リフォームというと、どこかが壊れたときに修理するとか見た目を変えたり便利にしたりするために行いますよね。
普段過ごすリビングなら、「床を変えたいな~」とか「作りつけの棚があったら便利だな~」とか色々なこだわりもあります。
では屋根の場合はどうでしょうか?
少なくとも僕は、屋根の色や素材をそう頻繁に変えたいとは思わないし、見えない場所にあるので劣化具合もよく分からないです。
多分読者様も同じですよね。
でも、そのまま放置しておけば雨や紫外線で劣化して、いつか深刻なダメージを負ってしまいます。
そうなったときにいきなり数百万ものリフォーム費用がかかるのは痛いですよね。
屋根はダメージを受けやすいのに、そのダメージが分かりづらい。
だからこそ、リフォーム時期を知って備えておくことが大切です。
この記事では、屋根リフォームの価格相場やリフォーム時期についてまとめました。
屋根のリフォーム費用は工夫次第で節約できたり、場合によっては無料でできることもあります。
ぜひ参考にして大切な家の耐久性を高めましょう!
屋根リフォームを行うべき理由
屋根や外壁は雨風や紫外線の影響を受けて劣化が進みます。
家全体の耐久性にも関わるので定期的なメンテナンスをしましょう!
屋根のリフォームはなぜ必要?
屋根は、まず建物全体の骨組みがあってその上に下地やルーフィング(防水シート)、屋根材が乗っています。
引用:カミセイ
屋根は建物の防水を担っているわけですが、もし屋根が劣化して壊れたり剥がれたりすると雨が建物の中まで入って雨漏りの原因になります。
一番怖いのは雨漏りそのものよりも、雨漏りによる二次災害。
雨漏りすることでこんな恐ろしいことが起こります。
・シロアリが発生する。
・骨組みが腐食する。
カビが繁殖したらアレルギーなどの病気のもとになるし、シロアリや骨組みの腐食は建物をボロボロに壊してしまいます。
引用:情熱リノベーション
こうなるともっと大規模なリフォームが必要になったり、最悪の場合建て替えになるので何千万もの費用がかかります。
家族の健康や安全のためには、今お金がかかったとしても屋根のリフォームはするべきです。
屋根リフォームの目安
屋根が以下のような状態になったらリフォームが必要です。
- 割れている
- 壊れている
- 反っている
- ずれている
- 色あせている
- 雨漏りしている
となると、雨漏りで判断するしかないのかしら?
だから、問題が起こる前にリフォームできるように大体の耐用年数を知っておくことが大事なんだ
雨漏りは、例えば天井にシミができたりポタポタと雨水が垂れることで「あっ!雨漏りしてる!」と気づきます。
でも、その状態になったときにはもう既に長期間雨漏りを起こしていて深刻なダメージを受けているんです!
目に見える雨漏りがなくても、壁の中は雨水が染み込んでカビや腐食を起こしているかもしれません。
問題が起きてからリフォーム、では遅すぎることもあります。
「問題が起きてから」ではなく「問題が起きる前に」定期的にリフォームしたほうが安心ですね。
どんな工法か、どんな塗料を使うのかにもよりますが(後で詳しく紹介します)、だいたい10年前後を目処にリフォームを行いましょう。
屋根のリフォーム費用の価格相場【工法別】
屋根のリフォームには塗装・カバー工法・葺き替えの3種類があります。
他にも、雨どいを直したり雪止めを設置したり、といった部分的な修理やリフォームもあります。
この記事では屋根全体のリフォームとしてこの3つを詳しく紹介します。
塗装のリフォーム費用
塗装は屋根材の塗料を塗り直すリフォームで、価格相場は30万~70万程度です。
屋根材がそれほど傷んでいないときに、メンテナンスの意味合いで行われます。
塗装は屋根材の表面をコーティングし、劣化を防ぐことができるのできちんと定期的に行っていれば雨漏りの心配もなくなります。
日本瓦は陶器製で釉薬によるコーティングがあるため、塗装は必要ありません。
・工期が短い
・リフォーム費用が安い
・屋根材が変わらない
・こまめなメンテナンスが必要
・トータルコストが高い
・屋根の色を変えたい
・色あせた屋根をキレイにしたい
・安くリフォームしたい
・屋根材を長持ちさせたい
ただし、屋根材の劣化が激しいと塗装だけでは対応できないのでこの後紹介するカバー工法か葺き替えを行う必要があります。
また、塗装のリフォームはどんな塗料を使うかによっても大きく費用が変わります。
塗料のグレード | 特徴 | 耐用年数 | 平米単価 |
ウレタン系 | 光沢があり、密着して剥がれづらい。 | 8~10年 | 1800~2300円 |
シリコン系 | 耐久性と費用のバランスがよく、よく使われる塗料。 紫外線に強く、汚れづらい。 |
10~12年 | 2500~3200円 |
フッ素系 | 耐寒性・耐熱性・不燃性がある理想的な塗料。 汚れがつきにくい。 |
15~20年 | 4000~5000円 |
無機系 | 雨や紫外線の影響を受けにくく、保護能力がとても高い。 再塗装ができない。 |
20~25年 | 4500~5500円 |
塗装は、塗料のグレードによっても違いますが大体10年前後で行うのがいいと言われています。
実際には15~20年ごとに塗装している方が多いのが現状ですが、屋根の状況を見ながら定期的にメンテナンスしてあげたいですね。
カバー工法のリフォーム費用
カバー工法は重ね葺きともいって既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせるリフォームです。
価格相場は60万~150万程度。
塗装では対応できない劣化があるものの、傷んでいるのは屋根材だけで下地は問題ないときにカバー工法を使うことが多いです。
引用:正光技建一級建築士事務所
傷んだ下地にカバー工法を施すと屋根材が剥がれたり落下したりして危険です。
現地調査をきちんとしてもらってから決めるようにしましょう。
・解体しないため、費用が安く済む
・短期間で新調できる
・解体による騒音やホコリ、有害物質が出ない
・屋根材が二重になり、遮音性・遮熱性が高まる
・湿気がこもりやすくなる。 → 屋根の下に換気口を取り付ける工事が必要。
・屋根材を交換するときに2倍の撤去費用がかかる。
カバー工法の一番の特徴でもある「屋根材が二重になる」というのはメリット・デメリット両方を併せ持っていますね。
ちなみに、一度カバー工法をして二重になった屋根に更にカバー工法をすることはできません。
・屋根材を変えてイメージチェンジしたい
・トラブルなくリフォームをしたい
・定期的にメンテナンスをするのが面倒
カバー工法は大体30年くらいでリフォームが必要になります。
葺き替えのリフォーム費用
葺き替えは既存の屋根材を撤去して新しい屋根材を取り付けるリフォームです。
価格相場は80万~200万円程度。
雨漏りを起こしていたり、遠目にも分かるくらい激しく損傷しているときに葺き替えをします。
屋根材だけでなく下地まで劣化してしまっているときですね。
屋根材だけでなく、その下の防水シートや下地まで丸ごと交換するのがポイントです。
・軽い屋根材に変えることで建物全体を軽量化できる。(耐震性が上がる)
・解体の手間がかかるので工期が長め。
・屋根材を変えてイメージチェンジしたい
・屋根の耐久性を高めたい
・屋根材がひどく損傷している
・雨漏りしている
ただし、スレート(セメントでできた板状の屋根材)を使っている場合は注意が必要です。
最近のスレートなら大丈夫ですが、平成16年より前のスレートにはアスベストが含まれています。
アスベストが含まれた建材の解体は、アスベストが飛散しないようにまずアスベストを除去してから解体するという流れです。
作業員全員がアスベストに関する講習(石綿取扱い特別教育)を受けている必要があります。
専門業者に依頼することになるので解体と処分に追加費用がかかります。
安く済ませるならカバー工法で対応するのがオススメですが、下地の劣化具合によってはカバー工法が使えないこともあります。
古いスレート屋根をリフォームするときには、カバー工法のほうがいいか、葺き替えの方がいいか、リフォーム会社とよく相談しましょう。
葺き替えのリフォーム時期は大体20年と言われていますが、屋根材によって多少前後します。
下の表を参考にしてくださいね。
屋根材 | 耐用年数 | リフォーム時期 |
スレート | 15~25年 | 7~8年 |
トタン | 10~20年 | 10~15年 |
ガルバリウム鋼板 | 20~30年 | 20~30年 |
セメント瓦 | 30~40年 | 10~15年 |
日本瓦 | 50~100年 | 20~30年 |
塗装・カバー工法・葺き替え・・・結局どれがお得?
塗装・カバー工法・葺き替えと3種類のリフォームを紹介しましたがどれを選べばいいかちょっと迷ってしまいますよね。
一回のリフォーム費用で言えば塗装が一番安く、次にカバー工法、葺き替えの順です。
塗装は10年ごとのこまめな塗りなおしが必要なので長い目で見ると費用がかさみます。
一方、カバー工法や葺き替えは、最初に費用はかかるものの耐久年数が長いのでリフォームの間隔も長くなりトータルコストは安く抑えられます。
特にカバー工法は一度行うとその後20年はメンテナンスがいらないので、将来的なコストを抑えたい方にはおすすめです。
引用:屋根のクマガイ
ただ、既存の屋根の劣化具合や材質、形状、勾配によって向き不向きもあるので注意が必要です。
屋根リフォームの工期はどのくらい?
屋根のリフォームは、どのくらいかかるのでしょうか?
工法によっても違いますが、大体1週間前後です。
リフォームをすると、職人さんが何人も家に出入りすることになるのでちょっと気になるし気を遣いますよね。
それに、屋根は家の外側なので騒音や塗料のニオイでご近所さんの迷惑にならないかも心配です。
工期は短ければ短いほどいいですよね。
工法ごとの工期は以下のようになります。
工法 | 工期 |
塗装 | 10日~2週間 |
カバー工法 | 5日~1週間 |
葺き替え | 10日~2週間 |
工期が延びることもある?
上の章で工法ごとの工期を紹介しましたが、少し幅があるのは気象状況に左右されるからです。
転落事故を防ぐため、一滴でも雨が降ったら作業は中断。
塗装の場合、塗料に水分やホコリが混ざってしまうと施行不良が起きて耐用年数も落ちてしまいます。
朝の時点で作業ができない天気なら、その日の作業はお休みということになります。
お天気に恵まれて順調に進めば1週間くらいで終わりますが、雨や雪が多い時期だとどうしても工期は伸びがちになります。
なので屋根のリフォームは、比較的お天気のいい3月~5月、7月、10月~12月がベストシーズンです。
気象状況や業者さんのトラブルで工期が延びても、基本的に追加料金が発生することはありません。
契約書にも記載があるかと思いますが、念のため工期が延びたときの費用について事前に確認しておくと安心です。
屋根のリフォーム費用の節約ポイント
やっぱり屋根のリフォームは高い……
でも、工夫しだいでリフォーム費用が節約できるんです!
部分的なリフォームではなく、屋根全体をリフォームすると、面積が広い分費用も高額になります。
必要なところにはしっかりお金をかけるべきですが、無駄な出費をしないように以下のポイントを意識しましょう。
相見積もりを取ろう!
見積もりは一社からではなく、複数社から取るようにしましょう。
あまり多すぎても逆に混乱するので、3社~5社くらいが理想です。
これまでお話してきた通り、屋根のリフォーム費用は劣化具合や材質、形状、使う屋根材や塗料の種類などなど色々な要素で金額が変わります。
いわばその家その家のオーダーメイドで定価というものがありません。
お隣さんと同じ工事をしても費用が違っていたりします。
1社からしか見積もりを取らないと適正価格なのかどうかが判断できません。
もし僕の母だったら……
なんて変に納得して高額なリフォーム費用を払ってしまいそうです。
それを避けるため、見積もりは複数社から取るようにしましょう。
あまりに安すぎる業者にも注意です。
同時施工しよう!
屋根のリフォームには足場が必要で、リフォーム費用に足場代が含まれています。
この足場代、価格相場が10万~20万と意外と高額です。
どうせ足場を組むのなら、他に足場が必要なリフォームを同時にしてしまえば足場代をまとめることができて節約になります。
葺き替えのリフォームなら一度屋根を解体する必要があるので屋根断熱リフォームを一緒にすると解体費用を節約できます。
一箇所ずつのリフォームだとその都度費用がかかるので、もし別な場所のリフォームを考えているならまとめられる費用はまとめてしまいましょう。
・外壁リフォーム
・ベランダリフォーム
・太陽光発電システムの設置
・高所の窓交換
・屋根断熱リフォーム
同時施工は費用面以外でも工期が短くて済むなどのメリットがあります。
保険や補助金を活用しよう!
屋根のリフォームは保険や補助金を利用することができます。
例えば、一部の自治体で導入している「リフォーム補助金」は金額の上限はあるものの全てのリフォーム工事が対象になります。
屋根材を軽いものに葺き替えるリフォームなら建物が軽量化して耐震に繋がるので「耐震リフォーム補助金制度」の対象になります。
葺き替えで断熱性が高まるなら「省エネリフォーム補助金」も対象ですね。
補助金制度は小額のものから数百万単位のものまで色々あるので積極的に活用しましょう!
工事が始まる前に各自治体や補助金制度に詳しいリフォーム会社に相談してみてくださいね。
また、火災保険を利用すると無料で屋根のリフォームができることもあります。
次の章で詳しく紹介しますね。
屋根のリフォーム費用が無料になるって本当?
屋根のリフォームは無料でできることもあるんです。
無料だなんてそんな甘い話・・・あるわけない!と思うかもしれません。
でも、ちゃんとした制度があるので、安心してください。
台風などの自然災害でリフォームが必要になった場合は火災保険の「風災」に当たります。
火災保険という名前から「火事が対象なのかな」と思いがちですが、実は自然災害や突発的な事故も対象になるので、契約内容を要チェックです。
リフォーム費用は保険会社から支払われるので無料でリフォームができるのがいいですね♪
おはようございます☔
現在、雨は小降りです。
土砂崩れはないですが、
修復が必要な屋根の状態が気になります。
屋根のリフォームは3業者に見積りを出してもらったので、父と相談してます。
工法と費用、それに今の火災保険で対応可能か等
検討中。
やはりお金の問題は切実ですね(笑✋😅— TAKEREI (@TAKEREIofficial) 2018年6月30日
引用:Twitter
ただ、火災保険を利用したリフォームは悪徳業者によるトラブルも多く目立ちます。
例えば・・・
・経年劣化なのに火災保険の適用だと言われる
・火災保険の対象外の工事をされて追加費用がかかる
・当初の見積もり以外の工事をしてくれない(新たに見つかった不具合など)
・専門知識に乏しく、見積もりが雑
・途中解約ができない。もしくは高額な違約金をとられる
・保険会社への申請を代行すると言われる
こういったトラブルを避けるためにも、リフォーム会社を選ぶ際は慎重になりましょう。
「火災保険で無料で修理できます!!」と「火災保険」や「無料」を強調してセールスしている業者はちょっと注意が必要ですね。
申請の際に保険会社にリフォーム会社からの見積書を提出するのですが、よく見かけるお客さま用見積書ではなく、もっと詳細な申請用の見積書を作ってもらう必要があります。
火災保険の知識と経験があるということも業者選びのポイントですね。
必ず適用できるわけではない
屋根のリフォームは費用が高額になるので、それを賄ってくれる火災保険はとってもありがたいですよね♪
ただ、当然ですが申請すれば必ず承認されるわけではないので注意が必要です。
例えば、経年劣化や自然に消耗したもの、動植物による損傷、故意に壊したもの、もともと不具合の起きやすい素材は保険適用が認められません。
ですが、その損傷が経年劣化によるものなのか自然災害によるものなのかは素人には判別がつかないことも多いです。
ダメ元で申請してみたら承認された!というケースもありますし、意外と適用される可能性は高いです。
はじめから「無理かも・・・」と諦めずにまずは保険会社や保険の代理店に相談してみてくださいね!
屋根のリフォーム費用の価格相場まとめ
●屋根のリフォームをすると雨漏りによる二次災害を防ぐことができる。
屋根が壊れると雨漏りを起こし、雨漏りが起こるとカビや腐食、シロアリの被害が起こります。
問題が起きてからでは遅いこともあるので、事前に防げるようリフォーム時期を知っておきましょう。
●屋根には塗装・カバー工法・葺き替えの3種類のリフォームがある。
それぞれの価格相場は、塗装が30万~70万、カバー工法が60万~150万、葺き替えが80万~200万です。
塗装は一回の費用は安く済みますが、こまめなメンテナンスが必要でトータルコストが高くつきます。
長い目で見ると耐用年数の長いカバー工法や葺き替えがおすすめ。
ただし、屋根の劣化具合や材質などで向き不向きもあります。
●工期は1週間程度。気象条件で延びることもある。
屋根のリフォームは順調に進めば1週間程度です。
ただし、雨や雪、風の強い日は作業ができず工期が延びてしまいます。雨や雪の時期を避けてリフォームを行いましょう。
工期が延びることによって追加費用がかかることはありません。(念のため事前に確認すると安心です)
●同時施工や補助金でリフォーム費用を節約できる。
足場や屋根の解体が必要になるリフォームを同時に行うと費用をまとめることができて節約になります。
リフォーム内容によって補助金が使えることもあるのでリフォーム会社に相談してみましょう。
適正価格を知るために相見積もりを取ることも大切です。
●火災保険を使い無料でリフォームができることもある。
火災保険の風災に該当すれば保険会社にリフォーム費用を支払ってもらうこともできます。
経年劣化は対象外ですが、意外と風災として認められるケースは多いのでまずは保険会社に相談してみましょう。
そして、悪徳業者によるトラブルも多いので業者選びは慎重に。
安心できる業者を探すために、一括見積サービスのヌリカエを利用してみませんか?
[nurikae-yanezai]
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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