そして塩害や標高の高い場所、また可燃物や粉じんが多い場所などは設置ができませんので、注意が必要です。
そして、蓄電池はコンパクトな物でも重さが50kg以上あります。
事前に、自宅のどこに設置できるかをよく確認しておきましょう。
3.寿命
蓄電池は充放電を繰り返すことで、劣化していきます。
蓄電池の主流であるリチウムイオン電池の寿命は約10~15年(4000サイクル)と言われています。
充電状態が0%→100%→0%と移行すると1サイクルと数えます。
頻繁に充放電を繰り返さない場合は10~15年が目安です。
充放電できる回数はある程度分かっていますのでメーカーに確認しておきましょう。
また部品の交換なども視野に入れる必要があります。
4.保証期間や保証内容
気になる蓄電池を見つけたら、保証期間や保証内容をチェックしましょう。
メーカーにより違いがあるので注意が必要です。
寿命が近くなったら買い替えも頭に入れておかないといけないわね。
保証期間は特に要チェックだよ。
各メーカーおすすめの蓄電池とその特徴
蓄電池の価格は蓄電容量とその性能で決まります。
また、ご家庭の状況に合わせた機能を選ぶことが重要です。
先程、停電時に全ての電気を賄うことができる全負荷型と特定の家電のみに電気を送ることができる特定負荷型があるとお伝えしました。
それに加えてハイブリッド型と単機能型があります。
ハイブリッド型は、太陽光発電との連携を自動で行い余剰電力のロスを減らしてくれます。
太陽光発電と蓄電池を同時購入する場合は、こちらがおすすめです。
単機能型は、単独で動き電気の出力は一定です。
「全負荷型」が多く停電時に性能を発揮します。
太陽光発電を既に導入済みで、蓄電池を後付けしたい方向けです。
参考:3.2Kwhの場合、機器合計300wの電力だと9時間連続使用可能。
各メーカーともに4人家族の一般的な容量5kWh〜7kWhの想定で選んでいます。
容量が足りない場合がありますので比較検討してみてください。
パナソニック
蓄電池ユニット
形名 | LJB1256 |
公称容量(定格容量) | 5.6kWh |
バッテリー | リチウムイオン |
設置場所 | 屋内 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 480 ×230× 610mm |
質量 | 約68kg |
*蓄電システム含む
- 創蓄連携システムで省エネ
- ライフスタイルに合わせて選べる運転モード
シャープ
蓄電池本体
形名 | JH-WB1921 |
公称容量(定格容量) | 6.5kWh |
バッテリー | リチウムイオン |
設置場所 | 屋外・屋内兼用 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 560 × 320 × 575mm |
質量 | 約74kg |
*蓄電システム含む
- 「電力見える化システム」
- 12000回の充放電を繰り返しても70%の容量を維持できる
京セラ
マルチCDリンクタイプ
形名 | LBN-0650 |
公称容量(定格容量) | 6.5kWh |
バッテリー | リチウムイオン |
設置場所 | 屋外・屋内兼用 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 452×120×656mm |
質量 | 52kg |
*蓄電システム含む
- 多彩な運転モード
- 省スペース設計
ニチコン
単機能蓄電システム
形名 | ESS-U3S1 |
公称容量(定格容量) | 4.1kWh |
バッテリー | リチウムイオン |
設置場所 | 屋外 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 740×300×650mm |
質量 | 77kg |
*蓄電システム含む
- 世界的な蓄電池メーカー
- エアコン室外機と同程度の大きさでコンパクト
オムロン
蓄電池ユニット
形名 | KP-BU65-A |
公称容量(定格容量) | 6.5kWh |
バッテリー | リチウムイオン |
設置場所 | 屋内 |
寸法(幅×奥行×高さ) | 452×120×656mm |
質量 | 52kg |
*蓄電システム含む
- 長寿命(約15年)
- 暮らしのスタイルに合わせて使い分ける3つの運転モード
家庭用蓄電池のメリット・デメリット
ここまで、家庭用蓄電池の設置費用の相場や選ぶポイント、各メーカーのおすすめを解説してきました。
ですが、どんなことにもメリット・デメリット両方の面がありますよね。
その両面を知っておくことは、とても大切です。
蓄電池のメリット
家庭用蓄電池のメリットは以下の3点です。
- 電気料金を抑えられて家計に優しい
- 太陽光発電と連動して、より経済的
- 急な停電時に活躍
電気料金を抑えられて家計に優しい
太陽光発電を利用せずに家庭用蓄電池を導入するだけでも、電気料金を抑えることができます。
各電力会社には「時間帯別電灯」と呼ばれる昼間の電気代が高く、夜の電気代が安いプランが存在します。
このプランを利用して、電気代の安い夜のうちに蓄電池に充電しておき、その充電した電気を昼間に使うことで電気料金を抑えることができます。
蓄電池の中には、電気を貯める時間帯を自動で制御してくれるものもありますので、面倒な操作は必要ありません。
太陽光発電と連動して、より経済的
昼間に太陽光発電で作った電気を夜に利用する、電気の自給自足ができます。
これだけでも、かなり経済的です。
もしFIT契約中であれば、太陽光発電で作った電気を売りながら電気料金の安い夜間に充電した電気を昼間利用するということもできます。
この場合は、太陽光発電の売電を優先してくれる「経済モード」搭載の蓄電池がお得です。
太陽光発電についてはこちらで詳しく説明しています。
急な停電時に活躍
近年、様々な自然災害があり大規模な停電が起きていますよね。
こういった非常時だけではなく、日常でも急な停電は起こりえます。
そういった場合にも、蓄電池に貯めた電気を使うことで、外からの情報や外部との連絡などができるので焦らずに対応できます。
また小さなお子さんやお年寄りなど生活環境を整えておきたい方がいる場合にも安心です。
蓄電池によっては、停電時に使いたい電化製品をあらかじめ設定しておくことができます。
また、太陽光発電と連動することで、より長い期間電気を使えるのは大きなメリットです。
蓄電池のデメリット
電気は生活に欠かせないライフラインの一つです。
大きなメリットのある蓄電池ですが、デメリットも知っておかなくてはいけません。
蓄電池のデメリットには以下の点があります。
- 初期費用が高い
- 蓄電池には寿命がある
- 安全な置き場所の確保が必要
初期費用が高い
先程、蓄電池の設置費用の相場をお伝えしました。
本体の購入費と工事費用を合わせて80~250万円ほどがかかる見込みです。
まずは、複数社から見積もりをとってみましょう。
また、蓄電池の選び方や自治体からの補助金により費用を抑えられる可能性もあります。
蓄電池には寿命がある
蓄電池の寿命は、10~15年ほどです。
充放電を繰り返し使うと徐々に蓄電容量が減り性能が低下するので、劣化したら交換が必要となります。
蓄電池の寿命を延ばすためには、使用方法が大切です。
- 50%程度の蓄電量を維持しつつ使う
- 容量を超えて充電しない
- 高温になる場所に設置しない
高額な設備ですので少しでも長持ちさせるよう工夫して使いましょう。
安全な置き場所の確保が必要
家庭用蓄電池は近年コンパクトになってきていますが、ほとんど物が50kg以上と重量があります。
そして、先程もお伝えしましたが直射日光や雨、水に弱く、極端な高温や低温も嫌います。
設置場所のせいで故障する事のないように、しっかりと事前調査を行いましょう。
家庭用蓄電池の設置費用を抑える方法
蓄電池を設置したいと考えた時に、一番のネックになる費用問題。
複数社から見積もりを取ると同時に、これらのことを知っておくと設置費用が抑えられますよ。
蓄電池設置に対する補助金交付
かなり高額のお買い物となる蓄電池の設置ですが、国や自治体から補助金が交付される場合があります。
例えば、SII(環境共創イニシアチブ)から、DER(分散型エネルギーリソース)を活用した次世代技術構築実証事業費補助金が交付されます。
これは、将来的に電力需要の増加が見込まれることに対して、電力の安定した供給やコストの低減などを目指す事業です。
家庭用蓄電池の設置に関しては、DER等導入事業(C事業)が該当します。
*既に太陽光発電を設置済み、もしくは太陽光発電と同時に蓄電池を設置する方が対象です。
引用:SII
家庭用蓄電池では、最大4万円/kWhの設備費・工事費の補助金が受けられます。
ただ、補助金を受けるにはSIIの設ける条件をクリアしなければいけません。
- 蓄電池の購入価格と設置費用が、目標価格16.5万円/kwh以下であること
- SIIで事前に登録されている機器であること
この2点を満たせるかどうか、事前に確認しておきましょう。
SIIのDERを活用した補助金に対する詳しい事業概要はこちら
蓄電システムSII登録製品の確認はこちら
交付数には限りがあり、受付満了時は早期に締め切られるため注意が必要です。
また、補助金の申請後、交付が決定してからでないと工事事業者と契約ができません。
蓄電池導入予定の方は早めにチェックしておきましょう。
地方自治体の補助金もありますが、お住まいの地域によってはこの制度がない場合もあります。
国主体と地方自治体主体の補助金については、どちらも同時に受け取れますので申請をお忘れなく。
その他の蓄電池設置費用を抑える方法
補助金の交付を受けられなかった場合にも、蓄電池の設置費用を抑える方法はあります。
- 型落ち商品を選ぶ
- 価格の安い販売店を選ぶ
型落ち商品を選ぶ
新製品が発売されると以前の方が値下げされますよね。
新製品と旧製品という扱いになりますが、性能的に格段に劣るわけではありません。
以前、気になっていた製品があった場合は、もう一度価格を調べてみると値下がりしている可能性がありますよ。
価格の安い販売店を選ぶ
販売店により、設置費用に大きな差がある場合があります。
少しでも設置費用を安く抑えるために、複数社から見積もりを取りましょう。
特に訪問販売は、販売員の利益を上げるため高額な場合がほとんどです。
2019年問題もあることだしうちも蓄電池買おうかしら?
母さん詳しいね。
だって電気の買取価格0円なんてひどいじゃない。
500万円ぐらいするらしいけど電気が自給自足できるなら安心だわ。
・・・それ詐欺だよ。
そうなの~?お隣さんに教えてもらったの!
・・・。
太陽光発電・家庭用蓄電池の設置費用!価格相場とは?まとめ
家庭用蓄電池の設置に関してお話してきました。
蓄電池の設置費用には、本体の購入費用と設置のための工事費用が含まれます。
どちらも含めた費用の相場は、だいたい80~250万円ほどです。
蓄電池を選ぶ際にチェックすべきポイント4点もお伝えしましたね。
- 家庭のニーズに合わせた種類と蓄電容量
- 設置場所に合ったサイズ
- 寿命
- 補償期間や補償内容
これらを踏まえて、複数社から見積もりを取ることが重要です。
メリット・デメリットを把握したうえで、しっかりと検討してください。
蓄電池のメリット
- 電気料金を抑えられて家計に優しい
- 太陽光発電と連動して、より経済的
- 急な停電時に活躍
蓄電池のデメリット
- 初期費用が高い
- 蓄電池には寿命がある
- 安全な置き場所の確保が必要
また、蓄電池の設置費用を抑えるための補助金に関して気を付けたいポイントをまとめました。
補助金には、SIIを通して国から交付されるものと地方自治体から交付されるものがあります。
DER(分散型エネルギーリソース)を活用したSII(環境共創イニシアチブ)からの補助金に関して
- 蓄電池の購入価格と設置費用が、目標価格16.5万円/kwh以下であること
- SIIで事前に登録されている機器であること
- 補助金の交付が決定してから蓄電池の発注をする
受付の早期終了が考えられるため申請はお早めに。
*補助金は太陽光発電を設置済み、または太陽光発電と同時に蓄電池を導入する場合が対象
便利だけど高額な蓄電池は、少しでもお得に導入したいですよね。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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