気候のいい時期になると外壁や屋根の塗装リフォームをしようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
塗装リフォームをしようと思った時に、塗料は何が良いかと悩むと思います。
そこで今回は、先端技術の断熱塗料「ガイナ」についてご紹介します。
その先端技術の効果や実際に使用してみた方の評判なども詳しくご紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
断熱塗料ガイナとは?
ガイナはJAXAが開発した高性能断熱塗材の技術を、株式会社日進産業によって建物に塗布するだけで快適な空間を創出する遮熱・断熱塗料として開発されました。
引用:株式会社日新産業
一般的な塗料は水性塗料・溶剤塗料・樹脂系塗料があり、断熱か遮熱のどちらかの効果しかありません。
塗料は、見た目を綺麗にすることや良い状態を長持ちさせるために使われることが一般的です。
ガイナは水系のシリコン樹脂で作られており、それらの効果に加え6つの効果があるとされています。
- 寒さ対策(断熱・保温)
- 暑さ対策(断熱・遮熱)
- 騒音対策(遮音・防音)
- ニオイ対策(空気質改善)
- 結露対策(結露抑制)
- 紫外線対策(建物長寿命化)
ガイナの最大の特徴は、塗膜面が周辺の温度変化によって適応する性質を持っています。
一般的な塗料と違いは断熱と遮熱の両方の効果があることです。
寒さ対策(断熱・保温)
ガイナを建物外部に塗布した場合、外気の温度とガイナの塗膜面の温度差が小さくなるので外部からの冷気を遮れます。
また、ガイナを建物内部に塗布して寒い季節に暖房を使用すると、塗布面の温度が室温に合わせて瞬時に上昇し暖かい室内環境に整えてくれます。
室内で暖まった熱を外部に逃がしにくくし、熱の移動を抑制するため保温効果につながります。
その結果、光熱費を節約できるというメリットもあります。
暑さ対策(断熱・遮熱)
ガイナを建物外部に塗布した場合、日射を効率よく反射し熱の発生を抑えるので夏の暑さ対策になります。
また、太陽光が当たると塗膜表面が即座に高温度になり、遠赤外線を大量に放射することによって熱を積極的に逃がして遮熱効果を高めます。
ガイナを建物内部に塗布した場合、冷房をつけたと同時に冷気とガイナの塗膜面の温度差が小さくなるので、室内の涼しい空気を逃がさず、外の暑い空気を侵入させません。
その結果、エアコンの冷房効果を高めて光熱費を節約できます。
騒音対策(遮音・防音)
ガイナの塗膜は、密度の高い特殊セラミックの中に空気を含んだ球体の多層構成になっています。
ガイナで塗装された建物は、音をこの特殊セラミックで反射し空気で減衰を繰り返す構造により音を小さくします。
その結果、振動を軽減することで車や電車の音、人の話し声や生活音などの音漏れを抑えます。
ニオイ対策(空気質改善)
ニオイは空気中の汚濁物質が空気中を浮遊し、その物質がプラスの電気を帯びて反発し発生します。
消臭・空気質改善効果は、マイナスイオン化した水分が浮遊している汚濁物質と結合することで発揮されます。
ガイナは塗膜面を特殊なセラミックで構成し、遠赤外線を効率的に放射します。
遠赤外線は水分子を激しく振動させる性質があります。
ガイナから放射された遠赤外線が空気中の水分子に当たると、分子を激しく振動させて細かくしマイナスイオン化します。
結露対策(結露抑制)
結露は、空気中の熱が窓や壁を通過する時に温度と水蒸気量のバランスで発生します。
ガイナの塗膜は周辺の温度変化によって適応する性質があり、塗装したところの塗膜面が室温に合わせて温度変化します。
その結果、温度差が小さくなるので結露の発生が抑えられます。
また、ガイナの断熱効果をさらに特化させた結露防止塗料の「ノン結露」という商品もあります。
押し入れや水回りなどの結露が発生しやすい場所に使うと効果を発揮します。
引用:株式会社日新産業
紫外線対策(建物長寿命化)
ガイナは紫外線に対してもっとも強い特殊なセラミックを多層化し、一般塗料の2〜3倍の耐久性を持っています。
紫外線による耐久性は、紫外線の吸収率で評価されます。
わかりやすくすると、日焼け止めクリームの吸収率が87~90%なのに対して、ガイナは93~95%となっています。
安全性
ガイナの6つの効果の他に、ガイナが選ばれる理由は安全性もあります。
「VOC」(揮発性有機化合物)を使用していない水性で、室内空気環境の安全性の目安となる「F☆☆☆☆」を取得しています。
そのため、ホルムアルデヒドの放散量や塗料独特のシンナー臭が少なく、安全で環境にも優しい塗料です。
さらに、国土交通大臣から不燃材料の認定と米国スタイナートンネル試験UL723(内装仕上げ材における認証試験)に合格しています。
断熱塗料のガイナを使用した評判は?
ガイナ塗装による良い評判
- 遮熱・断熱性の効果があってよかった
- 水性塗料なので、塗装時の嫌な臭いが発生しなかった
- 塗装後の結露が明らかに減った
- 室内が温かくなった
- 思った以上の仕上がりで大満足
- 音が小さくなった様な気がする
- 色も大変満足
- 暖かさの違いが実感できた
- 断熱塗料では一番扱いやすい
- 断熱塗料の中では一番施工実績がありお客様にすすめやすい
- 建物の造りにもよるが室温を下げる効果は結構あると思う
- 耐久性が高い
- 屋根に塗装したら2階の部屋の体感がかなり下がった
- 屋根から近い階は室温が下がりやすい
良い評価で1番多かったのは、遮熱効果のことでした。
また、内装に使って結露が軽減されたと評価する方も多くいらっしゃいます。
ニオイや結露、音に関してはわかりやすいので効果は期待して良さそうですね。
遮熱・断熱効果というのは感覚で評価されるところではありますが、ガイナを使って後悔したという声はあまり聞かれません。
美観上の感想では、和風の造りの自宅を塗り壁風に仕上げて大変喜ばれたというケースもあります。
ガイナ塗装による悪い評判
- 期待したほどの効果がなかった
- カラーバリエーションが少ない
- 意外と費用がかかる
- 扱いが大変
- 塗料が混ざりにくくて塗装が難しい
- 断熱材を使用している一般家庭ではあまり効果は得られない
ガイナを使って後悔したという声はあまり聞かれないと言いましたが、効果を期待するあまりに効果がなかったと感じる方もいます。
ガイナは断熱材ではなく、あくまでも断熱・遮熱効果のある塗料です。
そして、実はガイナの基本色は「白」で、特殊な断熱塗料であるために濃い色を作れません。
そのため、施主からの不満の声で1番多いのは、思っていた色より明るいという色に関することが多く聞こえます。
続いて多く聞かれるのが費用についてです。
40坪の住宅で費用を比較した時、価格が安いアクリルは60万程、スタンダードなシリコン塗料で90万円程かかります。
それに対してガイナはなんと、130万円程かかります。
しかし、これだけ多機能なのでその分塗料価格も高額なのは納得です。
耐用年数もトップクラスに長いので、使用年数でのトータルコストを考えると、驚くことに最安値クラスになるのです。
また、職人の悪い評価第一位は扱いが大変というものです。
ガイナは決して塗りづらい塗料ではありませんが、扱いにはとても神経を使うので苦手とする職人もいるようです。
断熱塗料ガイナの注意点
これだけ優秀なガイナにも注意することってあるの?
次は悪い評価にあったことも含めて、注意点を詳しく解説していくよ。
- 仕上げ
- カラーバリエーション
- 防カビ対策
- 耐久年数と費用
- 塗装業者の選定
- 高反射率塗料施工助成金制度
仕上げ
塗装完了後に不満の声として1番多く上がるのが、質感と色がイメージと違うというものです。
質感は特殊塗料のため、表面がデコボコしておりツルツルとした仕上がりにはできません。
また、ガイナはツヤ消しタイプしかない塗料なので、光沢のある仕上がりを好む方には不向きな塗料となります。
引用:株式会社日新産業
引用:株式会社日新産業
引用:株式会社日新産業
引用:株式会社日新産業
カラーバリエーション
続いて不満の声で1番多く声が上がっている色についてご説明します。
ガイナのカラーバリエーションは52色ととても豊富で、混ぜることで200色以上のカラーが作れると言われています。
なのになぜ不満の声があるのかというと、その要因はガイナの基本色が白であることです。
基本色の白と混ぜて色を作るので、対象色の黒や赤などいった原色の濃い色は作れません。
作ろうと思えば作ることは可能ですが、どうしても性能が落ちてしまうのでメーカーが作らないのです。
こちらがガイナの2018年度の出荷缶数の割合です。
この表を見ても基本は白がベースになっていることがよくわかります。
引用:㈱日進中部
ご覧の通り、薄めの色で屋根に塗る場合も淡い色になります。
色が濃ければ濃いほど遮熱性・断熱性の機能を奪うことになるので、濃い色は作らないということです。
その為、業者に施工事例や大きめの色見本を見せてもらうようにした方が後悔のない工事ができます。
防カビ対策
外壁の藻やカビでお困りのご家庭もあるかと思います。
残念ながらガイナ塗料には、防カビ機能がありません。
防カビ機能を持たせる場合、別途で抗菌防カビ材を使用する必要があります。
しかし、ガイナでは防カビ剤のMRA-500というものがありますので別途塗装に手を加える必要はありません。
ガイナ塗料にこの材料を加えて塗布するだけで、500種類以上のカビ類や細菌類に効果が得られます。
この防カビ剤の特徴は、水に溶け出しにくいので効果も長持ちします。
また、この防カビ剤はガイナ塗料と同じく人体に有害なものも入っていないので安心してお使いいただけます。
耐久性と費用
ガイナ塗料の一番のデメリットは価格だと思います。
塗料 | 耐久年数 | 費用(40坪の場合) |
アクリル塗料 | 5~7年 | 60万円 |
ウレタン塗料 | 8~10年 | 70万円 |
シリコン塗料(スタンダード) | 10~12年 | 90万円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 120万円 |
ガイナ塗料 | 15~20年 | 130万円 |
ガイナ塗料の130万円の内訳例は、足場が20万円、高圧洗浄が10万円、塗料代及び塗装費用が100万円の計130万円です。
これだけ見ると高い!と思いますが、これだけ多機能な塗料なので価格が高額なのも多少納得はできます。
しかし、耐久年数が非常に長いので、トータルコストで考えると実はそれほど高額ではありません。
ガイナの耐久年数が15~20年と長いですが、一般塗料は10~12年と言われています。
環境や条件でも異なりますが、20年もつ塗料は基本的には無いという考えが自然かもしれません。
ガイナは比較的長持ちするという実績もありますが、ガイナはツヤのない塗料です。
ツヤのある塗料は、年月が経つと徐々にツヤがなくなるため、経年劣化を感じてしまいますが、最初からヤのないガイナ塗料は劣化が目立たないということもあるようです。
外壁塗装の費用についてはこちらでも詳しくご紹介しています。
塗装業者の選定
特殊な塗料であるガイナは、他の塗料に比べて扱いにくく、塗るのも難しいと言われています。
ガイナ塗料の特性を最大限に活かすには、適した施工方法で塗装をしないと効果が得られません。
ガイナ塗料の施工実績が豊富な業者に依頼することをおすすめします。
高反射率塗料施工助成金制度
高反射塗料を使って外壁塗装をする場合、高反射率塗料施工助成金制度が適用され、自治体から補助金・助成金がおりる可能性があります。
自治体によって条件が異なるので、必ず工事前に問い合わせをしてください。
断熱塗料ガイナと評判についてのまとめ
ガイナは、JAXAにも認められている優れた塗料だということがおわかりいただけたでしょうか。
断熱・保温・遮音・防音・空気質改善・防露効果に加え、耐久性・安全性等の様々な効果も備えています。
特殊な塗料なので注意すべき点はあるものの、省エネ大賞を受賞するなど大変優秀な断熱塗料です。
間違えてはいけないのは、断熱・遮熱効果のある塗料で断熱材ではないということです。
正しい施工の知識と技術を有した職人が施工することにより、ガイナの特性を最大限に活かせます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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