こんにちは、あつしです。
先日友人が中古ながらマイホームを購入したので是非遊びに来て欲しいとお招きをうけました。
とってもすてきなお宅で、どんな経緯でこんな住居を見つけられたのかなど話を楽しく聞いていたのですが、友人が突然不安そうな顔をして僕にこんな事を聞いてきました。
「実はおととい家の中でアリの様な虫を見つけて、シロアリだったらどうしようって怖くなっちゃったんだよ。シロアリ駆除はしてあるっていう話で家を購入しているから、まさかなぁって思ったんだけど・・・。大丈夫だよね?!あつしリフォームとかシロアリの駆除について詳しかったよね?」
というのです。
シロアリ駆除は1度すれば安心!と思っている方、ちょっと待ってください。
実はシロアリ駆除の薬剤効果には有効期間があり、シロアリ協会が定めている保証期間というものもあります。
今回はシロアリ駆除の薬剤効果期間を知って正しく住居のメンテナンスができる方法をご紹介したいと思います。
シロアリ駆除の薬剤効果期間はどのくらい?
シロアリの駆除を考えた時、一度駆除すればもう安心と思ってしまい、その後のメンテナンスまで気が回らないという事はとても多いのではないでしょうか。
ところが、薬剤の効果期間やシロアリが発生しやすい条件が整っている環境ではシロアリは再発生する可能性が十分にあるんです。
どのくらいのペースでシロアリ駆除をしていけば安心して家を守れるのか、母さんもしっておくと管理しやすいと思うよ。 そのためにもちょっと難しくなるかもしれないけれど、シロアリ駆除に使われている薬剤の事を少し紹介するね。
まずは参考までに日本シロアリ対策協会でだされている方針をご覧ください。
防除処理には土壌処理と木部処理があり、その両方を行うことになっており、防除施工標準仕様書では五年を目途に再処理をするとしています。
引用:日本しろあり対策協会
1950年代の頃はこの薬剤効果が10年間と言われていた時期があり、シロアリ駆除剤は「クロルデン」という有機塩素系の薬剤がよく使用されていました。
有機塩素系薬剤は自然界へ分解されにくい薬剤の為、一度使用すると半永久的に効果が持続するためシロアリの駆除だけを考えた時にとても効果のある薬剤でした。
しかし、匂いがとてもきつく、土壌汚染や人体への影響などが長期に及ぶ可能性があるということが問題視され、シロアリ駆除剤として使用されなくなりました。
1986年以降は有機塩素系薬剤に代わって有機リン系薬剤が使用されるようになりました。
「ホキシム」「クロルピリホス」といったものです。
有機リン酸系は低農薬として使用されている薬剤でしたが、こちらの薬剤においてもめまいや呼吸器系の疾患を訴える健康被害が出たため、日本しろあり対策協会は有機リン酸系薬剤の使用を自主規制するよう業者へ促すようになりました。
こういった健康被害が出た理由の1つに有機リン系薬剤は揮発性によるものだという事がわかりました。
2003年には有機リン酸系薬剤は使用が禁止されることとなります。
過去の薬剤による環境や人体の被害を踏まえて、現在は揮発性がほぼないシロアリ駆除が加納で安全性の高い薬剤を使用するようになったのです。
それが現在業務用として一般的に使用されているネオニコチノイド系薬剤です。
ネオニコチノイド系薬剤はタバコに含まれているニコチンを利用している薬剤で、キツイ臭いもなく揮発性もほとんどなく安全にシロアリが駆除できます。
一般的には5年毎の駆除で大丈夫という事になっていますが、もう少し細かく気にした場合シロアリ駆除は本当に5年ごとで大丈夫なのでしょうか?
シロアリ駆除は5年ごとにすれば絶対に安心?
一般的に業者へ依頼してのシロアリ駆除の薬剤の効果持続年数が5年という事はわかりましたが、5年たって急に薬剤効果が切れる!という訳では勿論ありません。
自然界に分解される薬剤の使用が義務付けられたので、現在の薬剤は水で分解されて溶けていくもの、紫外線など日光によって分解されていくもの、薬剤によっては熱・アルカリ酸性・バクテリア・金属イオンなどの影響を受けながら分解され効果を失っていきます。
気候の変動などにより台風が多く雨が多い年などは、もしかすると予定より早く薬剤を分解してしまったなんてこともあるかもしれません。
逆に雨が少なく水不足になるほど日照時間が多い年などは、使用している薬剤によっては影響を受け、薬剤の効果が5年持続することが難しい場合もあるかもしれません。
それ以外に工法によっても薬剤効果の持続性がかわります。
例えばバリア工法というのは薬剤を散布するやり方ですが、散布した薬剤は徐々に分解されていきます。
5年後に薬剤は分解され、ほぼ効果は無い状態となります。
ベイト工法はベイト剤を数ヶ月かけてシロアリに食べさせる駆除方法で、シロアリが食べた分だけ薬剤が減少していきます。
シロアリが薬剤をどのくらい食べたのか様子を確認するために少なくとも半年に1度は点検が必要な工法なのですが、薬剤を設置してからいつごろ薬剤を食べたか、どの程度食べたかにより薬剤効果にむらが出る可能性があります。
こういったさまざまな条件を加味して考えた時、薬剤の持続期間は絶対に5年は安心!と考えるよりも『最大で5年!』と考えておくほうがよいかもしれません。
因みに油断していて薬剤効果が切れてしまい、こちらが気が付く前にシロアリが発生してしまった場合、3年で大きな被害になってしまう事がわかっています。
シロアリの予防対策や時期についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
シロアリから家を守り続けるにはどうしたらいいの?
シロアリ発生の予防という点で考えると1度駆除してから3年後・4年後・5年後と1年ごとに定期点検をしてもらうというやり方をお勧めします。
定期点検であれば1万~2万といった費用でシロアリの発生状況を確認できます。
コスト面も考慮しながら駆除と予防を上手に利用して大切なおうちをシロアリから守っていけるといいですね。
友達は今の家をとても気に入っていたから心配しながら住み続けるよりもちゃんと確認してもらって安心して住める方がいいんじゃないかと思って。
シロアリ駆除剤の効果持続期間まとめ
環境や人体への影響に配慮して薬剤の開発や国から定められた基準によりシロアリの薬剤の効果持続期間は最大で5年!
薬剤は状況によっては少し早めに効果が切れてしまう場合も絶対にないとは言えないので、予防という意味も含めて1度駆除してから3年後くらいから年に1度の定期点検がお勧めです。
シロアリ対策を万全にして家族が大好きな家に安心・安全に住み続けられますように。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。