雨漏りの原因は、地震や台風による自然災害から起こる外的要因と、経年劣化が多いといわれています。
特に屋根は、雨風を直接受けている場所なので、「屋根スレートのヒビ」「瓦のズレ」などから雨漏りが発生するケースが多いのです。
あなたは、「屋根の塗装をしたばかりなのに」「リフォームをしたばかりなのに」と原因不明の雨漏りに悩んでいませんか?
実は、原因不明の雨漏りで悩まされている人は結構多いのです!
特に目立った損傷個所が見当たらないのに、雨漏りが発生している場合、毛細管現象が起こっている可能性があります。
今回は、毛細管現象と雨漏りの関係について徹底的に解説します。
- 毛細管現象とは?
- 毛細管現象が雨漏りの原因になるわけ
- 実際に毛細管現象で雨漏りだったケースの口コミ
- 毛細管現象の雨漏りを予防するには
- 毛細管現象の雨漏り修理費用
雨漏りを放置してしまうと、いずれはカビや腐食箇所が増えて、ますます家の劣化を招いてしまいます。
この記事を読むと、原因不明の雨漏りが毛細管現象だった場合、適切な処置や修理費用などがしっかりと分かります!
適切な処置の仕方を知って、あなたの家を守りましょう!
管理人のあつしです!
外壁・屋根・雨漏りのことなら何でもおまかせ!
- 外壁アドバイザー資格保有
- 実家のリフォーム経験あり
- 趣味はDIY
- わかりやすい説明と適切なアドバイスに定評あり
毛細管現象とは?
そもそも、毛細管現象ってイマイチよくわからないわ。
そうだよね。
でも、実は身近な現象として「毛細管現象」を目にしているんだよ。
今から分かりやすく説明するね。
毛細管現象とは、細い管状の物体と液体において、外部の刺激なく液体が吸い上げられてしまう現象を指します。
具体例としては、液体が入ったコップにストローを差して、ストロー内部の液体の方が高さが上になること。
これを毛細管現象というのです。
下の画像をご覧ください。
確かに、ストローの中の液体の方が、コップの液体の高さより上になっていますよね。
この毛細管現象の仕組みは、3つのことが関係しています。
【毛細管現象に関係する3つのこと】
- 水の表面張力
- 水による管(くだ)の濡れやすさ
- 管(くだ)の直径の大きさ
詳しく解説していきますね。
水の表面張力(ひょうめんちょうりょく)とは、液体や固体が表面をできるだけ小さくしようとする現象です。
水の分子がお互いに引き合うため、表面が丸くなります。
その部分に管(ストローなど)を立てることで、管と水の分子がくっつくようになります。
これが「水による管(くだ)の濡れやすさ」なのです。
さらに、管(くだ)は細ければ細いほど上に昇った水の重さは軽くなります。
したがって、普通より高い位置まで水が移動するのです。
これは「管(くだ)の直径の大きさ」が細ければ細いほど水が上昇するということを表しています。
毛細管現象の仕組みは分かったかな?
下には動画を載せておくので、実際の毛細管現象の動きを見てみてね。
この毛細管現象は、ストローのような細い管だけで起こる現象ではありません。
布やタオル、スポンジ、ティッシュペーパーなどが水を吸うように、これらも毛細管現象の一つなのです。
布やタオルは、細かい繊維と繊維の間に小さな「隙間」があります。
この小さな隙間がストローと同じような現象を起こし、水を吸い上げているのです。
毛細管現象が雨漏りの原因になるわけ
毛細管現象の仕組みをお伝えしてきましたが、ではなぜ雨漏りの原因に「毛細管現象」があるのでしょうか?
その場合、主に3つのケースが考えられます。
【毛細管現象が雨漏りの原因となる場合】
- 土地柄や屋根の素材が原因のケース
- 屋根の塗り替え際に業者が隙間を塞いでしまったケース
- 瓦屋根にラバーロック法を用いたケース
1つずつ詳しく見ていきましょう。
【雨漏り原因1】土地柄や屋根の素材が原因のケース
まずは、土地柄や屋根の素材で毛細管現象が起こってしまうケースです。
瓦屋根やスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)を使用している場合、実は屋根材と屋根の間に隙間を設けています。
これは、雨水の排水や換気などのためですが、年数が経つにつれてこの隙間に汚れや土ぼこりがたまってしまうのです。
適切な隙間がないと、水が吸い上げられて家の中に侵入してしまい、雨漏りになる可能性があります。
また、土ぼこりが舞う農村地帯や畑が多くある土地柄では、郊外の住宅に比べて汚れがたまりやすくなるもの。
したがって、「家の周辺に土が多い土地柄」「瓦屋根やスレート屋根を使用した住宅」の場合、毛細管現象による雨漏りを引き起こすケースがあるのです。
【雨漏り原因2】屋根の塗り替え際に業者が隙間を塞いでしまったケース
次に考えられるケースは、「屋根の塗り替えの際に、業者が隙間を塞いでしまった」場合です。
こちらは、塗り替え業者の知識不足から本来あるべき隙間を埋められてしまい、雨漏りになってしまったと考えられます。
下の画像をご覧ください。
屋根を塗装したときに、本来空けておかなければならない隙間が埋まってしまうと、雨水の逃げ道がなくなってしまいます。
そうすると、毛細管現象が起こり、屋根の隙間から雨水が侵入して、家の中に漏水(雨漏り)が発生してしまうのです。
したがって、リフォーム業者選びでは、きちんと知識がある業者を選ぶことが重要になります。
具体的には、「毛細管現象の知識がない業者」や訪問販売などの「安さを売りにした業者」は避けたほうがよいでしょう。
【雨漏り原因3】瓦屋根にラバーロック法を用いたケース
3つ目の原因は、瓦屋根にラバーロック法を用いたケースです。
ラバーロック法は、瓦同士をコーキングすることで、結束力を高めます。
台風や地震のときの瓦の飛散防止や落下防止のために行われる手法として、瓦屋根のお宅に施す場合があるのです。
しかし、ラバーロック法はメリットもありますが、デメリットもあります。
それは、「屋根全体にコーキングしてしまうと適切な隙間がなくなり、毛細管現象の原因になる」ということ。
がっちりとコーキングした後に年数が経ち、劣化したコーキング材やその隙間を通って雨漏りになるケースがあるのです。
また、隙間をコーキングで埋められてしまった場合、湿気の逃げ道がなくなり、腐食の原因にもなります。
「正しく施工できる業者か」「瓦屋根のコーキングについて知識のある業者か」をしっかり見極めることが大切です。
急な雨漏りの際には、慌ててしまうよね。
しかし、「安いから」「訪問販売で指摘されたから」といって安易に業者を決めるのはやめよう!
実際に雨漏りの原因が毛細管現象だった口コミ
毛細管現象で、雨漏りが起こることは分かったわ!
でも実際、雨漏りが毛細管現象だったケースってあるのかしら?
「原因不明の雨漏りで悩んでいた」「業者の人に見てもらったら、毛細管現象による雨漏りだった」といわれた人もいるんだ。
今回は、実際に雨漏りの原因が毛細管現象だった場合の口コミを集めたよ。
ぜひ参考にしてね!
今回は、3つの口コミを集めてみました。
1年前に屋根を塗装したのですが、最近二階の天井にシミが出来雨漏りがするようになってしまいました。
引用:Yahoo!不動産 「教えて!住まいの先生 」
業者によると、塗装によって雨水の毛細管現象により雨漏りがするようになったといわれました。
新築で購入し、入居して11か月のマンションですが、先日の台風の際、天井からポタポタと雨漏りしました。
マンションの販売会社に連絡すると、良くあることで欠陥ではないとのことですが、本当でしょうか?雨漏りの原因は、毛細管現象によるもので、マンション壁面のクラックから雨が入り、コンクリート内部にしみ渡り天井から雨漏りしたとのことです。
引用:Yahoo!不動産 「教えて!住まいの先生 」
全額販売会社の負担で、壁面のタイルを剥がし、もう一度貼り直し、室内の天井クロスを張り替えるとのことです。
上の2つの口コミは、「新築で購入したのに」「1年前にリフォームしたのに」と新しくしたばかりなのに雨漏りが起きたというケースだったね。
「新築を建てた」「リフォーム」したばかりなのに雨漏りが起きたなら、毛細管現象を疑ってみよう。
次は、複数の業者に見てもらった結果、「毛細管現象だった」というケースです。
やっと雨漏り調査専門機関に依頼しベランダの笠木と下屋根破風からと断定できました。
調査報告の用紙を工務店に提出し、工務店から屋根専門業者のおじいさんが屋根を確認に来ました。そのおじいさんは、屋根の毛細管現象が原因で笠木は関係ないと言います。
引用:Yahoo!不動産 「教えて!住まいの先生 」
調査報告書の笠木からと言うのは下の方から水をかけているから水が侵入したのでは?と…。
笠木でもなく下屋根破風でもなく、屋根の毛細管現象が原因?どうゆうことなのでしょうか?
ご教授お願いします。
この場合は、複数の業者に見てもらったことで「毛細管現象」で起こった雨漏りと分かったようだね。
素人だったら、雨漏りの原因や場所は特定できないよね。
雨漏りの場所がどこからか分からないという場合は、こちらの記事でもまとめています。
ぜひ参考にしてくださいね。
【雨漏りの原因】毛細管現象の対処法は?
さて、毛細管現象が雨漏りの原因だった場合や実際の口コミを見てきました。
このあと原因不明の雨漏りを対処するには、どうしたらよいのでしょうか?
それには、3つの対処法があります。
【毛細管現象が原因の雨漏り対処法】
- 数年に1度定期点検を行う
- 屋根塗装の際は信頼できる業者に依頼する
- ラバーロック法はメリットとデメリットを知ったうえで検討する
詳しく解説していきますね。
【対処法1】数年に1度定期点検を行う
屋根材は、経年劣化や損傷を受けるなどで、小さな亀裂やひび割れが生じます。
最初の対処法としては、「数年に1度定期点検を行う」ことをおすすめしています。
理由は、「屋根の劣化状況を一般の方に判断されにくいため」です。
一見、問題ないように見えても、屋根は常に太陽の光や雨風などを受ける場所。
経年劣化や損傷を受けても、屋根のような高い場所だと外からは見えにくい場合があります。
そのため小さな亀裂やひび割れなどの、わずかな隙間から水が浸入し、毛細管現象が起こる可能性があるのです。
また毛細管現象は、素人判断がつきにくい現象です。
プロの目でしっかりと見てもらうことで、雨漏り箇所が分かり適切な対処ができます。
点検を頼む際には、信頼できる業者に依頼を行いましょう。
僕のおすすめは【雨漏り110番!】
・24時間365日修理受付対応
・加盟店多数
・自宅近くの雨漏り業者を探せる
・見積もりは無料!
「いつでも」「どの地域でも」すぐに対応してくれるのはうれしいよね。
雨漏り修理110番の評判や口コミは、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
\見積もりだけなら完全無料です/
【対処法2】タスペーサーを利用する
次の対処法は、「タスペーサーを利用する」ことです。
スレート屋根を塗装する場合、屋根材と屋根材の隙間に塗料が入って、「毛細管現象」が起こる可能性があります。
屋根材との間に隙間を確保する作業を「縁切り」といいますが、このタスペーサーを利用することで隙間を確保できるのです。
こちらの画像が「タスペーサー」です。
タスペーサーとは、近年普及しているプラスチックの部材です。
タスペーサーが使われる前は、屋根の塗装完了後にカッターなどで切って、隙間を作っていました。
しかし、この方法では「屋根に傷や足跡がつく」「塗料が乾きにくいため、カッターで切った後でも塗料がくっつく可能性がある」など問題も多かったのです。
しかし、タスペーサーが普及したことにより、これらの問題は解決しました。
ただしタスペーサーは、スレート屋根の種類や劣化状況によっては使用できない場合があります。
屋根塗装する際には、塗装業者に「タスペーサーを使用できるのか」確認を取ってから検討してみてくださいね。
【対処法3】ラバーロック法はメリットとデメリットを知ったうえで検討する
瓦屋根の場合、耐震や台風対策のために「ラバーロック法」を勧められる場合があります。
ラバーロック法を上手に使えば、耐震性が上がりますし、比較的安価な値段でリフォームができます。
しかし、ラバーロック法を用いて瓦全体をコーキングしてしまうと、かえって地震の時に大きな破片となって落下する危険性もあるのです。
また、ラバーロック法でがっちり隙間を埋めてしまうと、空気がうまく通らなくなり、腐食の原因にもなってしまいます。
この工法を行うならば、適切な部分のみに使用すること、業者との打ち合わせの段階でしっかり話し合っておくことが大切ですね。
【雨漏りの原因】毛細管現象の場合の修理費用について
雨漏りが毛細管現象が原因だった場合、修理費用はどのくらいかかるのでしょうか?
その場合、屋根の素材や原因(経年劣化か隙間を塞いでしまったか)によって値段が変わってきます。
今回は、ケース別に費用相場をまとめましたのでご覧ください。
なお、業者によって値段設定は変わってくるので、費用はあくまでも目安となります。
費用相場 | |
瓦のズレ・差し替えのみ | 1~5万円 |
棟板金のみの交換 | 3~20万円 |
コーキングの補修 | 5~20万円 |
漆喰の補修 | 18~45万円 |
下地の補修や張り替え込み | 5~30万円 |
屋根全体の交換(カバー工法・葺き替え) | 60~200万円 |
※ただし、足場代は別途かかります。相場は15~20万円です。
瓦のズレや差し替えのみで作業が終わるなら、比較的安価な値段で済ますことができます。
しかし、下地部分や漆喰にまで雨漏りが起こっていると、張り替えや補修作業を行わなければなりません。
また、怖いのは雨漏りを放置して、屋根全体の交換が必要になり、最大約200万円もの費用がかかってしまうこと。
雨漏りを見つけたら、修理費用にもかかわってくるので、早めに対策をしましょう。
次は、屋根塗装をする際に、隙間を作るための「タスペーサー工法」の費用を見てみましょう。
今回は、従来の縁切り法(カッターなどで行った方法)と「タスペーサー工法」での費用の違いを比較してみました。
平方メートル当たりの相場 | 一般的な戸建て住宅に行う場合の費用 | |
従来の縁切り工法(カッターなど) | 500~800円 | 35,000円~60,000円 |
タスペーサー工法 | 300~500円 | 20,000円~35,000円 (1000個ほど使用の場合) |
従来の工法は塗装をした後に、カッターや皮スキを使って手作業で行っていました。
乾いた塗料は固いため、2階建ての家の場合2人作業でも、丸1日かかる作業でした。
一方、タスペーサー工法の場合は、下塗り後中塗りをする前にタスペーサーを挟み込みます。
作業時間も短縮され、一人でも3時間ほどで行えます。
時間や人件費も短縮されるので、タスペーサー工法は、お客様にとってもメリットが多いことが分かりましたね。
原因不明の雨漏りは毛細管現象かも?業者に依頼を!
今回は、雨漏りの原因の1つである「毛細管現象」について詳しく解説しました。
もう一度おさらいしておきましょう。
【雨漏りの原因】毛細管現象だった場合のポイント
- 毛細管現象は、細い管を通って水を吸い上げる現象のこと
- 原因不明の雨漏りの場合、毛細管現象が関係している可能性もある
- 原因は、「経年劣化」「隙間が埋まってしまった」「知識不足の業者の作業」によるもの
- 素人が雨漏りの原因を毛細管現象と判断するのは難しい
- 特に「リフォームしたばかり」「新築を建てたばかり」の雨漏りは、毛細管現象の可能性も
- 雨漏りの原因や場所は特定しにくい!雨漏り修理は信頼できるプロに依頼を!
雨漏りの原因は、毛細管現象ではなかった場合もあります。
しかし素人では、雨漏りの原因は判断つきにくいもの。
雨漏りを最小限に防ぐためにも、早めに信頼できるプロに相談した方が賢明です。
雨漏りの原因を突き止めて、今から対策を行いましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
\見積もりだけなら完全無料です/
コメント